[↓1996年][↑1998年]
1997年に観た映画の一覧です
今年の標語: ノン・フィクションもいいじゃん
Best10です。(旧作は含んでいません。ただし日本初公開作は新作扱い)
- #42「そして僕は恋をする」アルノー・デプレシャン/1996/仏
- #44「コーカサスの虜」セルゲイ・ボドロフ/1996/カザフスタン=ロシア
- #26「SAWADA」五十嵐匠/1996/グループ現代
- #49「憂鬱な楽園」侯孝賢/1996/台湾
- #63「天安門」リチャード・ゴードン,カーマ・ヒントン/1995/米
- #71「浮き雲」アキ・カウリスマキ/1996/フィンランド
- #78「ブエノスアイレス」王家衛/1997/香港=日本
- #48「太陽の少年」姜文/1994/中国
- #79「河」蔡明亮/1996/台湾
- #80「ラヴ ゴーゴー」陳玉勲/1997/台湾
- 星の見方(以前観たものには付いてません)
- ★★…おーっ、生きててよかったっ!
- ★…なかなかやるじゃん。
- 無印…どーってことなし。
- ▽…金返せーっ!
- 凡例
- #通し番号「邦題」監督/製作年/製作国/鑑賞日/会場[星]
- #101「台北ソリチュード」林正盛/1997/台湾/Dec. 20/国際交流フォーラム
- この会場に行くにはいままで面倒くさかったのに、溜池山王駅ができたおかげでちょー便利になって嬉しい限り。
作品ですが、この監督、東京国際
映画祭で新作を観たばかりだと思ったら、なかなか精力的に制作しているようです。お金もあるんでしょうね。
主演は『エドワード・ヤンの恋愛時代』の陳湘[王其]と『浮草人生』にも出ていた李康生。
陳湘[王其]はあれから何年? かなりおばさんっぽくなってしまいました。
最近の中華電影では《同性愛》とか《近親相姦》がよく出てくるテーマあるいはサブテーマなのですが、本作品にも後者が重要なポイントとして出てきます。
- #100「メイド・イン・ホンコン」陳果/1997/香港/Dec. 6/シャンテ・シネ1
- 快調に数字を伸ばしていたのに、後半に入ってめっきり観なくなってしまって、12月に入ってやっと100本に到達。本作品はPFF(ぴあフィルムフェスティバル)の企画上映で、香港の自主制作映画だ。
劉徳華の映画会社天幕から余ったフィルムをもらって、スタッフたった5人で作ったという、いまどきの青春映画。
主役の2人はしろうとさんらしいけど、素晴らしいです。
女の子の方は『恋する惑星』の王菲を彷彿させます。
ティーチインで監督がいってたけど、儲け至上主義の香港では、こういう作品を作れる土壌がないし、作っても上映する場所がなかなかないらしい。
市場経済も、極めると住みにくいようで。
- #99「喝采の扉<虎度門>
」舒[王其]/1997/香港/Nov. 23/シネ・アミューズWEST★
- 香港の元アイドル、のちの大女優、現なかば引退、でも監督の熱意で
出演を承諾したという蕭芳芳。オーストラリアへの移住を控えた、広東
オペラの大スターを堂々と演じる。物語は、事業に失敗した夫と、レズ
ビアン気味の娘(夫の連れ子)、シンガポールからやって来た若手俳優
(袁詠儀だ)、それに芸を極めるために捨てた実の息子(袁詠儀を追って
シンガポールからやって来る)が絡む。あくまでもサラッと仕上げる舒
[王其]の演出は巧い。広東語と英語の駄洒落も楽しい。(字幕は大変)
- #98「桜桃の味」アッバス・キアロスタミ/1997/イラン/Nov. 10/シアターコクーン
- 東京国際映画祭シネマプリズムのクロージングは、カンヌで今村昌平の『うなぎ』とパルム・ドールをわけあったキアロスタミ作品。
自殺に手を貸してくれる者を探す男の話。
《三部作》以降の作品作りがどうなるのか興味津々だったんだけど、10日間のハードスケジュールが祟ったか、途中からウトウトしてしまって、いつのまにやらエンディングに…
記憶の断片から判断するに、ファンの評価は分かれそうだ。
とにかく、リターンマッチの必要な一品。どうせロードショーはユーロ
スペースだ。
上映前に監督の舞台挨拶あり。
- #97「藍月」柯一正/1997/台湾/Nov. 9/ル・シネマ1
- 本作品は蘇慧倫(ターシー・スー)主演。
しかしながら、舞台挨拶のある回が平日に設定されていたため、泣く
泣く日曜の回に鑑賞スケジュールを組んだ。うーん、年休取るべきだっ
たか…。
作品はコンペ参加なのだが、奇をてらいすぎた感じ。
5巻もので、各巻の順番を任意に入れ替えても作品として成立するというのが売りだった。
つまり、ストーリーらしいものはなく、なんだかよくわからないエピソードがいくつか並んでいるのみ。
ターシーファン以外には存在価値のない作品、といってはいいすぎか
な。
- #96「女ともだち」張之亮/1997/香港/Nov. 9/ル・シネマ1
- 劉嘉玲と楊采[女尼]主演で、160分を越える長篇。
一方は実業家の第八婦人になったあと、まもなく離縁した元娼婦。
もう一方は借金のかたに人身売買同様に嫁入りさせられるのを拒否し
て、「非婚女性の家」に入ってしまう純情娘。
この2人の友情・愛情の行方を追う。
現代と過去のエピソードの積み重ねでフィルムは構成されており、そ
のつなぎ方が不錯。
お涙頂戴シーンが多いのは、UFO作品だからということで。(^^)
- #95「鏡」ジャファル・パナヒ/1997/イラン/Nov. 9/シアターコクーン
- 『白い風船』と同じ女の子を使って撮った、小冒険もの。
途中で女の子が芝居を放棄して、そこから生の姿になることで話題に
なっていたのだが、芝居を放棄すること自体、やはり(裏の?)シナリオ
にあったということが発覚したあとだったので、新鮮な驚きを感じるこ
とができなかったのが残念。
しかし、「やるなイラン映画」という感を改めて強くしたことは確か。
冒頭のシーンで『白い風船』とまったく同じテクを使っているのも、いささか興ざめ。
