[↓1995年][↑1997年]

1996年に観た映画の一覧です

今年の標語: 基本は大事に、観逃さず。

Best10です。(旧作は含んでいません。ただし日本初公開作は新作扱い)

  1. #128「楽園の瑕」王家衛/1994/香港
  2. #130「カップルズ」楊徳昌/1996/台湾
  3. #56「ユリシーズの瞳」テオ・アンゲロプロス/1995/仏他
  4. #103「シクロ」トラン・アン・ユン/1995/ベトナム
  5. #83「女人四十」許鞍華/1995/香港
  6. #85「天使の涙」王家衛/1995/香港
  7. #158「ファーゴ」ジョエル・コーエン/1996/米
  8. #9「Shall weダンス?」周防正行/1995/東宝
  9. #90「絵の中のぼくの村」東陽一/1996/シグロ
  10. #3「デスペラード」ロバート・ロドリゲス/1995/米

星の見方(以前観たものには付いてません)
★★…おーっ、生きててよかったっ!
★…なかなかやるじゃん。
無印…どーってことなし。
▽…金返せーっ!
凡例
#通し番号「邦題」監督/製作年/製作国/鑑賞日/会場[星]

#168「カンザス・シティ」ロバート・アルトマン/1995/米/Dec. 29/恵比寿ガーデンシネマ1
へまをやらかして黒人マフィアに囚われた夫を救うべく、大統領顧問の妻を誘拐する無鉄砲な女を演じるジェニファー・ジェイソン・リーの下品な喋りが印象的。Mr. Pink(なんとかブジェミ)がゲストで出演。最近続いた大群像劇の形式を採用しなかったのは正解だ。
#167「暗殺の森<完全版>」ベルナルド・ベルトルッチ/1970/伊=仏=西独/Dec. 29/ユーロスペース1
ジャン=ルイ・トランティニャンが演じる、時代に迎合しファシストの秘密警察に入った青年。かつての恩師でレジスタンスの大学教授を暗殺するまでを主に描き、ムッソリーニが失脚した時代の境目での彼の行動で幕を閉じる。教授の妻を演じるドミニク・サンダが美しい。ところで、これは<完全版>だったのだが、どこが追加されたシーンなのかついにわからず。
#166「鷲と鷹」井上梅次/1957/日活/Dec. 28/シネマ・ジャック
まだ若い(大スターでない)裕次郎が殺人犯を演じる。身分を伏せて事件を捜査する刑事に三国連太郎。結局どちらが“鷲”でどちらが“鷹”なのかわからなかった。すべて船の上でのシーンという異色作。悪徳船長二本柳寛の娘浅丘ルリ子が“密航”してくる設定だけでもすごいのに、彼女が甲板でひらひらのスカート+ハイヒールという格好でいるのは妙だ。
#165「口笛が流れる港町」斎藤武市/1960/日活/Dec. 28/シネマ・ジャック
『渡り鳥』シリーズ公式第2作。舞台は宮崎。あれ?前作で次は佐渡に行く予定だったはずだが…。
#164「ギターを持った渡り鳥」斎藤武市/1959/日活/Dec. 27/シネマ・ジャック
このシリーズの原点『南国土佐を後にして』ではスーツなんて着てたのに、本作では黒いウェスタンジャケット着てギター背負ってて、どこから見てもまともじゃない。悪役金子信雄。父の悪事を知らない金子の娘浅丘ルリ子。ライバルに宍戸錠。そしてキャバレーのダンサーに白木マリ。ついに役者は揃った。荒唐無稽アクション全開。なお、本作でやっと日活時代の《突貫小僧》こと青木富夫を確認した。
#163「勝利者」井上梅次/1957/日活/Dec. 27/シネマ・ジャック
初めて観た《日活スコープ》でなくスタンダードサイズの日活アクション映画。こんなのあったのね。話は裕次郎が不良からボクサーチャンピオンになるまでを描く、なかなか見ごたえのある作品。相手役には北原三枝。バレリーナの卵なのだが“白木マリ”という名前なのが笑える。
#162「南国土佐を後にして」斎藤武市/1959/日活/Dec. 23/シネマ・ジャック
《マイトガイ》小林旭の『渡り鳥』シリーズの第一作が上映されると聞けば、たとえ黄金町だろうと観に行かないわけにはいかない。しかし…、期待外れだった。こんなもんなのか? 帰りがけにその理由がわかった。《エースのジョー》こと宍戸錠が出ていなかったのだ。次に期待しよう。
#161「嵐を呼ぶ男」井上梅次/1957/日活/Dec. 23/シネマ・ジャック
《タフガイ》石原裕次郎の超有名作品、いままで観たことがなかったが、『南国土佐を後にして』を観るついでに。なかなか面白かった。金子信雄はベレー帽かぶってるし。白木マリのダンスは見られるし。彼女のダンスの前のシーンが、ピチカート・ファイヴの『大人になりましょう』でサンプリングされていることがわかったし。芦川いづみがいまいち可愛く撮られていなかったのが不満といえば不満だ。
#160「デッドゾーン」デヴィッド・クローネンバーグ/1983/米/Dec. 23/シネマ・カリテ★
『クラッシュ』の公開を控えて、『ヴィデオドローム』、『スキャナーズ』と本作が回顧上映。クリストファー・ウォーケンの非人間的雰囲気がクローネンバーグ映画にはよく合う。
#159「花の影」チェン・カイコー(陳凱歌)/1996/香港/Dec. 22/ル・シネマ2
さらばわが愛』のトリオによる新作。あー、やっぱり陳凱歌はだめだ。へんなシナリオ、へんな演出。受け狙いもいい加減にせいっ。張國榮のナルシスト演技、鞏利のお高いのもいや。
#158「ファーゴ」ジョエル・コーエン/1996/米/Dec. 15/シネマライズ★
知的なユーモア・センスと場の絶妙なつなぎで魅せるコーエン兄弟。今回は実際に起こった偽装誘拐転じて殺人事件を描く。ドンパチもあるのに、コーエン作品にしてはあまり緊張せずに観た。元プリンスが端役でゲスト出演。
#157「草原の愛-モンゴリアン・テール」シェ・フェイ(謝飛)/1995/中国・香港/Dec. 14/テアトル新宿
幼いときに遊牧民の老婆に引き取られ兄妹として育てられた男女が、成長してフィアンセとなる。大自然に溶け込んで暮らしているゆえか、不貞にまで寛容な老婆と、その性質を受け継ぐ孫娘。これに対して、街で近代思想に接した男は…。全篇モンゴル語の異色作。モンゴルの草原風景が何か懐かしい。
#156「パリでかくれんぼ」ジャック・リヴェット/1995/仏/Dec. 8/シネ・ヴィヴァン・六本木
美しき諍い女』、『ジャンヌ・ダルク』とたてつづけに文化村などというハイソな小屋でかかっていたのに、なんでまたこういう場所に戻ったのかな?お題もロメール風で受けそうなのに、と疑問に思いながら観始めたとたん、あぁ、これは本来のリヴェットだ、と妙に納得してしまいました。3人の女の子の話がひとりの男を接点にして進んでいくのだが、これといった結末がないまま3時間。これじゃ、おばさんは困ってしまいます。あのアンナ・カリーナが出演している点がシネフィルには見逃せない。
#155「宝物の椅子」チャン・ティエリン(張鉄林)/1996/香港・中国/Dec. 8/テアトル新宿
定年退職したじいさんが年金で買った椅子が実は国宝の盗品だったと大騒ぎになる話。うーん、この紋切りストーリーもアレだが、演出も好かん。中国映画なら何でもいいってもんじゃないぞ。(といいながら、かかさず観ている奴が悪い。^^;)
#154「正義の行方」ファン・ユアン(範元)/1994/中国/Nov. 30/テアトル新宿
四川省の山奥の農村で共産党書記を努めるカンじいさんは清廉潔癖、だらしない村民にはときには拘留、引き回しなども行って、全国的にも模範的な秩序を保ってきた。 が、あるとき引き回しが元で自殺者が出、密告者の情報により検索局が彼を検挙にやって来る。 検察官は被害を受けた村民達の事情聴取を行うが、カンじいさんを悪くいう者はひとりもいない。 しかし、違法である監禁などの罪はまぬがれない…。 ストレートで力強い演出が魅力的な作品。 この質で監督は新人。 中国、おそるべし、おそるべし。
#153「行商人」モフセン・マフマルバフ/1987/イラン/Nov. 30/ユーロスペース2
巨匠マフマルバフの3作オムニバスで、『トリコロール』みたいに、各話がすこしずつ関連している。 のっけからぐるぐる回るホルマリン漬けの胎児がタイトルバックで、“ん?これはなんか違う”と観衆に思わせ、そのまま奇妙な話が3つ、ぐいぐい語られる。 カラーとモノクロの使い分けなど、いろんなテクニックを随所に織り交ぜており、実験的な作品かと思われる。 エンディングも、タイトルバックと同じホルマリン漬けでだめ押し。
#152「駆ける少年」アミール・デナリ/1986/イラン/Nov. 30/ユーロスペース2★
空き瓶拾いや、氷水売り、靴磨きなどをしながら、ひとりで生きる少年アミロ。 自分の未来への不安と期待を胸に秘めて、船や飛行機に向かって叫んだり、浮浪児仲間と列車を追いかけたりする、この少年の笑顔が実に印象的。 くじけることを知らない、こんな理想的な少年はイスラム社会では実在するのか? 少年がたびたび食べるスイカがおいしそうだったな。
#151「新北京物語」フー・チュン(何群)/1995/中国/Nov. 24/テアトル新宿
さまざまな地方出身の社員が住む出版社の寮で繰り広げられる人間模様。 北京の庶民(というより中流階級)の生活をありのまま描いたようだ。 地方出身者への蔑視と北京への憧れ、腐りきった職場、その職場をひきずる劣悪な居住環境。 巨大なディスコ、“むかつく”といっておやじ狩りをする若者といった日本とまったく同じ状況が見られるのも興味深い。
#150「サイクリスト」モフセン・マフマルバフ/1989/イラン/Nov. 23/ユーロスペース2
キアロスタミ監督の『クローズ・アップ』で、主人公の男が“『サイクリスト』と共に生きているとマフマルバフ監督に伝えてくれ”と言った、あの映画がイラン映画祭で上映。 妻の医療費を稼ぐために見世物として一週間自転車をこぎ続けることにしたアフガニスタンからの出稼ぎ男。 この興行で利益を得ようとする周囲のごたごたを監督はコメディタッチで描く。 こぎ続けることを強要され、ついに偉業を達成した男はもはや周囲の喝采も耳に入らず、こぐのを止めようとはしない…。 この作品の裏は果てしなく暗い。
#149「巨人と玩具」増村保造/1958/大映/Nov. 17/大井武蔵野館
同監督の映画はいくつか観ているが、これはそのうちで最も変態度の低いものだ。川口浩と野添ひとみのコンビで、お菓子会社間のモーレツ宣伝合戦をシニカルに描く快作。高松英郎扮する川口の上司が疲れを取るため覚醒剤を飲んでいるのだが、川口が“覚醒剤ですか”と普通に尋ねるあたりが時代を感じる。ありゃ、いつから禁止になったんでしょう?
#148「項羽と劉邦-その愛と興亡-」スティーブン・シン/1994/中国/Nov. 17/テアトル新宿
今年の中国映画祭は20回目だそうで、おめでたい。これはそのオープニング。張藝謀がexecutive producerで鞏利が主演の、超有名物語を題材にしたスペクタクル。歴史の勉強にもなるし、なかなか面白かったが、上映前に飲んだコーヒーがもとで途中から猛烈にもよおしてきてつらかった。^^;
#147「天使の涙」王家衛/1995/香港/Nov. 16/シネマライズ
菊地武夫が王家衛に撮ってもらったという短編『wkw/tk/1996@7'55''hk.net』を併映するというので、2回目だが観に行ったのだが、その短編の主役浅野忠信の舞台挨拶があるとかで行列ができていて閉口する。先日現地でチェックしたロケ現場の確認をいろいろやった。
#146「黒侠」李仁港/1996/香港/Nov. 9/南華1(香港)
徐克と仲直りして電影工作室で製作した李連杰の新作。近未来もので、李連杰は神経を切断して苦痛を感じなくなったアンドロイドみたいな人間。莫文蔚が共演。
#145「新上海灘」潘文潔/1996/香港/Nov. 8/明珠(香港)
周潤發を有名にした『上海灘』の劉徳華、張國榮主演によるリメイク。いきなり『昭和残侠伝』ばりの殴り込みシーンでドキドキ。ところどころクサイが、最近こういうドンパチものに飢えていたので、とても満足したぞ。
#144「[女麻][女麻]帆帆」陳可辛/1996/香港/Nov. 7/金聲(香港)
僕が香港に来ている間に、日本に来ていたらしい袁詠儀がばあさんを演じる、ありきたりの老人問題を描いたコメディ。陳可辛の作る映画は本当に紋切り型にはまっているが、香港では(その他にもいないか)他にこういうのを撮る人がいないから受けるのかも。
#143「審死官」杜[王+其]峯/1992/香港/Nov. 6/南華2(香港)
周星馳が50万HK$近く稼いだらしいコメディ。相手役は梅艶芳。確かに面白かったが、疲れた。せりふが多い=字幕の語数が多い、なんだもん。広東語がわかるようになりたい。
#142「4面夏娃」甘國亮/1996/香港/Nov. 2/百老wei(香港)
呉君如を主役に据えた4つのオムニバスストーリー。軟硬天使の2人も絡んで、なにやらわけのわからん実験映画のような構成になっている。莫文蔚が出てくる2番目のストーリーが面白かったな。
#141「甜密密(ラヴソング)」陳可辛/1996/香港/Nov. 2/南華1(香港)★
休養していた(?)影后・張曼玉の復帰作は、天王・黎明との共演によるコメディ。大陸から香港にやってきた全く性格の違う2人が辿る人生を、[登卩]麗君の死と絡ませて、最後にひとつにする陳可辛らしい演出の佳作。杜可風が出演(!)。
#140「狩人」テオ・アンゲロプロス/1977/ギリシャ/Oct. 21/シネマ・セレサ★
なが〜いカット、カメラがパンすると年代も変わるというお気に入りの演出が爆裂するアンゲロプロス作品だが、中でもこいつはすごい。現代で狩をしていたグループが内戦時代(30年近く前!)の兵士らしき男が死んでいるのを発見し、遺体を宿に持ってかえる。そこで繰り広げられる時空を超えたドラマ(といってもSFではもちろんない)。何しろワン・カットが10分は当たり前だから、俳優さんたちの苦労がしのばれる。
#139「天空小説」ジャン・ラム(林海峰)/1995/香港/Oct. 11/銀座テアトル西友
香港のラッパー軟硬天使のかたわれの監督作で40分の短編。これで前売り1,000円はぼったくりだよ。撮影が杜可風指導ということで、彼っぽいかっこいいカメラワークが最後まで続くが、中身はひたむき(?)な変人2人のお話。ま、短編だし、こんなものでしょう。
#138「スポーツの女王」スン・ユィ/1934/中国/Oct. 10/フィルムセンター★
体育の日にフィルムセンターが上映したのは、黎莉莉が足の速いおてんば田舎娘を演じる青春スポーツもの。とにかく溌剌とした彼女の演技がよい。舞台は上海で、魔都と呼ばれた頃の風景が貴重だ。映画はサイレントだが、今回は柳下美恵さんのピアノ伴奏付きだった。
#137「トゥルー・ストーリー」アボルファズル・ジャリリ/1996/イラン/Oct. 6/シアターコクーン
東京国際映画祭最後の鑑賞はアジア秀作週間のクロージング、イランのドキュメンタリー。今回特集上映されたジャリリ監督作品の一本。きのうの『パンと植木鉢』もそうだが、イラン映画には楽屋落ちものが多いように感じる。実際にはそうなのではないかもしれないが、とにかく日本で上映されるイラン映画はそういう傾向がある。秋のイラン映画祭ではどうだろうか? 本作とは関係ないが、今年はゲストに華がなかったのが非常に残念。唯一と期待されたチンタラー・スカパットも見ることはできなかった。
#136「パンと植木鉢」モフセン・マフマルバフ/1996/イラン/Oct. 5/シアターコクーン★