- #94「半生縁」許鞍華/1997/香港/Nov. 8/オーチャードホール
- はずさない監督、許鞍華の新作は『傾城の恋』と同様、張愛玲の小説が原作。
主演は《四大天王》のひとり黎明と呉倩蓮。
黎明は『甜蜜蜜』と同様のトロい男のはまり役。
上映前の舞台挨拶に遅れて、場内が「そりゃないだろう」という空気に包まれたとき、やっと登場するとこなんかも…
(みんなコクーンでやってた『kitchen』のエンディングが始まると同時に飛び出してこのために移動したのだ)
あ、映画は、さまざまな陰謀や誤解に翻弄されて、結ばれない男と女の話(舞台は上海)です。
- #93「kitchen」嚴浩/1997/香港/Nov. 8/シアターコクーン
- 吉本ばななの同名小説の2度めの映画化は香港で。
主演はコハルこと陳小春と富田靖子。
今回は広東語だが『南京の基督』のときと同じく、富田の声は吹き替え。これがうーん、変なんだ。
羅家英の《性転換してお母さんになったお父さん》が気持ち悪い。うぇ〜。
開場前の行列で梅木夫妻とバッタリ。
- #92「侯孝賢」オリヴィエ・アサヤス/1997/仏/Nov. 6/渋東シネタワー1
- 台湾ニューウェーブ(ほとんど死語)の偉大な映画監督侯孝賢を追ったドキュメンタリーを『イルマ・ヴェップ』のアサヤスが製作。
随所に作品のシーンを挿入しながら、監督にゆかりの土地、人を訪ねる。
最後にKTV(カラオケ)で侯孝賢が《日本語》で歌う「乾杯」にはぶっと
ぶ。(タモリの中国語みたい)
- #91「12階」エリック・クー/1997/シンガポール/Nov. 6/渋東シネタワー1
- シンガポールは多民族国家だ。
マレー系、中国系、インド系、それに香港と同じくメイドとして働きに来ているフィリピン人。
だから喋る言葉は色々。
中国系は北京語だったり広東語だったり福建語だったりしてさらに複雑。
こんな人々によって、公用語の英語もSinglishと呼ばれる言葉に*進化
*している。
そんな状況が満喫できるこの映画。(字幕は大変だったでしょう)
舞台はHDBフラット(公団住宅)。そこの12階に住む人たちの悲しくもおかしい暮らしぶりを描く。
スクリーンからはあのムッとした空気が伝わらなかったのが、個人的には残念。
- #90「宋家の三姉妹」張婉[女亭]/1997/香港/Nov. 4/シネセゾン渋谷
- 近代中国史の裏に表に登場する宋家三姉妹を描いた大河ドラマ。
多少クサイ演出ではあるが、歴史のお勉強にもなるし、孫文の妻になった次女役は張曼玉だし、損はしない作品。
これは映画祭協賛イベントのカネボウ女性映画週間のエントリーでした。
入場待ちの行列は女性(特におばさん)がほとんどで、ちょいと恐かった。^^;
- #89「ダブルチーム」徐克/1997/米/Nov. 4/渋谷シネパレス
- 《香港のスピルバーグ》(あーはづかし)徐克がハリウッドで撮ったアクションもの。
主演はハリウッド進出香港監督御用達のジャン=クロード・ヴァン・ダム。これにNBAのデニス・ロッドマン、悪役でミッキー・ロークが出演。
豪華ながらも内容はトホホ。
ひと月持たずに打切りということなので観に行きましたが、やっぱり…
- #88「按摩と女」清水宏/1938/松竹大船/Nov. 4/渋谷ジョイシネマ★★
- 山道。延々と続く移動撮影。ひなびた温泉街。いわくありげな女の湯治客。事件という事件も起らず、ただのんびりした時間が過ぎていく。
これぞ清水映画の真骨頂。
いくら復調しているといわれる日本映画でも、こんなのはもう絶対に撮れないと思う。
永久保存したい逸品。
- #87「青春のつぶやき」林正盛/1997/台湾/Nov. 3/オーチャードホール
- 劉若英主演の、大人になりかけの少女2人のお話。
2人とも美麗(メイリー)という名で、それぞれの生活の描写から始まったので、これは台湾版『ふたりのヴェロニカ』か? と思いつつ観ていると、いつのまにか戯院(映画館)の切符売場で一緒に働くようになる。
その後は切符売場内でのおしゃべりを軸にした2人のやり取りで、《ロメール》モードに突入。
この監督は昨年のヤングシネマで『浮草人生』を出品して賞をとっており、今年はインターナショナルコンペへエントリー。
さて、結果はいかに? (ってこれが受賞するとは到底思えないけどね)
(後日談)と思っていたら、主演の二人が主演女優賞を揃ってもらってお
りました。
- #86 「君と行く路」成瀬巳喜男/1936/P.C.L./Nov. 3/渋谷ジョイシネマ
- これは悪い方のタケノコ、もとい成瀬。
東大総長、この回で登場。
- #85「まごころ」成瀬巳喜男/1939/P.C.L./Nov. 3/渋谷ジョイシネマ★
- 戦時中の甲府。
なかよしの少女2人。
ひとりは貧しい母子家庭(母親=入江たか子)だが、成績は一番、性格もよい。
もうひとりは裕福な家庭(父親=高田稔)だが、勉強嫌い、性格はわがまま。
ある日2人は入江たか子と高田稔がその昔恋人同士だったことを知る…
子役2人が抜群。
これはいい方のタケノコ、もとい成瀬。
エンディングもうまい。
ところで、僕の隣に座っていたのは、かの東大総長の奥さん。
総長はただでさえ長い顔で特徴的なのに、金髪の奥さんといつも一緒なので余計に目立つのだが、この回にはダンナの姿はなかった。
で、この奥さん、途中キャンディの包み紙を床に捨てた!
これで評価は一気に地の底に。
- #84「キッスで殺せ<完全版>」ロバート・オルドリッチ/1955/米/Nov. 2/渋東シネタワー1
- 2夜連続のレイトショーで眠いのなんの。
しかも字幕なし。
内容は探偵マイク・ハマーもので、いわゆるフィルムノワールなのだが、ここで争われるブツは麻薬でも鷹の置物でもなく、なんと原子力兵器。
そんなもんがなんで小さなトランクに入っているのか知らないが、これをめぐって殺人、誘拐。
最後は何も知らない犯人がふたを開けてしまい、核爆発を起こしておしまい。
???なんなんだ?
- #83「山中傳奇」胡金銓/1979/香港/Nov. 2/渋東シネタワー1
- スクリーンをシネタワーに移して、今度は妖怪もの。
写経のために辺境に向かった青年が体験する怪奇な話は、『雨月物語』中華版か。
3時間を超える大作だが、残念ながらこの時間はいささか長すぎた。
随所にみられる胡金銓美学も、徐克などに慣らされた脳にはつらい。^^;
主人公の青年が杉本哲太、彼を助ける道士が伊集院光に似ていたのも、まちがいなくつらさの一因。
- #82「迎春閣之風波」胡金銓/1973/香港/Nov. 2/渋谷パンテオン
- 今年1月に亡くなった武侠電影の巨匠を偲んでの上映。
本作は日本初公開で、内容は『血斗 龍門の宿』によく似ており、地に足のついたクンフー・アクションが存分に楽しめる。
- #81「ア・リトル・ライフ・オペラ」方育平/1997/中国=香港/Nov. 1/渋東シネタワー1
- この監督とは相性が悪いらしく爆睡した。
テアトル池袋での『ジャスト・ライク・ウェザー』でも寝てしまった経験がある。
まあすでに2本観て、夜9時からさらに1本なので、コンディションはよくなく、この仮説の真偽はあと数本観ないと検証できそうにないけれど。
起きていた1/3程度の時間からの感想となってしまうが、主演である台湾の楊貴媚はいとも簡単に中国のおばさんを演じてのけ、やはりルーツは同じなのだ、と納得。
- #80「ラヴ ゴーゴー」
陳玉勲/1997/台湾/Nov. 1/ル・シネマ1★
- 『熱帯魚』の監督の新作は3つの話のオムニバス形式。
前作と同じほのぼの感をもつが、質は数段いい。
特に台湾の大塚寧々(と勝手に思っている)、唐娜が出てくる1作目と3作目。
彼女の泣き笑いは本物だろうか?
監督は演歌が大好きらしく、本作品でものっけからガンガン流して観客を爆笑させた。
この手(コメディ)の作品が残念なのは、いくら面白いと思っても、もう一度観たいという気が起らないこと。
自宅のLDコレクションは、映画全体の好みの一部分に留まってしまうのだ。
この作品だって、LD出ても買わない。
面白いんだけどね。
- #79「河」蔡明亮/1996/台湾/Nov. 1/渋東シネタワー1★
- 今年の東京国際映画祭はいつもより1ヶ月遅い開催。
毎年楽しみな《アジア秀作週間》は《シネマ・プリズム》という企画にバージョンアップし、これはそのオープニング。
『青春神話』、『愛情万歳』の小康が三度登場する。
この監督は台北で暮らす人の孤独の描写にこだわって、今回の作品もその空気は秀逸。
許鞍華や楊貴媚がゲスト出演しているのもお得。
さて、映画祭といえば上映後のティーチインだが、毎年気になるのは通訳の質。
北京語の小坂さんは安心できるが、問題は英語通訳。
今年の人は通訳としてはわかりやすいし、事前にその監督の予習もしているようでその努力も買える。
しかし、いかんせん俄仕込みでは深い内容に入っていくと、とたんに話が怪しくなってしまう。
ここはひとつ映画祭で、映画フリークの英語通訳を育成してはいかが?
- #78「ブエノスアイレス
」王家衛/1997/香港=日本/Sep. 27/シネマライズ★
- 『欲望の翼』から『天使の涙』まで、王家衛作品にこだわってきたプレノンアッシュが資本参加した新作。
出演はほぼ全編アルゼンチンロケということもあるのか、張國榮、梁朝偉と張震のたった3人。
テーマは《再会》。
梁朝偉(香港人)の広東語と張震(台湾人)の北京語の会話に、妙に感心してしまった。
こういうのもインターナショナル? イントラナショナルとでもいうべきか。
例によって一般公開初日の初回に行列して観たのですが、メジャー化した王家衛人気は凄いです。
- #77「ティコ・ムーン」エンキ・ビラル/1997/仏=独=伊/Aug. 11/SPACE PART3
- スペース・コロニー化した月。
ミシェル・ピコリ演じる独裁者が支配する、サクレ・クール寺院があったりエッフェル塔が建設中だったりする、妙におフランスした帝国。
ジュリー・デルピー演じる秘密警察官が、ミシェル・ピコリに臓器を提供するはずだった男ティコ・ムーンと恋に落ちる。
ブリジット・バルドーの唄う主題歌が◎で、ジュリー・デルピーの「月を離れるのははじめて」という台詞が印象に残って、特別出演のジャン=ルイ・トランティニャンが渋かった予告篇につられて観てしまったが、映画としちゃあ、どっかで3本立て800円くらいで十分の作品。
- #76「燃えよドラゴン」ロバート・クローズ/1973/米=香港/Aug. 9/シネセゾン渋谷
- アチョーッ。李小龍(ブルース・リー)映画の最高傑作、ここにリバイバル。
たまにテレビでやるのを観た経験しかなかったが、シネマスコープ、ノー・カット、字幕スーパーで観ると、テレビ版が無意味に手を入れられているのが実によくわかる。
映画自体はたいしたことないので、とにかく李小龍のナルシスティックな演技・技に酔うのが正解。
若い洪金寶(サモハン)や成龍(ジャッキー・チェン)が脇役で出てくるのを見つけるも楽しい。
- #75「完全結婚手冊」
阮世生/1997/香港/Jul. 31/Odeon(マレーシア・ペナン)
- 夏休み、マレーシアはペナン・ジョージタウンで観た香港映画。
話は、結婚写真屋を経営する不倫中の楊采[女尼]と、バツ一の王敏徳と
の結婚を熱望する袁詠儀の二人が、それぞれゴールインするまでの紆余
曲折をUFO流にさらっと仕上げたもの。