映画祭では2本のマフマルバフ作品がかかったが、観られたのはこの一本。去年かかった『サラーム・シネマ』の続編といえる作品。監督が活動家だった20年前、警備中に監督に刺された元警官の男が主人公の映画を撮るというお話。男が憧れていた女の子が実は監督の仲間で、彼女が気をひいているすきに監督が男を刺すという計画だったことが、映画の撮影を進めるうちに分かってくる。テンポもよく、楽しめる。
#135「変面」呉天明/1996/中国/Oct. 5/オーチャードホール★
中国のおじいさんといえば、この人、朱旭主演の人情もの。たまにはこういう紋切りのお涙頂戴ものも悪くない。自分は男だと朱旭を騙して孫に収まろうとする女の子がなかなかよい。朱旭は映画祭のゲストで来日していて、たまに客席にいるのを見かけたし、なんとハチ公前交差点を歩いていたのも目撃した。
#134「世界の涯てに」リー・チーガイ/1996/香港/Oct. 3/シアターコクーン
金城武、陳慧琳を主役に配した《不治の病》もの。UFOの製作なので、かなり人情に訴えるものになっている。ここまでいうと『つきせぬ想い』の袁詠儀と比較せざるを得ないが、彼女が元気なのに対して陳慧琳は非常にクールで、まぁ、好みの問題でしょう。映画祭での上映がワールド・プレミアだとのこと。どうも、カメラがふらふらしているのが気になりました。
#133「008ウーマンレイカー」ビンセント・コク/1996/香港/Oct. 3/渋谷パンテオン★
周星馳の007パロディ第2弾。タイトルバックからもろパクリで、いきなり爆笑モード。お話は、明帝の秘密警備任務をおった周星馳の活躍。奥さんの役に劉嘉玲で、周星馳との掛け合いが絶妙。ここに星ひとつの理由がある。
#132「周星馳の魔界ドラゴンファイター」ジョニー・トウ/1993/香港/Oct. 3/渋谷パンテオン
周星馳が何やら不良の神様で、罰として、下界に降りて3人のどうしようもない人間を更正させる、というお話。共演に張曼玉、黄秋生、呉孟達など。くだらん。せっかくの張曼玉がもったいない。
#131「浮草人生」林正盛/1996/台湾/Oct. 2/ル・シネマ2★
全編通して画面が暗いためうとうとしてしまい、断片を繋いでしか評価できないのだが、この何も起らない物語の落着きは悪くない。主演はツァイ・ミンリャン作品でおなじみの李康生。台湾東海岸の村や街の風景の物悲しさが沁みる一品。
#130「カップルズ」エドワード・ヤン(楊徳昌)/1996/台湾/Oct. 2/シアターコクーン★★
この監督は、やはり天才なのだろうか。これだけ緻密なシナリオと完璧なカメラで観る者を魅了する。同監督の過去作品で起用された俳優が成長して再度登場するのも嬉しい。ティーチ・インで誰かがいってたが、本当に画面ひとつひとつの情報量が多くて、一度観ただけでは物足りない。一般公開はいつなのか? それにしてもやはり邦題は“ちょいと違う”と思うぞ。
#129「東京の英雄」清水宏/1935/松竹/Oct. 2/渋東シネタワー4★
サウンド版。詐欺のような実業家の父親が、再婚したとたんに雲隠れ。映画は、残された後妻吉川満子の苦労と3人の子供たちの成長を描く。長男の子供時代に突貫小僧。大人になってからの妹役に桑野通子。彼女の出番が少ないことに不満が残るので星はひとつしかあげない。
#128「楽園の瑕」ウォン・カーウァイ(王家衛)/1994/香港/Sep. 29/銀座テアトル西友★★
遂に劇場公開。映像がむちゃくちゃ綺麗な映画。レーザーディスク(香港版, 中英字幕)で観たときは、何度もリピートして物語と画面構成を把握しなくてはならなかったが、その甲斐あってかただの日本語字幕のおかげか、今回はよくわかった。出演陣は豪華だし、《香港おしゃれ系》(?)として有名になってしまった王家衛作品だが、一般うけしない映画であることは間違いない。
#127「ファイナル・プロジェクト」スタンリー・トン(唐季礼)/1996/香港/Sep. 28/オーチャードホール
成龍の『ポリス・ストーリー』シリーズ最新作は、東京国際映画祭特別招待作品。上映前にはきちんと本人がゲストであいさつ。またまた、よくもここまでと、思われるアクションとギャグの連発で、観ていて“ごくろうさん”といいたくなる。
#126「再見南国」ホウ・シャオシエン(侯孝賢)/1996/台湾/Sep. 28/シアターコクーン★
前作にひきつづき、本作も松竹(奥山)からの資金で撮っている。今回は、台湾南部に資金稼ぎをしに行くチンピラ2人の半ロードムービー。主演はガオ・ジェ、林強、伊能靜という近作の常連。上映後のティーチ・インで監督は2度も取り直しをしたというが、なかなか肩ひじはらずに観ることができる、とぼけた味のある作品。『好男好女』よりヒットするんじゃないかな。
#125「ハイリスク」バリー・ウォン(王晶)/1995/香港/Sep. 27/渋谷パンテオン
これは李連杰の『ダイ・ハード』。ホテルを襲った爆弾魔との攻防を描く。張學友がアクションスター、李連杰がそのスタント兼ボディガード役。張學友がスタントを使っているというスクープを狙う記者に王晶映画ではおなじみの邱淑貞。張學友はブルース・リーのまねして、これがなかなか上手くて笑ってしまった。
#124「大冒険家」リンゴ・ラム(林嶺東)/1995/香港/Sep. 27/渋谷パンテオン
題名と内容は一切関連がないのが香港流なのか? (『大冒険家』は原題。英題も同義) 劉徳華がカンボジア人で、子供の頃に親が同僚に裏切られ殺されたのを、成長してから復讐するお話。敵の愛人役に關之琳、敵の娘で劉徳華と結婚する役に呉倩蓮。
#123「古惑仔」アンドリュー・ラウ(劉偉強)/1995/香港/Sep. 27/渋谷パンテオン
東京ファンタスティック映画祭前夜祭(#122〜#125)のゲスト、鄭伊健主演でヒットしたチンピラものシリーズの第一弾。映画とは関係ない話だが、22:30開場のところをはりきって18:30に行き行列してたら、20:00頃になってその列が当日券を買うためのもので、前売券所有者には整理券を配布しているのを知り、559番という大きな数字をもらって2階席に甘んじてしまった。悲しい。
#122「冒険王」チン・シュウトン(程小東)/1996/香港/Sep. 27/渋谷パンテオン
李連杰の『インディ・ジョーンズ』。玉手箱のようなものを巡る善悪の戦いで、日本のスパイに關之琳を配して、何やら『ワンス・ア・ポンナ・タイム・イン・チャイナ』みたい。抗日新聞の編集長役でロー・ガーインがいい味を出している。金城武、楊采[女尼]も出ているが北京語吹き替えで、なんか妙だった。
#121「アンナ」ピエール・コラルニク/1967/仏/Sep. 21/ル・シネマ1
こりゃ、サントラが出れば買いますが、LDが出ても買いませんね、僕は。アンナ・カリーナフリークなら何でも買うのかもしれないけど、あまりにチープな話と映像にはついていけません。でも、併映のヴィデオ『クリスマスのうさぎ』で、動く(しかもカラーの)フランス・ギャルとフランソワーズ・アルディが見られたので許します。
#120「海ほおずき」林海象/1995/フォーライフレコード/Sep. 21/ユーロスペース2
唐十郎原作・主演の異色の探偵もの。舞台は台湾で、台北と台南。マドンナ(?)は台湾の歌手唐[口那]で、CDのジャケットではわからなかったが、この人、葉月里緒菜と大塚寧々を足して2で割って少し横に伸ばしたような顔をしていた。さて、映画はもっと台湾のにおいをプンプンさせているものを期待していたので、ちょいと物足りない。上映前に唐十郎、原田芳雄、林海象3氏のあいさつがあったのが、お得だったか。
#119「ピアニストを撃て」フランソワ・トリュフォー/1960/仏/Sep. 14/ル・シネマ2