北京語吹き替えではなく、(ペナンは福建系が多いのでどちらでもいい
のだろう)オリジナルの広東語版だった。
字幕はマレー語、中国語、英語の3ヶ国版で、画面の実に1/3を占めてい
た。
新作にもかかわらず、平日の昼間で客はまばら。
灼熱の太陽を逃れてひんやり暗い映画館で1時間半過ごすのもよいもの
だ。
- #74「にっぽんむすめ」
ウ・ニイプ/1936/ビルマ/Jul. 26/フィルムセンター
- イギリスの植民地だった頃にP.C.L.(いまの東宝)の協力で製作され
た日本ロケによる娯楽作。
ビルマの飛行機乗り兄弟が東京からラングーンまでの飛行に挑戦するため
に来日し、そこで日本の娘と知り合い、兄の方が恋に落ちてしまう。
技術的・脚本的にもうーん、だが、年代などを考えると、そんなことより
このフィルムが存在し、それを観ることができたことに意義があると
自分を納得させる。
屋根の丸かった東京駅も映ります。
- #73「永遠なる帝国
」パク・ジョンウォン/1995/韓国/Jul. 26/ユーロスペース
1
- 『われらの歪んだ英雄』
の監督が《韓国の役所広司》アン・ソンギ主演で撮った『薔薇の名前』韓国版。
確かはじめて観る韓国時代劇だと思う。
チャンバラのシーンもあって、なかなかのスペクタクル。
しかし、いつの世もどこの国でも、官僚という輩は××だ。
- #72「太陽の下の18才」カミロ・マストロチンクェ/1962/伊/Jul. 20/シネセゾン渋谷
- カトリーヌ・スパーク主演作、待望の再公開。
本作は、地中海の小島にバカンスにやって来た若者達がガールハントに明け暮れる、イタリア版『グローイング・アップ』といったところ。
話はめちゃくちゃだが、エンニオ・モリコーネの音楽が素晴らしく、カトリーヌ・スパークはもちろんとてもキュート(^o^)で、レイト・ショーでも眠くなることはなかった。
- #71「浮き雲」アキ・カウリスマキ/1996/フィンランド/Jul. 20/ユーロスペース2★
- 『マッチ工場の少女』の《少女》だった女優が主演する、絶妙の《間》でみせる人生のほろ苦さの物語。
SONYのカラーTVをローンで買ったりしてささやかな幸せを楽しんでいた夫婦が、あるとき不運な理由で2人とも失業してしまい、それから2人の必死の職探しが始まる。
カラーTVもソファも借金で手放さざるをえない…。
この監督の計算された笑いには、そうとわかっていても納得する心地よさがある。
- #70「食神」
周星馳(チャウ・シンチー)/1996/香港/Jul. 12/シネマカリテ1
- 『料理の鉄人』+『クイズ・ショウ』みたいな話、香港版。やらせで
《鉄人》の座をキープしている周が、呉孟達の裏切りにあって奈落の底
に。
ほとんどホームレスの状態で廟街を放浪中、莫文蔚と知り合い、小便団子なるものを発明。再びのし上がっていく。
この手の映画を観に行くと、必ずオタッキィな女性のグループがいて恐い。
僕には全然面白くないところで、一斉にけたたましく笑うのだ。:-O
香港の笑いは限りなくディープだ。
- #69「命は安く、トイレットペーパーは高い」王穎(ウェイン・ワン)/1989/香港/Jul. 6/ユーロスペース1
- 殺人的な暑さのためか風邪のためかわからないが、席についた途端爆睡してしまい、目が覚めたら、そのシュールな話の展開とあいまって何がなんやら…。終わったときの印象はなかなか面白そうだったので、機会があればもう一度きちんと観たい作品。
『スモーク』の王穎、ルーツは香港にあり。
- #68「上海ブルース」徐克(ツイ・ハーク)/1984/香港/Jul. 6/大井武蔵野館
- 香港で最も偉大な映画人のひとり、徐克の初期の代表作。
ストーリーは『君の名は』。
主演は張艾嘉(岸恵子)と鍾鎭濤(佐田啓二)。
あざといギャグが風邪の脳にこたえた。
- #67「われらの歪んだ英雄」パク・ジョンウォン/1992/韓国/Jul. 5/ユーロスペース1
- 一見、すばらしく統制のとれたクラス。
級長は、担任を含めて絶対の信頼を得ている。
ここに入ってきた転校生が、そのクラスの優秀さの実体を知る。
転校生は最初は猛烈に反発し、なんとか革命を起こそうとするが、そのうち抵抗に疲れ、服従の安堵感を知ってしまう。
独裁国家の強烈なメタファーとなっているのは明らかなのに、最後にそれをナレーションで説明してしまうのは、いかがなものか。
- #66「鉄塔武蔵野線」長尾直樹/1997/「鉄塔武蔵野線」製作委員会/Jun. 29/テアトル新宿
- 《武蔵野線》といっても府中本町から出ているアレではない。
東電の送電線の一系統のこと。
転校直前の夏休み、《71号》と番号のふられた送電鉄塔から始まって《1号》を目指し、鉄塔調査隊(隊員2名)を組織して冒険する少年。
映画のできの善し悪しは置いといて、こういうコンセプト好き。
隊員のアキラ君のお母さん役の近内仁子さんが印象に残りました。
- #65「私の鶯」島津保次郎/1943/満州映画協会=東宝/Jun. 28/フィルムセンター
- 戦闘で父親(二本柳寛)と生き別れた李香蘭が、革命でハルビンに亡命してきたロシア人の声楽家の娘として育つ。
声楽家は彼女がいとおしく、家族を捜し求める二本柳から隠れるように暮らしているが生活は苦しく、そのうち満州事変が勃発して…。
李香蘭の代表作でありながら、敗戦で上映できず日本ではずっと未公開だった幻の作品。ほとんどがロシア語で字幕付きというのが面白い。
二本柳寛がロシア語、プラウダ?