相変わらずねちっこい演出のトリュフォー。主人公のピアニストを演じるのはシャルル・アズナブール。アズナブールといえば、昔由紀さおりの歌に“アズナブール流しながら…”という歌詞のものがあったが、子どものこと、“アズナブール”ってなんだろう、と疑問に思っていた。映画とは関係ないけれど。
#118「君とひととき」エルンスト・ルビッチ/1932/米/Sep. 14/ル・シネマ1★★
モーリス・シュバリエ主演の半ミュージカルコメディ。仲睦まじい夫婦に妻の親友が割り込んできて巻き起こす夫婦の危機。シュバリエの演技は最高で、中でも顔の表情がよい。とにかく、むちゃくちゃ面白い。
#117「万事快調」J-L.ゴダール/1972?/仏/Sep. 7/シネセゾン渋谷
ゴダールの政治映画。彼の政治映画は、なかなか観る機会がないこともあるが、とにかく敬遠していた。もともと難解なうえに、彼流の政治ヴィジョンみたいなのがぐいぐいと迫ると思うと…。で、観た感想は、(実は1/3くらい眠ってしまったが)やっぱり観なきゃよかった。アンナ・カリーナとかブリジット・バルドーとかが出てれば、別だけどね。
#116「修道女」ジャック・リヴェット/1966/仏/Sep. 7/三百人劇場
アンナ・カリーナが、家庭の事情から修道院にむりやり入れられてしまい、そこで起す騒動を描いたもの。と書くと喜劇のように聞こえるが、前半は悲惨な虐め地獄。
#115「田園交響曲」山本薩夫/1938/東宝/Sep. 6/フィルムセンター
孤児で盲目の原節子をキリスト教博愛主義者の高田稔が引き取るが、面倒をみるうちに“博”が取れてしまい、それが元で、原節子は目が見えるようになってまもなく死んでしまうというお話。この映画が愛国意識の高揚につながるとはとても思えない。
#114「嵐が丘」ジャック・リヴェット/1986/仏/Aug. 31/三百人劇場
やってます、リヴェット特集。これは日本初公開の舞台をフランスに移しての『嵐が丘』。音楽を極力使わない演出(単に予算がないのか?)がしぶさを増す。
#113「愛のめぐりあい」ミケランジェロ・アントニオーニ/1995/仏=伊=独/Aug. 31/有楽町スバル座
老いぼれ(失礼)アントニオーニの、ヘアをどうするかでもめて話題になってしまった新作。ヴェンダースが共同監督という形で、ますます期待できない。で、結局その通りだった。
#112「タンタンとトワゾンドール号の神秘」?/1961/仏/Aug. 25/シネマセレサ★
こちらのキャラクターの方が、『水色のオレンジ』よりよく似ていた。話もイスタンブールロケなどが入る冒険もので、それらしい。(やはりオリジナルのような気がする。) もっと、公開して欲しい、このシリーズ。
#111「タンタンと水色のオレンジ」?/1964/仏/Aug. 25/シネマセレサ
実写版『タンタン』が日本公開。確か1960年代に撮られたものだと思う。話は、僕の記憶にはないので、おそらくオリジナル。漫画の雰囲気をできるだけ再現しようとしているらしく、確かによく似ていた。原作のネタがちりばめてあるので、タンタンを知らずに見るよりは、本を一通り読んでから観た方が楽しめる。
#110「夏物語」エリック・ロメール/1996/仏/Aug. 24/シネ・ヴィヴァン・六本木★
ロメールの新作は『四季シリーズ』第2弾。『海辺のポーリーヌ』のポーリーヌが出てきて、とても懐かしい。話は、3人の女の子を相手にいいかげんな付き合いをして、だんだんデッドロックにはまっていく男の話。でも、結局はずるしてするりと難局を乗り越えてしまう。
#109「シュザンヌの生き方」エリック・ロメール/1963/仏/Aug. 24/シネ・ヴィヴァン・六本木
ねちっこくしたたかな女の子の話。遊び人に振り回されてかわいそうだが、結局は彼女に幸福が…。
#108「モンソーのパン屋の女の子」エリック・ロメール/1962/仏/Aug. 24/シネ・ヴィヴァン・六本木★
見かけなくなった好みの綺麗な女の子を探しまわっているうちに、パン屋の普通の女の子となんとなく仲よくなってしまったが、さぁデートというときに、好みの女の子と再会して、あっさりそちらに寝返ってしまう男の話。とってもあっさりしているのがフレンチか?
#107「魅せられて」ベルナルト・ベルトルッチ/1996/伊/Aug. 17/新宿武蔵野館★
妙なカメラワークが気になったが、トスカーナの景色も美しく『リトル・ブッダ』に比較すればずっとベルトルッチだった。死期の近い作家を演じたジェレミー・アイアンズもノーマルな熟達した演技で堪能した。
#106「逃げ去る恋」フランソワ・トリュフォー/1978/仏/Aug. 11/シネ・ヴィヴァン・六本木★
離婚したアントワーヌ。新しい恋も危機。それまでのアントワーヌもののフィルムをたくさん織り込んだお買得の作品で、ハッピー・エンドも嬉しい。
#105「愛と哀しみのアカ族・タイ人もお手上げ」T.チャンティマー/1994/タイ=日本/Aug. 11/銀座シネパトス2
紋切型の邦題が付いたこの映画、タイトルやナレーションからみてタイの少数民族アカをフォーカスした『ブッシュマン』みたいなもんらしい。しかし、どう見ても麻薬組織相手の刑事物という性格の方が強い。麻薬中毒でロリコンの日本人実業家を中村``鉄観音岩石''ゆうじが怪演。“先着100名様にタイ食材プレゼント”はココナッツクリームの紙パックだった。
#104「家庭」フランソワ・トリュフォー/1970/仏/Aug. 3/シネ・ヴィヴァン・六本木
結婚したアントワーヌ。子供も生まれ、新しい職も見つけるが…。変な日本人娘(?)に寄り道してピンチ。
#103「シクロ」トラン・アン・ユン/1995/ベトナム/Aug. 3/シネマライズ★★
相変わらずの抜群のカメラ。ベトナムの湿度の高い暑さが伝わってくる。みんなが食べてる食事に思わず生つば。
#102「黒薔薇の館」深作欣二/1969/松竹/Aug. 2/大井武蔵野館
確か2回目。田村正和が金持ちのぼんぼん。
#101「怪談残酷物語」長谷和夫/1968/松竹/Aug. 2/大井武蔵野館
田村正和が旗本の息子。親父の血をうけついで、超悪になる。かなりグロ度高し。
#100「猫が行方不明」C.クラビッシュ/1996/仏/Aug. 2/シャンテ・シネ2
ヴァカンスから帰ってきたら、猫がいなくなっていた、というお話。ヴァカンスのシーン(1秒もない)がええ。
#99「いたづら」中村登/1959/松竹/Aug. 1/スタジオams
高橋貞二が、とぉってもお人好しの英語教師を演じる。ヒロインは有馬稲子だが、彼女は杉浦直樹(まだフサフサ)を慕う。偽のラブレターが引き起こす、可笑しくも悲しい物語。決してハッピーエンドとはいえない終わり方からして、当時はあまり受けなかっただろう。
#98「非情の男」高橋治/1961/松竹/Aug. 1/スタジオams
三上真一郎が救いようのないチンピラ。この感情移入のしにくさは、『仁義の墓場』に通じる。
#97「私たちの結婚」篠田正浩/1962/松竹/Aug. 1/スタジオams
牧紀子をめぐって3人の男が(間接的に)争う。そのひとり、実直な工員に三上真一郎。松竹とは思えない、意外な結末。
#96「風の中の子供」清水宏/1937/松竹/Jul. 31/フィルムセンター
天才清水の子供映画。爆弾小僧に突貫小僧。アメリカ小僧なんてのも出演。子供が生き生きしていて気持ちよい。
#95「男性對女性」島津保次郎/1936/松竹キネマ/Jul. 30/フィルムセンター
松竹大船移転記念映画だそうで、超豪華キャスト。佐分利信、田中絹代、上原謙、吉川満子、飯田蝶子、坂本武。挙げているときりがないが、忘れちゃいけないのが、桑野通子。もっと出番を!