- #64「或る女」渋谷實/1942/松竹大船/Jun. 27/フィルムセンター
- 自分に降りかかる不幸を恨まず、他人を常に思いやる、観音様のような女の物語。
演じているのは田中絹代。
誰も彼女の演技を誉めるが、以前から僕はどうも納得がいかない。
今回もその念を抱かずにはいられなかった。
興奮しているときと、泣くときの演技はダイコンにしか見えない。
誰か田中絹代のどこが凄いのか教えてください。
- #63「天安門」リチャード・ゴードン,カーマ・ヒントン/1995/米/Jun. 22/BOX東中野
- 1989年の天安門事件のドキュメンタリー。
自国民に発砲するという言語道断な行為を行った中共政府への批判はもちろんだが、学生・人民側が、暴動が大きくなるに連れて共産党内部の歪みの縮図のような権力闘争に陥っていく経過を客観的に観察している。
製作はアメリカ。
これが香港あたりで作られると大分感じの違うものができあがるだろう。
3時間によくぞここまで、という映像がぎっしり詰まっている。
定員100名の劇場にもぎっしり。
- #62「櫻の國」渋谷實/1941/松竹大船/Jun. 21/フィルムセンター
- 中国で文化工作(要は洗脳)をやっている上原謙と2人の女性(高峰三枝子と水戸光子)の関係を描く。
上原の友人に笠智衆。
北支広報社で、中国人に日本を理解させることに情熱を傾ける、小津ものなんかでの役回りからはまったく想像できない熱血青年役。
元々は105分あったが、米軍に没収(?)され、返還されたときには25分も短くなっていたらしい。
おかげで結末がよくわからない。
上原謙と高峰三枝子はどうなったんだぁ。
- #61「西住戦車長傳」吉村公三郎/1940/松竹大船/Jun. 14/フィルムセンター
- 軍神伝記もの。
戦車部隊の小隊長・西住小次郎大尉の日中戦争での武勇伝だ。
演じるのは松竹三羽烏のひとり、上原謙。
その上長役に同じ三羽烏の佐分利信。
同郷の友人将校に笠智衆、部下のひとりに坂本武とかなり豪華な出演陣。
とはいえ、お目当ては桑野通子。
ところが彼女は《土民の女》で、出番はたった5分。
しかも恩知らずの裏切り者の役で憤慨!
やっぱり『有りがたうさん』を上映しろ、フィルムセンター!
- #60「支那の夜 前後篇」伏水修/1940/東宝東京/Jun. 14/フィルムセンター
- 服部良一の超有名曲がタイトルの歌謡映画(?)。
満映のスーパースター李香蘭は、日本軍に親を殺された抗日分子(というほどではないが)。
酒場で日本人に絡まれているところを長谷川一夫演じる海軍(だと思う)将校に助けられ、徐々に心を開いていき、ついに結婚する。
後半は抗日運動が絡むスペクタクル。
李香蘭が、なかなか北京語がうまいので感心した。
(中国人というふれこみなんだからあたりまえだけど。)
- #59「ミラクル・マスクマン」イップ・ワイマン/1995/香港/Jun. 14/銀座テアトル西友
- 《喜劇王》周星馳の大馬鹿映画。
『600万ドルの男』,『ターミネーター』,『パルプ・フィクション』,『ザ・マスク』のパロディで成り立っており、王家衛のパクリでとどめを刺す。
ボーナスが出たばかりとはいえ、1,400円むだにした。
- #58「沃土萬里」倉田文人/1940/日活多摩川/Jun. 13/フィルムセンター
- 現地ロケがほとんどで非常に興味深い満州開拓移民団の話。
団長に江川宇礼雄。
なぜか一巻めがなく、いきなり途中から始まってとまどう。
製作年を考えると、国策的な印象が少ないのが不思議。
まあ、内地より満州という広大な土地で農業をやることを推奨している部分は確かにあるが。
満州で米を作るのは大変でしょう、確かに。
- #57「秀子の車掌さん」成瀬巳喜男/1941/南旺映画/Jun. 13/フィルムセンター
- デコちゃん主演のアイドル映画。
おんぼろ定期バスの車掌をやっているデコちゃんの奮闘ぶりを描く。
さわやかだ。
まだ自国をとりまく状況に楽観的な日本の姿が見て取れる。
バス映画ということで、いまだに観ることができない桑野通子の『有りがたうさん』が連想されて、もう観たくて観たくてたまらなくなった。
どこかかけてくれぇ。
- #56「煉瓦女工」千葉泰樹/1940/南旺映画/Jun. 13/フィルムセンター
- (柳)がレジャー休みのきょう、夢民でベーコンエッグ野菜3番を食べた後、駆けつけましたフィルムセンター。
夕方の回より3時の回の方が混んでるんだ。
(観客のほとんどはじいさんだ。)
さて、映画は貧乏長屋の庶民生活を描いたもの。
なんか中途半端でストーリーもあるようなないような。
ドラマはなく、人々が本能で生きるさまが淡々と綴られる。
あまりに正直に撮ったためか検閲を通過できず、戦後になって公開されたそうだ。
- #55「愉しき哉人生」成瀬巳喜男/1944/東宝映画/Jun. 7/フィルムセンター
- メロドラマが得意な成瀬が戦時に嫌々撮った国策もの。
ある活気のない田舎町に越してきた一家が町を明るくして去っていく話で、どんなにつらいときも考え方一つで楽しくなるものだ、というメッセージを繰り返し繰り返ししょうもないエピソードで訴える。
こりゃ成瀬は人に見られたくないだろうなぁ。
結局、軍部には中途半端と非難され、泣きっ面に蜂とはこのこと。
変な眉した若き日の中村メイコが出演。
- #54「マキシマム・リスク」リンゴ・ラム(林嶺東)/1996/米/Jun. 1/シネマ・サンシャイン3
- タランティーノが『レザボア・ドッグス』で引用した『龍虎風雲』の林嶺東、ハリウッド進出第一作。
ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演のアクションもの。
(そういえば呉宇森のハリウッド一作目も彼が主演だったな。)
雑なシナリオが気になるが、ニースやニューヨークも九龍のように撮ってしまうところがさすが。
ドンパチではなく、ヴァン・ダムの技を利用した格闘がメインで迫力があった。
とはいえ、最後は彼にもガンを与えて何発か撃たせた。
ニース・ロケということで、フランスの誇る(?)二枚目俳優、『ベティ・ブルー』のジャン=ユーグ・アングラードが出演。ただ出てるだけ。
- #53「目撃」クリント・イーストウッド/1997/米/May 25/渋谷ジョイシネマ
- イーストウッド最新作は、またまたジーン・ハックマンが敵役だ。主演もしているイーストウッドは初老の泥棒で、渋い技を見せる。サラッと作ったと感じさせ、それでいて味わいのある良品。結末もオトナ。
- #52「唇<くち>によだれ」ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ/1960/仏/May 24/シネセゾン渋谷★
- 構成がサスペンス仕立てで凝っているのだけど、内容ははちゃめちゃ恋愛ゲームものとでもいおうか。脳天気な雰囲気が漂う、こういうの好き。ゲンズブールの音楽が最高。上映前、この夏にリバイバル公開されるカトリーヌ・スパアク主演のバカンスものの予告篇が流れた。夏休みが待ち遠しい!
- #51「ラジュー出世する」アズィーズ・ミルザー/1992/印/May 18/新宿東映パラス2
- 典型的なインド庶民向け映画(のようだ)。3時間弱あれば、日本とか欧米では大作かな、と思うものだが、インドではこれはむしろ短い部類らしい。内容はどこにでもある田舎から出てきた青年が出世する話で、これに庶民の娘と親しくなるが、出世すると社長の娘から言い寄られて誤解が生じ…というこれまた紋切のエピソードが加わる。これで3時間近くももつのか、という疑問が自然と湧いてくるが、心配無用。歌って踊って、笑って泣いて。これぞ大衆の求めているエンターテイメントの理想型だ。
- #50「イルマ・ヴェップ」オリヴィエ・アサヤス/1996/仏/May 11/シネセゾン渋谷
- いわゆる業界もののひとつ。香港の女優張曼玉(マギー・チャン;本人が演じている)が、ジャン=ピエール・レオ演じる落ち目の監督に招かれてパリでギャング映画の撮影に加わる話。
マギーは《吸血ギャング団》のボス格イルマ・ヴェップの役で、キャット・ウーマンをイメージしたボンデージ・コスチュームに身を包む。
ラッシュ試写で凡作だとわかり、おかしくなった監督はフィルムを大胆に編集し直して…。
いまや、香港電影は世界中のシネ・フィルにその実力が認められる存在になった。
- #49「憂鬱な楽園」侯孝賢/1996/台湾/Apr. 13/シネ・アミューズEAST★
- 去年の東京国際映画祭で『再見南国』として観たから、これは2回目。ロードショーは、「なんでこんな小さいところでやるの?」のシネ・アミューズ。熱にうなされながらの鑑賞となった(帰宅後測ったら38.3度あった)が、亜里山のあたりをバイクで延々と走るシーンが心地好かった。しかし、まだ2日目にもかかわらず客は入っていなかったなぁ。
- #48「太陽の少年」姜文/1994/中国/Apr. 5/テアトル新宿
- 《中国影帝》姜文(殿山泰司に似ていると思う)の初監督作。
劉暁慶の自伝によれば、当時恋人だった彼女の全面的支援でできたらしい。
彼女はプロデューサーとしてクレジットされている。
新人の第一作らしく、映画的技巧を面白がって使っているらしいところはあるし、(監督が)いままで観た(であろう)映画からのパクリも随所に見られる。
が、それらを差し引いても(別に引く必要もないが)なかなかの力作に仕上がっている。
ところで『哀戀花火』のニン・チンはこの映画で水着姿になったが、予想通り太っていた。
- #47「熱帯魚」陳玉勲/1995/台湾/Apr. 5/三百人劇場
- 高校受験を間近に控えた劣等中学生が間抜けな奴に誘拐される話。
自殺未遂歴のある姉以外は全員少し足りなそうな誘拐犯の家族との生活。
マスコミのおおげさな報道。
自分は超能力をもっていると信じている誘拐された中学生。
台北と南の田舎町東石を舞台にした、コミカルかつシニカルな作品。
- #46「さすらいの二人」ミケランジェロ・アントニオーニ/1975/伊=仏=西/Mar. 30/シネマ・セレサ★
- アフリカで死んだ男が自分に似ていたことを利用し、自分を「殺し」てその男になりすますことで生まれ変わった男、ジャック・ニコルソン。
スペインに渡るが、自分の夫が死んでいないことに気がついた妻に追われ、過去と縁を切りたいニコルソンは、ガウディの建築を勉強しているという学生マリア・シュナイダーと二人で逃亡の旅に出る。これはロード・ムーヴィー。
けだるい。画面がけだるい。ニコルソンの喋りがけだるい。スペインの風景がけだるい。
- #45「エボラ・シンドローム/悪魔の殺人ウィルス」ハーマン・ヤウ/199?/香港/Mar. 30/シネマ・ロサ
- うぅ、やはり観るべきではなかった…。『八仙飯店之人肉饅頭』の監督・主演コンビのスーパーグロもの。黄秋生演じる殺人鬼が潜伏先の南アフリカでエボラ菌に感染する。そいつは、1000万人にひとりしかいないという免疫保持者で、自分の勤めているレストランの経営者夫婦を殺し、彼らの肉をハンバーガーにして客に出してしまう。食べた客は例外なくエボラ菌に感染し死亡。張本人は経営者の金を奪って香港に舞い戻り、香港も大パニック、という三級篇だ。殺人シーンやアフリカの部落での祈とうシーン、死者の解剖シーンなど、食事の直後には絶対に観ない方が身のため。
- #44「コーカサスの虜」セルゲイ・ボドロフ/1996/カザフスタン=ロシア/Mar. 29/銀座テアトル西友★
- チェチェン紛争で、ロシア軍兵士が捕虜になる話。この捕虜を使って自分の息子(ロシア軍の捕虜になっている)を取り戻そうとするゲリラの老父と、その娘、捕虜の番をする男と捕虜二人のささやかな交流。むだのまったくない話の進め方とおおげさな感傷を排除した演出がとても気持ちがよい。結末はちょいと悲しいけど。
- #43「百一夜」アニエス・ヴァルダ/1994/仏/Mar. 23/シネセゾン渋谷
- あー、予想はしていたけれど、やっぱりだめだ。
映画100年記念物にはまともなものがない。
まあ、主演の《ムッシュ・シネマ》を演じるミシェル・ピコリを筆頭にアヌーク・エーメやらアラン・ドロンやら、超豪華キャストであることは認めるが、それだけだ。
ここへきてようやく、僕はアニエス・ヴァルダとは合わないことを確信した。
- #42「そして僕は恋をする」アルノー・デプレシャン/1996/仏/Mar. 21/シネ・ヴィヴァン・六本木★★
- フランス映画お得意の恋愛物、と単純にくくれない秀作。
まず3時間の長尺。ロメールで3時間だと、観た後で頭どろどろになりそうだけど、この映画は最後まで大丈夫。
この監督かなりのインテリとみた。
シナリオは時間をシャッフルしてかなり難解だが、絶妙のストーリーと会話と。
気に入ったのは手持ちカメラ。
クリストファー・ドイルとは違う使い方だが、画面に酔える。
マリアンヌ・ドニクール(『パリでかくれんぼ』)などの女優陣もよかった。
ただ、音楽だけはどうも…。
- #41「カインとアベル」リノ・ブロッカ/1982/フィリピン/Mar. 16/国際交流基金アジアセンター
- 同じくブロッカ監督で、こちらは超有名な物語の翻案。母に虐げられる兄と溺愛される弟の愛憎劇。弟のフィアンセが兄の友人グループに輪姦され殺されたのち、フィアンセの弟が『デスペラード』ばりにギターケースに機関銃をもって突然現れるあたりから血の抗争へ突入。後味の悪い妙な映画。
- #40「目覚めよマルハ」リノ・ブロッカ/1978/フィリピン/Mar. 16/国際交流基金アジアセンター
- 魚肉ソーセージを連想する題名だが、フィリピンのある田舎の古い豪邸を舞台にしたオカルトもの。フィリピン映画は主役の女優がいつもおばさんに見えるのだが、気のせいだろうか?