#94「Kids Return」北野武/1996/オフィス北野/Jul. 28/テアトル新宿★
実際初めて観た北野作品。噂には聞いていたが、確かにこの人の映画は上手い。画面の広がりはないが(作品の性格上の必然?)、役者の使い方と、ストーリの面白さで玄人芸を見せる。
#93「蜂の旅人」テオ・アンゲロプロス/1986/ギリシャ/Jul. 20/シャンテ・シネ2
アンゲロプロスの苦悩。みつばちを飼う初老の主人公が、みつばちみたいにちくっとする女の子を拾い一緒に旅するが、最後には女の子は去り、男はみつばちの巣箱を引っくり返す。
#92「夜霧の恋人たち」フランソワ・トリュフォー/1968/仏/Jul. 20/シネ・ヴィヴァン・六本木
軍隊をクビになって社会復帰したドワネルが転々と職を変え、ガールフレンドがいながら、勤め先(厳密には勤めを装った内偵先)の社長夫人に憧れる話。これも、トリュフォーにしては(偏見)フィーリングの合う一品だった。
#91「アントワーヌとコレット・二十歳の恋」フランソワ・トリュフォー/1961/仏/Jul. 20/シネ・ヴィヴァン・六本木★
アントワーヌ・ドワネル二十歳。フィリップスで働き、夜な夜なコンサートへ。そこでの一目惚れから、その微笑ましい破局までを綴った短編。おそらく、オムニバスものの一話として撮られたもの。今回は『夜霧の恋人たち』と併映。
#90「絵の中のぼくの村」東陽一/1996/シグロ/Jul. 13/銀座テアトル西友★
戦後まもなくの高知県の村で双子の兄弟が伸びやかに生活する話。どこか(またまた)侯孝賢の『恋々風塵』とか『冬冬の夏休み』を連想させずにはおれないみずみずしさをもつ。原田美枝子さんがお母さん役。少しふけたかな。
#89「チャイニーズ・オデッセイpart2永遠の恋」劉鎭偉/1995/香港/Jul. 6/シネマ・カリテ
月光の恋』の続編。観る前に開店したばかりの中華料理屋に行ったら、開店記念で紹興酒がサービスで付いてきて酔ってしまい、少し寝てしまった…。ショックだ。
#88「フロム・ダスク・ティル・ドーン」ロバート・ロドリゲス/1996/米/Jul. 6/新宿ミラノ
タランティーノのへんてこな脚本で。監督と脚本家の名前からドンパチものだと頭の中でなんとなく思って観始めたが、後半はスプラッタ・ホラー。そういやヴァンパイヤものだと、どこかで読んだなぁ。
#87「ユージュアル・サスペクツ」ブライアン・シンガー/1995/米/Jun. 30/銀座テアトル西友★
去年の東京国際映画祭のヤングシネマ部門でゴールド獲ったサスペンスもの。数ヵ月前の一般公開から劇場はものすごい行列で観る気をなくしていたが、もう少しで終わってしまうというので前売券を引っ張り出して観に行った。ネタは途中でわかってしまうのだが、それでも最後まで?マークを頭の中に残して、いい感じだった。上映前に『楽園の瑕(東邪西毒)』の予告篇(おそらくオリジナル香港版)がかかり、しばし陶酔。
#86「新しき土(ドイツ版)」アーノルド・ファンク,伊丹万作/1937/独/Jun. 29/フィルムセンター
本作にはこのドイツ版のほかに日本版がある。早川雪州と原節子のスター共演だ。火山(浅間山?)の火口付近での灼熱の撮影が、観る者を圧倒する。『ストロンボリ』に、この映画の影響があるのかないのか…。
#85「天使の涙」王家衛/1995/香港/Jun. 29/シネマライズ★
『堕落天使』がついに公開。コピーでは『恋する惑星(重慶森林)』を上回っているとのことだったが(興業主の常套句)、実際には前作よりインパクトが薄い印象。とはいえ、あの疾走感はそのまま。これに李嘉欣のセクシーさが加わる。オレンジ頭の莫文蔚は期待以上によかった。
#84「限りなき前進」内田吐夢/1937/日活/Jun. 28/フィルムセンター
小津安二郎原作。もともとは悲劇だったのだが、戦後再公開時に、主人公の夢の部分を現実としてハッピーエンドにされてしまい、監督が怒って上映禁止となったいわくつきの作品。監督の遺志に沿って、オリジナル版の復刻を試みたのがこれ。主人公が狂ってしまう部分のフィルムは残っておらず、字幕に置き換えられてしまっている。
#83「女人四十」許鞍華/1995/香港/Jun. 23/ル・シネマ1★★
アルツハイマー病になってしまった義父を世話する嫁にフォーカスをあてた静かな秀作。“静かな”とはいえ、これは香港映画。楽しいエピソードを織り混ぜながら時々泣かせるという憎い演出で、昨年の金馬奬を獲得したのも納得。
#82「チャイニーズ・オデッセイpart1月光の恋」劉鎭偉/1995/香港/Jun. 22/シネマ・カリテ
香港でpart1だけ観たシリーズが日本上陸。なんといっても朱茵が出てるのがよい。最近めきめき売出し中の莫文蔚もよい。もちろん、周星馳&呉孟達のギャグコンビは文句なし。
#81「人妻椿前後篇」野村浩将/1936/松竹キネマ/Jun. 22/フィルムセンター
川崎弘子が実にかわいそうな妻を演じる。旦那には佐分利信、いいよる(?)男たちに、笠智衆など。そのほか坂本武、飯田蝶子、吉川満子など小津ものを思わせる、松竹の誇る脇役陣で物語を盛り上げるのが嬉しい。
#80「東京ラプソディ」伏水修/1936/東宝/Jun. 21/フィルムセンター
藤山一郎主演のミュージカル構成の恋愛もの。一介の洗濯屋だった藤山一郎が伊達里子の目に見いだされ人気歌手となるが、いままでの平穏な生活が乱され、ガールフレンドとの間に誤解が生まれるという、永遠の定石パターン。
#79「ハロー東京」松崎啓次/1936/P.C.L./Jun. 21/フィルムセンター
戦前の国際電話宣伝映画。どのように国際電話をつなぐかがよくわかる冒頭が興味深い。内容は《生涯モガ》の伊達里子が例によって悪女を演じる、国宝級絵巻争奪コメディ。日本人どうしで英語喋るのはやめて欲しい。
#78「豪放天使之雄覇一方」王晶/1996/香港/Jun. 18/長江2(Singapore)
これもため息が出るほど面白くない。李麗珍と莫文蔚以外知った顔もない。香港映画だけど、シンガポールだから北京語吹替え。“僕は北京語が苦手で…”とか北京語で言ってるのが苦笑もの。
#77「街頭殺手IRON MONKEY2」趙鷺江/1996/香港/Jun. 13/Pavilion(Kuala Lumpur)
アイアン・モンキー』の続編らしいのだが、これが散々。
#76「バタフライ・ラヴァース」ツイ・ハーク(徐克)/1994/香港/Jun. 1/テアトル新宿
徐克監督、呉奇隆・楊采[女尼]主演のコメディ第2弾。楊采[女尼]が男装して大学に入学し、そこの学生だった呉奇隆と恋に落ちる話。香港版『ロミオとジュリエット』と呼ばれているらしい。まぁ、普通だ。
#75「いつか晴れた日に」アン・リー(李安)/1995/米/Jun. 1/ニュー東宝シネマ1★
台湾出身の李安がイギリスの貴族社会を舞台にして撮った異色作。ヴェネチア映画祭で金熊賞獲得。主演と脚本がエマ・トンプソン。ウィットに富んだ会話が楽しい。ハッピーエンド過ぎる感もあるけど、コロンビア・ピクチャーズだし、しょうがないでしょう。
#74「孤独な場所で」ニコラス・レイ/1950/米/May 26/三百人劇場★
ハンフリー・ボガートがアブない脚本家に扮するサスペンスもの。悲劇的結末がよい。もともと、ボギーは悪役だったらしいから、ハマってる。
#73「ペディ・キャブ・ドライバー」サモ・ハン(洪金寶)/1989/香港/May 26/中野武蔵野ホール
マカオが舞台。多彩なゲスト出演者。が、求心力がない。
#72「」林海象/1996/フォーライフレコード映像探偵社/May 25/横浜日劇
濱マイクシリーズ完結編。パンチのきいた映像は前作並だが、ホラーにしたのは?
#71「恋のトラブルメーカー」アレックス・ロー(羅啓鋭)/1992/香港/May 18/バウスシアター2/JAV
周潤發と鄭裕玲のドタバタ恋愛もの。鄭裕玲はショートカットでなんとなく袁詠儀に似てたんだなぁ、と思ってしまった。映画そのものはたいくつ。黄秋生がまともな役で出ているのが時代を感じさせた。
#70「満月のくちづけ」金田龍/1989/アミューズ・シネマ・シティ/May 17/シネ・アミューズWEST
深津絵里が鳴物入りでデビューして、まだ水原里絵の別名を持っていた頃の、映画主演第2作。うーむ、ホラー映画だったのか…。プリントの状態はよくないし、レイトショーで1500円は高いぞ、と思わざるを得ない。評判の第3作が観たいものだ。
#69「アンダーグラウンド」エミール・クストリッツァ/1995/仏=独他/May 6/シネマライズ
1995年のカンヌ・グランプリ作品。五月蝿い。とにかく五月蝿い。本編上映前に『天使の涙』と『シクロ』の予告篇が見れたのは収穫。どっちもこれだけでかっこいい。
#68「上海ルージュ」チャン・イーモウ(張藝謀)/1995/中国=仏/May 4/シャンテ・シネ3★
鞏利が黒社会のボスの愛人兼クラブ歌手を演じる。あいかわらず色の使い方が鮮烈。あまり好みではないけれど。クラブでのシーンがすばらしいので、★ひとつ。
#67「tokyo skin」塙幸成/1995/オンリー・ハーツ/May 2/シネマ・カリテ1
NHK『中国語会話』常連の修健主演のアジアもの。舞台は六本木。群像ものの形態を取っているが、成功していない。
#66「ナヌムの家」ビョン・ヨンジュ/1995/韓国/May 2/BOX東中野
韓国の元日本帝国軍従軍慰安婦の対日運動のドキュメンタリー。上映初日には右翼による妨害があったという。このようなフィルムは、ちっぽけな小屋でかけるのではなく、NHKなんかでゴールデンタイムに流せばよろしい。
#65「暗黒街の女」ニコラス・レイ/1958/米/May 1/三百人劇場★
予告篇に★★。もちろん本編もよいのだけど。
#64 「トワイライト・ランデヴー」徐克/1995/香港/Apr. 28/テアトル新宿
タイムトラベルもの。ちゃちな特殊撮影が愉しい一片。楊采[女尼]はコメディができたのか。
#63「バルカン超特急」アルフレッド・ヒッチコック/1938/イギリス/Apr. 28/銀座文化劇場
イギリス人をコケにした笑いが秀逸のサスペンス。ネタはすぐ割れるようにできているが、それでも最後まで飽きずに見ることができる。監督がどこに登場するのか、一応気をつけてはいたのだが、見逃してしまったのが残念。
#62「恐怖分子」エドワード・ヤン(楊徳昌)/1986/台湾/Apr. 28/シネ・ヴィヴァン・六本木★★
暗恋桃花源』の出演者が多数出ているが、こちらは全くのシリアスもの。複数の登場人物のそれぞれのストーリーを編み込んでいく手法は、ここでも抜群の冴えを見せている。終わりの10分は身震いがするほど素晴らしい。
#61「スケッチ・オブ・Peking」ニン・イン(寧瀛)/1995/中国/Apr. 27/ユーロスペース2★
原題からすれば北京版『ポリス・ストーリー』だが、成龍がビルから飛び降りるわけでもなく、ただ、街のお巡りさんの日常の勤務が淡々と描かれる。出演者はみんな素人らしい。ごく最近の作品だけど、北京はまだまだ田舎の雰囲気。
#60「砂丘」ミケランジェロ・アントニオーニ/1970/米/Apr. 20/シネセゾン渋谷★
アントニオーニの初めてのアメリカ映画。別々の場所にいた男と女が、男は盗んだ飛行機で、女は車で、砂漠の真ん中で出会い、しばし時間を共にした後、別れる。女はしばらく走った後、男が殺されたことをラジオで知る。最後に女は岩山にある別荘を爆破して(これは彼女の幻想かもしれない)、きわめてやるせない映画は終わる。劇場はチーマー(?)みたいな連中でごったがえしていたが、彼らにはこの映画が理解できなかったらしい。
#59「大砂塵」ニコラス・レイ/1954/米/Apr. 14/三百人劇場★
ゴダールが『気狂いピエロ』でも引用した西部劇の傑作。ヌーヴェル・ヴァーグの連中を熱狂させたという西部劇が並の作品ではあるはずがなく、2人の女の愛憎劇。あな恐ろし、女の怨念。服にこだわるところに感心。
#58「SEX&禅」マイケル・マック/1991/香港/Apr. 13/シネマ・ロサ
バークレイにいたとき、大学のすぐ隣の怪しげな劇場にポスターが貼ってあった。そのポスターは妙にゲージツしてたのと、劇場がとにかく怪しげだったので、入らず仕舞いで終わったいわく(?)のある作品。観てみると、それはただの三級影片だった。人間に馬のを移植するという発想が情けない。
#57「ロスト・チルドレン」ジャン=ピエール・ジュネ/1995/仏/Apr. 13/シネマライズ
デリカテッセン』の監督・脚本コンビの新作。主役の女の子(10歳未満)のほくろが妙に色っぽかった。スペイン坂にあるこの劇場は久しぶりに来たが、相変わらず若い連中ばかりだ。王家衛の『堕落天使』もここでやるらしく、予告篇が観れたのはもうけもん。
#56「ユリシーズの瞳」テオ・アンゲロプロス/1995/仏他/Apr. 13/シャンテ・シネ2★★
アンゲロプロスの映画100年記念作品は、東欧旧ユーゴの悲劇もの。『オルフェ』以来の大感動。相変わらずの長廻しを味わう至福。『ノスタルジア』のエルランド・ヨセフソンが出ていて、懐かしかった。
#55「ママと娼婦」ジャン・ユスターシュ/1973/仏/Apr. 7/ユーロスペース1★
いるだけでコメディアンのジャン=ピエール・レオ演じる無職で宿無しの半分ヒモをしているような男と、養っている《ママ》とサンジェルマン・デ・プレでナンパした看護婦《娼婦》との関係を綴った3時間20分の長尺物。頻繁に出てくる映画を引き合いに出した会話には、少々いやになるが、全体としては飽きも来ず、モノクロの映像は最後まで観る者を引っ張ってくれる。《娼婦》が泣き出すところがまたまた『愛情万歳』を想起させる、と思ったのは僕だけか?