- #39「カンフー・マスター!」アニエス・ヴァルダ/1986/仏/Mar. 15/シネセゾン渋谷
- 娘の同級生に恋してしまう母親のお話。母親=ジェーン・バーキン、娘=シャルロット・ゲンズブール。この母子はどちらもあまり好きではないのだが、題名に惹かれて観に出かけた。蓋を開けてみれば、この題名はその同級生が凝っているアーケードゲームのことだったのだが。バーキンは相変わらず子供みたいな大人を演じている(地だと思う)。
- #38「リスボン特急」ジャン・ピエール・メルヴィル/1972/仏/Mar. 9/ACT SEIGEI THEATER
- 『恐るべき子供たち』のメルヴィルの遺作。いわゆるフレンチ・ノワールの一本でアラン・ドロンが冷徹な警部を演じる。模型を使った列車走行シーンなどがちゃち(遊び心か?)。話にまとまりがない。カトリーヌ・ドヌーヴの看護婦さん姿の必然性に疑問あり。
- #37「現金に手を出すな」ジャック・ベッケル/1954/仏=伊/Mar. 9/ACT SEIGEI THEATER★★
- ジャン・ギャバンが渋すぎる元ギャングを演じるフレンチ・ノワールの傑作。過去の仕事で手に入れ隠しておいた金の延べ棒を巡って、若いギャングとの抗争。ジャンヌ・モローが若いぞ。
- #36「スター誕生」リノ・ブロッカ/1971/フィリピン/Mar. 9/国際交流基金アジアセンター
- いわゆるステージ・ママの話で、息子をスターにするべく奮闘する女がいて、息子が成長して親を煙たがり、親は悲しみにくれる、というおきまりパターン。140分以上の長尺だが、70年前後のマニラの風俗がわかる。やはりアメリカの影響は絶大らしく、英語まじりタガログ語が頻繁に聞かれる。本上映はフィリピン映画祭の一環。
- #35「支那事変後方記録・上海」(撮)三木茂/1938/東宝文化映画部/Mar. 8/フィルムセンター
- 上海で日本が力を握る戦いの経緯を、本物の兵隊に喋らせる。租界や、チャイナ・タウン(そんなものが中国内にあっていいものか?)の様子を記録した部分もあり、興味深い。いかにも日本人を憎んでいるという目で睨む中国の人たちの視線がつらい。
- #34「雅楽」?/1939/東宝文化映画部/Mar. 8/フィルムセンター
- クレジットがない、謎のフィルム。どこかのスタジオに設置したと思われる能舞台の上で、2種類の出し物が演じられる。それだけ。
- #33「黒い太陽」(撮)三木茂/1936/朝日新聞社/Mar. 8/フィルムセンター
- 題名から731部隊の話か?と思わせるが、このフィルムはいわゆる皆既日蝕の観測記録で昭和初期のもの。タイムリーな上映企画だ。(本物は見逃しました。)
- #32「南京」(撮)白井茂/1938/東宝文化映画部/Mar. 8/フィルムセンター
- 残念ながら半分くらい寝てしまったので、詳細を記憶していない。南京へ日本軍が攻めたときの様子を地図付きで説明していた、と思う。
- #31「富士の地質」秋元憲/1940/東宝/Mar. 8/フィルムセンター
- 富士山の成り立ちを説明した理科映画。当時は神聖不可侵な日本の象徴だったのではないのか?こんなに科学的に分析しちゃ、神様も住めない。
- #30「制空」亀井文夫/1945/電通映画社/Mar. 7/フィルムセンター
- なんというか、超貴重なことは間違いない国策映画。1945年8月に完成。直後に終戦でお蔵入りになっていままで未公開だったという代物。お話は、戦闘機工場で働く少年少女工員達が一所懸命に飛行機を作って、泥沼の戦場に送り出すもの。「毛唐」とか「ルーズベルトの頭をかち割る」とかいう台詞、中華民国軍のヘルメットを日本刀で叩き斬るシーン、山本五十六元帥の国葬フィルム、諸々の戦意向上スローガンと至れり尽くせり。戦争って恐い。
- #29「FLIRT/フラート」ハル・ハートリー/1996/米=独=日/Mar. 2/恵比寿ガーデンシネマ1
- ハル・ハートリー待望の新作。同じストーリーを、NY、ベルリン、東京の3都市を舞台として、男、ゲイ、女の3通りの主人公で3回語る実験的な作品。主人公の優柔不断さがタイトル。3つのバージョンはストーリーは同じなのにそれぞれ演出が違い、3つまとめて観るとそれらの特徴が重なって味が出る。東京篇では、監督自身も出演。
- #28「待って居た男」マキノ正博/1942/東宝/Mar. 1/文芸坐2
- 2本立てだったので、こっちももう一度(→一回目)観ました。相変わらず、山田五十鈴のチャーミングな演技と、エノケンの冴えたギャグが光る。ところで、文芸坐。3月6日で休館に入ってしまうということだ。味のある作品をかける名画座がまた一軒なくなってしまう…。淋しい限り。
- #27「昨日消えた男」マキノ正博/1941/東宝/Mar. 1/文芸坐2
- 『待って居た男』と同じ系列の作品で、主演も長谷川一夫と山田五十鈴。江戸の貧乏長屋を舞台とした殺人事件を裁く『遠山の金さん』(もちろん演ずるは長谷川一夫)の話。白州で顔を見ただけで「文吉さん」(実は「金さん」ではない)とわかるのが、現在のTV版と違って納得するところだ。