#54「花と嵐とギャング」石井輝男/1961/東映/Apr. 6/中野武蔵野ホール
あがた森魚の企画で、あがた森魚と町田町蔵などのトークが上映前にあった。もともと監督が石井輝男なので覚悟はしていたが、いやぁ支離滅裂な展開が楽しい銀行強盗もの。高倉健もほとんどコメディアン。江原真二郎に至っては、切れてるとしか思えない。こういうのをもっと上映して欲しいな。
#53「金城武の死角都市・香港」サモ・ハン(洪金寶)/1995/香港/Apr. 6/シネマ・ロサ
去年の2月に香港に行ったときに街角に上映予告ポスターが貼ってあった。洪金寶主演なのに、近頃の人気で“金城武の”とプリフィックスが付いた邦題が泣かせる。お話はしょうもない一種の『ポリス・ストーリー』。
#52「広場」張元/1994/中国/Apr. 6/BOX東中野
山形ドキュメンタリー映画祭のセレクションが始まった。とりあえず、この北京、天安門を定点観測した作品。TVレポーターが広場を預かる警察官に“ここには精神病者もたくさん来るでしょう”とか尋ねている。どうやらテロリストや反体制主義者のことらしい。恐い。
#51「書かれた顔」ダニエル・シュミット/1995/日本=スイス/Mar. 29/シネ・ヴィヴァン・六本木★
シュミットの新作はセミ・ドキュメンタリーで主役は坂東玉三郎。せりふはほとんどない。ドラマのときの幻想的演出も入り交じって観ていてあきない作品に仕上がっている。上映後、ロビーで樋口可南子さんを見かけたのは収穫。\(^o^)/
#50「ミスター・ノー・ボディ」トニーノ・バレリ/1975/伊=仏=西独/Mar. 29/早稲田松竹
スパゲッティ・ウェスタンの有名な作品。前日の飲み会がたたってか不覚にも途中眠ってしまい、細部が理解できていないが、不思議な青い空と砂漠が印象に残った。
#49「美貌に罪あり」増村保造/1957/大映/Mar. 20/フィルムセンター
山本富士子、若尾文子の姉妹と杉村春子の母親を軸に、娘たちが真の意味で自立し、伝統ある多摩の旧家を杉村が手放すまでを描いた佳作。川崎敬三を慕う、川口浩のおしの妹(名前失念)がよい。
#48「スキャンティ・ドール/脱ぎたての香り」水谷俊之/19??/にっかつ/Mar. 20/大井武蔵野館
周防正行の脚本デビュー作。話は、どうってことないただのロマンポルノだが、登場人物の名前が“周吉”や“綾”だったりするのが驚き。うーむ、この人、本当に病気だ。
#47「変態家族・兄貴の嫁さん」周防正行/1983/新東宝/Mar. 20/大井武蔵野館
いまや日本のトップ監督のひとり周防正行の監督デビュー作。小津ファン必見の快作。観るのは2回目か3回目。万引きで捕まった義弟を引き取りに行った風かおる(百合子)がマスクをしている(『東京暮色』の原節子から引用)など芸が非常に細かい。
#46「ブロークン・アロー」ジョン・ウー(呉宇森)/1996/米/Mar. 20/日本劇場
呉宇森ハリウッド第2作は、『スピード』の脚本家によるアクション。主演はジョン・トラボルタ。クールでマッドな《太陽を盗んだ男》を好演。しかし、全体から見るとかつての呉宇森ファンには失望のため息が出る内容。最近のハリウッド映画のディジタル処理は画面への興味を失わせる。女を描くのが苦手なのは相変わらず。
#45「ヘカテ」ダニエル・シュミット/1982/スイス=仏/Mar. 16/ユーロスペース1
長年見逃していたシュミットの傑作(らしい)。だが…不覚にも前半ちょいと寝てしまった。この作品は『デ・ジャ・ヴュ』に似た感じの狂気寸前の映画。狂気という点では『ラ・パロマ』にも通じる。
#44「(ハル)」森田芳光/1995/東宝/Mar. 16/シネ・アミューズWEST★
時間の半分くらいがパソ通のチャットやメール画面(本物ではないけど)で、せりふが異常に少ない風変わりな映画。せりふのないところや題材の現代性が蔡明亮の『愛情万歳』なぞを想起させたりする。とかなんとかいうより、やっぱり深津絵里だよねぇ。七変化も見られる、ファンにはお得な映画。舞台挨拶もえかった。
#43「美しき結婚」エリック・ロメール/1981/仏/Mar. 10/シネ・ヴィヴァン・六本木★
『喜劇とことわざ』シリーズの一編。例によって饒舌な女の子が、ふとしたことから結婚しようと決心し、友だちの従兄弟にアタックし、散る話。画面には字幕が出っ放し。この監督のうまさには脱帽。
#42「デッドヒート」ゴードン・チャン(陳嘉上)/1995/香港/Mar. 9/新宿グランドオデオン座
成龍のレースもの。相手役に袁詠儀というのが新しい。話は面白くない。仙台のパチンコ屋のシーンは、涙もの。加山優三も皆の失笑を買う。
#41「青いドレスの女」カール・フランクリン/1995/米/Mar. 9/有楽町スバル座★
デンゼル・ワシントン主演、ジェニファー・ビールス共演のハード・ボイルド。失業中の男が、女を探すという探偵紛いの仕事を引き受けて、事件に巻き込まれ、コトの真相が分かってくる、というよくありそうな話。現代風の仕上がりで、観ていてスカッとする。
#40「オルフェ」ジャン・コクトー/1950/仏/Mar. 9/銀座文化劇場★★★
久しぶりに映画に感動した。記憶ではコクトーは『美女と野獣』を観ただけだと思うが、この人、映画監督じゃないだけに物凄い映画を撮っていた。話はギリシャ神話を下敷きにした悲恋物といってよいかと思う。モノクロの鮮明な画像、逆廻しなどを用いたトリック撮影…、劇場を出て歩いていると、余韻でぞくぞくした。星一個おまけ。
#39「デ・ジャ・ヴュ」ダニエル・シュミット/1987/スイス/Mar. 8/ユーロスペース1★
斧で惨殺された中世の暴れ者イエナッチュの墓について取材しているうち、その時代の幻覚に捕らわれるようになり、ついには自分がその惨殺者になってしまう男の不思議な話。こういうのを撮るとピカ一。モデルのキャロル・ブーケが出演。
#38「若親分」池広一夫/1965/大映/Mar. 3/シネマ・ジャック
今まで知らなかった、市川雷蔵の『若親分』シリーズ。これはその第一作らしい。健さんの後に見たからか、“やっぱり任侠は東映だーっ”という感が強かった。
#37「仁義の墓場」深作欣二/1975/東映/Mar. 3/文芸坐2
何考えてるのか分からない奴をやらせたら右に出る者はいない渡哲也主演の、戦後に暴れた狂ったやくざの話で、『仁義なき戦い』の深作監督が、やはりドキュメンタリータッチで撮りあげている。いいのだが、ついていくのがちょいと苦しい。
#36「昭和残侠伝・唐獅子牡丹」佐伯清/1965/東映/Mar. 3/文芸坐2★
健さん主演。こりゃ文句なし。あるとすれば相手役が三田佳子というのと、池部良がぶくぶく太ってしまっていることくらいだ。
#35「飛行士の妻」エリック・ロメール/1980/仏/Mar. 2/シネ・ヴィヴァン・六本木
不覚にも前半寝てしまって、ストーリーを全て把握しているわけではない。が、相変わらずの男と女のおしゃべりで観る者を引きつける。こんな作品、フランスじゃないと撮れない。よなぁ。
#34「ブルー・イン・ザ・フェイス」ウェイン・ワン(王頴),ポール・オースター/1995/米/Mar. 2/恵比寿ガーデンシネマ1★
スモーク』の番外編みたいな映画。まぁ、出るわ出るわ、豪華出演陣。軽いノリの万人向け(?とまではいかないかな?)コメディ。
#33「カンヌ映画通り」ダニエル・シュミット/1981/スイス/Mar. 1/ユーロスペース1★
やっと観たシュミットの珠玉の小品。すでにおばさんのビュル・オジェだが、かわいい。映画が観れずにさ迷う彼女の心情を反映する絵も◎。
#32「人生の幻影」ダニエル・シュミット/1983/スイス/Mar. 1/ユーロスペース1
ダグラス・サークへのインタビュー・フィルム。彼の作品の断片がときどき挿入されるのがよい。
#31「紅の翼」中平康/1958/日本/Feb. 28/フィルムセンター★
アニメ『紅の豚』の元ネタ(?)としても有名。予告篇でしか観てないが、例の豚は裕次郎そっくり。映画自体は日活の航空アクションの傑作と呼ばれているもの。随所は臭いが、全体としてはプログラムピクチャーらしくまとまっていて、楽しめた。石原裕次郎の笑顔ははっきりいって気持ち悪いが、芦川いづみが素晴らしくかわいいので帳消し。
#30「ガラスの墓標」ピエール・コラルニック/1969/仏/Feb. 25/シネ・ヴィヴァン・六本木
なぜかまた見てしまったゲンズブール+バーキンもの。もうこれを最後にしたい、と思いつつ…。ジェーン・バーキンは何年に前歯を矯正したのだろう?
#29「危うし! 怪傑黒頭巾」松村昌治/1960/日本/Feb. 24/文芸坐2
幕末の長崎の、あやしいチャイナ・クラブ。そこでは、マヒナスターズがチャイナ服を着てムード歌謡を演奏している。あの頃にエレキギターがあったとは…。後半の決戦は鳥取砂丘での西部劇。大友柳太朗扮する黒頭巾の最後のせりふは“黒頭巾はよい子の味方”。ああ、古きよき時代の日本映画界。
#28「関の彌太ッぺ」山下耕作/1963/日本/Feb. 24/文芸坐2★
中村錦之助主演の股旅物。というと『瞼の母』とか『遊侠一匹』を真っ先に思い浮かべるが、こちらの監督は『総長賭博』の山下耕作。監督は変っても相変わらず、きっぷのいい関東もんを好演。ヒロインの十朱幸代はいただけない。
#27「鞍馬天狗・青銅鬼」並木鏡太郎/1952/日本/Feb. 24/文芸坐2
嵐貫寿郎のハマリ役・鞍馬天狗。これは大河内伝次郎との共演作品で、大河内は新選組の近藤勇役。大御所2人のため、当然どちらが悪役か、などという設定はなく、いってみれば『ゴジラ対ガメラ』みたいな映画になっている。
#26「肉体の悪魔」クロード・オータン・ララ/1947/仏/Feb. 18/テアトル新宿
ジェラール・フィリップ特集が始まった。あの甘い顔には興味がないが、これは観ておきたかった。原作を途中で投げ出してしまっているので。
#25「スローガン」ピエール・グランブラ/1968/仏/Feb. 18/シネセゾン渋谷
ゲンズブールとバーキンの、これまた自己満足映画。
#24「アンディ・ラウ天與地」黎大[火韋]/1994/香港/Feb. 17/シネマ有楽町
劉徳華の映画製作会社“天幕”の作品。上海で麻薬撲滅を達成しようとする役人の話。上海の映画って阿片ネタが半分以上?
#23「憎しみ」マチュー・カソヴィッツ/1995/仏/Feb. 17/シャンテ・シネ3★
いわゆる無軌道な若者のバイオレンスもの、とくくってしまう。若者の心情は理解できないが、画面はエネルギッシュで魅力的。
#22「O侯爵婦人」エリック・ロメール/1975/西独/Feb. 17/シネ・ヴィヴァン・六本木★
これも『教訓』シリーズかな? ブルーノ・ガンツにオットー・ザンダーというヴェンダース映画のようなキャストの、仏でなく西独映画。一筋縄で行かない恋物語。
#21「三等重役」春原政久/1952/日本/Feb. 16/文芸坐2
河村黎吉といえば、ずっと脇役なんだと思っていたら、なんと主役。終戦で社長がパージされて、にわか社長になった男の人情もので、話自体はそんなに面白くもないが、ほのぼのムードが漂う。
#20「二等兵物語」福田晴一/1955/日本/Feb. 16/文芸坐2
伴淳とアチャコ主演の兵隊もの。コメディかと思いきや、結構人情。戦後10年たてば、これくらい描けるのね。
#19「東京キッド」斉藤寅次郎/1950/日本/Feb. 14/文芸坐2
美空ひばり主演ということで、平日の真っ昼間からおばさんがたくさん来ていた。彼女は当時何才だったのか?(映画中は12才といっていたが) お話は、美空ひばりの歌(タイトル曲を含む)を散りばめた『ローマの休日』みたいなノリ。
#18「歌ふ狸御殿」木村恵吾/1942/日本/Feb. 14/文芸坐2★
鴛鴦歌合戦』を観てから、“次はこれだ”と決めていたものでやっと観ることが出来た。人間に化けた狸のシンデレラ・ストーリー。ひねりのきいた歌詞が爆笑ものだった。
#17「カルメン故郷に帰る」木下恵介/1951/Feb. 14/文芸坐2
言わずと知れた国産初のカラー作品。スクリーンで観るのは初めて。まだ、カラー撮影に慣れていないのか、役者のドーランがやけに白いのが気にかかった。カラーの坂本武と、『麦秋』のイサムちゃんが出ていたのが収穫。
#16「メフィストの誘い」マノエル・デ・オリヴェイラ/1995/仏/Feb. 12/シャンテ・シネ3
相性の悪いオリヴェイラ作品で、カトリーヌ・ドヌーヴと風邪の悪条件が重なり悪い予感。が、画はきれいで、寝ることもなかった。ただ、音がいただけないなぁ、と思っていたら音楽のクレジットに黛敏郎が。
#15「月は上りぬ」田中絹代/1955/日本/Feb. 11/文芸坐2
小津脚本ということで観に行く。日活作品ながら、笠智衆、佐野周二と松竹の役者を揃えている。明らかに小津のホンなのに画が全然違うので少しとまどうが、全体としては楽しめた。でも、田中絹代はやっぱり女優の方がいいみたい。
#14「極道追踪」アン・ホイ(許鞍華)/1991/香港/Feb. 11/シネマ・セレサ
劉徳華と鍾楚紅、それになぜか石田純一で、日本で撮られた香港映画。石田純一をやくざにしていれずみまで彫ってしまうという発想は日本人にはできまい。
#13「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ<外伝>/アイアン・モンキー」袁和平/1993/香港/Feb. 11/シネマ・セレサ
外伝。ウォン・フェイフォンはまだ子供だ。ここでの主役は、そのお父さんと鉄猿と呼ばれる義賊。相変わらずの徐克もの(プロデュース)で楽しませてくれる。
#12「眠る男」小栗康平/1996/日本/Feb. 10/岩波ホール
役所広司と安聖基の夢の顔合わせ。とはいっても安聖基の方はほとんど寝たままだったが。ところで岩波ホールはどうしていつも客層がよそと違うのか?
#11「ジャコ万と鉄」谷口千吉/1949/日本/Feb. 9/文芸坐2★
後で高倉健と丹波哲郎のコンビでリメイクされた作品のオリジナル。これは三船敏郎と月形龍之介。ソリの疾走シーンなど、見せ場はたくさん。モンタージュが少し気になるが、全体としてとても面白い作品になっている。久我美子が初々しい。
#10「愛の昼下がり」エリック・ロメール/1972/仏/Feb. 4/シネ・ヴィヴァン・六本木
最近人気で、こういうレトロスペクティブも行われるようになって嬉しい。これは、なんだかいらいらしながら観てしまったけど、ついつい感情移入してしまったからですね。反省。『教訓』シリーズの一編。
#9「Shall we ダンス?」周防正行/1995/日本/Feb. 3/日劇★
相変わらずの小津ネタ満載映画。しかし、それは見る人が見ないと分からないようになっている。表面上はとても楽しいコメディ。ダンスやってない人(僕も含めて)もとても満足。しかし、原日出子が太っちゃってるのに愕然。
#8「デッドマン」ジム・ジャームッシュ/1995/米/Feb. 2/シャンテ・シネ2★
待望の新作は、ウェスタン。といっても、かなりへんてこだけど。ジョニー・デップ目当てで行った人はさぞ退屈したことでしょう。
#7「リトル・オデッサ」ジェームズ・グレイ/1994/米/Feb. 2/シネマ・カリテ2★
レザボア・ドッグス』のティム・ロス主演のバイオレンス物。ひたすら暗い。ラストも暗い。
#6「欲望の翼」ウォン・カーワイ(王家衛)/1990/香港/Feb. 1/下高井戸シネマ
これは通算で3回目か? 相変わらず、最後の梁朝偉のシーンが謎だ。噂では続編が計画されていたとか、いるとか…
#5「恋する惑星」ウォン・カーワイ(王家衛)/1994/香港/Feb. 1/下高井戸シネマ
劇場で観るのは通算4回目。今回のプリントはやや擦りきれてました。香港版のVideo CDではよくわからなかった個所をチェック。
#4「戸田家の兄妹」小津安二郎/1941/日本/Feb. 1/並木座
小津映画で桑野通子が出ているのはこれと『淑女は何を忘れたか』の2本だけ。31歳で亡くなったなんて全く惜しい。どこかやってくれ、桑野通子特集!
#3「デスペラード」ロバート・ロドリゲス/1995/米/Jan. 21/有楽町スバル座★
エル・マリアッチ』のロドリゲス、大予算でのリメイク。並じゃない弾丸の量が、タランティーノの影響をもろに感じさせる。しかし、強い、強すぎるぞ、バンデラス。
#2「月夜の願い」ピーター・チャン(陳可辛),李志毅/1993/香港/Jan. 20/シネマ・カリテ3★
どこにでもあるタイムマシンもの。親の若い頃に会うなんていうありがちなパターン、なのだが多少贔屓目に観てしまうのか、楽しめた。しかし劉嘉玲のメイクには驚き。本当に年取るとあんなになっちゃうんだろうか?
#1「推手」アン・リー(李安)/1991/台湾/Jan. 20/テアトル新宿★
96年一発目は李安の父親三部作第一弾。ラストが大団円にならないところが、アメリカや香港の映画と違うところだ。こっちの方が現実味があって好き。

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Last update: 3/5/2003

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