- #26「SAWADA」五十嵐匠/1996/グループ現代/Feb. 23/テアトル新宿★
- ピューリッツァ賞写真家沢田教一の生涯を描いたドキュメンタリー。UPIの報道カメラマンだった彼は、ヴェトナム戦争へ赴き、人間味溢れる写真で世界的に認められるようになるが、1970年、ヴェトナムのあとで赴任したカンボジアで解放戦線兵士に射殺される。彼を知る人のインタビューや、もちろん写真をちりばめて構成されているが、最後まで画面に釘付けにする演出のうまさが光った。
- #25「病院船」六車修/1940/東京文化映画製作所/Feb. 22/フィルムセンター
- 上海から負傷兵を運んで内地に戻る船の航海を描いたもので、ドキュメンタリーとはいいにくい作品。というのは、おそらく登場人物は本物の看護婦や兵士だと思うが、どうも演技臭いからだ。ともあれ、船で働く看護婦達を称える目的は十分達成していると思う。戦時中のラヂオ体操の場面があるが、現在のものとはかなり違った動きをしているのが面白い。
- #24「京城」清水宏/1940/大日本文化映画製作所/Feb. 22/フィルムセンター
- 日韓併合時代のソウルの平和な様子(もちろんやらせ)を描いた国策映画。《天才》清水が監督。延々と街の描写が続き、サウンド版でせりふがないことも手伝って、うとうとしてしまった。
- #23「鏡獅子[英語版]」小津安二郎/1936/松竹キネマ/Feb. 22/フィルムセンター
- 英語版ではあるが、遂に念願の作品を観ることができ、これで現存する小津作品は全制覇。(おめでとうっ→僕) 歌舞伎をよく知らないので、この作品がどのように小津的なのかはよくわからなかった。俯瞰もあれば、移動撮影、はたまた同時撮影なども行われているようで。
- #22「水」内田吐夢・水ヶ江龍一/1936/大日本映画協会/Feb. 22/フィルムセンター
- 水の一生を解説した理科もの。こういうのが戦前では流行ったということだ。これだけの映画が、《巨匠》内田吐夢によって監督されたことが驚きである。
- #21「夜霧よ今夜も有難う」江崎実生/1967/日活/Feb. 21/シネマ・ジャック
- 誰でも知っているムード・アクションの代表作で、これまた誰でもご存じの『カサブランカ』の翻案。もちろん、裕次郎がボガートで、ルリ子がバーグマン。郷[金英]治が黒人のバーテンを演じていて、これがサムか?(役名はビル)。ルリ子の夫で、東南アジアのレジスタンスを演じるのは二谷英明。名前がグエンというところや、年代からしてヴェトナム人という設定だと思われる。ともかく、これでシネマ・ジャックの特集上映はおしまい。
- #20「鮮血の記録」野村孝/1970/日活/Feb. 21/シネマ・ジャック
- 大戦のビルマ戦線で上官に裏切られた小林旭が復員後、執念でノウノウと生きているその上官を見つけ出し復讐するまでを描く。立川のマーケット(闇市)が主な舞台で、いまでは東南アジアでしか見られないエネルギーがそこにはある。
- #19「戦ふ兵隊」亀井文夫/1940/東宝文化映画部/Feb. 19/フィルムセンター★
- ドキュメンタリーの巨匠・亀井文夫の代表作。日中戦争で、南京から武漢まで侵攻する部隊に付いて撮影した記録フィルムである。当時の軍部の怒りを買って、上映禁止になったそうだが、なるほど、題名に反して「戦う」兵隊はほとんど出てこず。代わりに疲れた兵隊や、病気で置き去りにされ死んでいく軍馬や、たくましく生きる中国人の姿がそこにはあった。敵が間近に攻めてきて、指揮官がいろいろ幹部に指示をする場面があるが、あれはやらせかもしれない。指揮官に威厳が全くなく笑えさえする。
- #18「姿なき姿」亀井文夫/1936/写真化学研究所/Feb. 19/フィルムセンター
- 東京電燈株式会社(現在の東京電力?)創立50周年記念の作品で、電気を作るのはこんなに大変なんだよ、ということを国民に知らせるための映画。ダムの構造やタービンの廻るしくみなどを詳しく解説。最後に、雪山で高圧送電線のメンテする作業員がスキーで転んで遭難(?)するシーンがあるが、こんなの入れて会社は納得したのだろうか?
- #17「みかへりの塔」清水宏/1941/松竹大船/Feb. 19/文芸坐ル・ピリエ
- こちらはばりばり松竹の布陣で撮った、不良少年少女の更正施設の物語。笠智衆(水着シーン!あり)や三宅邦子の姿がある。清水お得意の子供映画で、画面が躍動する。彼はレールを使った移動撮影が好きらしく、本作でも多用。
- #16「サヨンの鐘」清水宏/1943/松竹/Feb. 19/文芸坐ル・ピリエ
- ずっと気にはなっていた文芸坐の戦前邦画の大回顧。この日は清水宏と聞いて、未消化の年休を利用して観に出かけた。本作は満映の大スター李香蘭主演で、台湾の少数民族高砂族の娘サヨンが日本占領下で生き生きと暮らす国策映画。この時代の生の台湾の姿が観られて興味深い。16mmでもあり、プリントの状態が芳しくなかったのが残念。
- #15「欲望の街/古惑仔II台湾立志伝」アンドリュー・ラウ(劉偉強)/1996/香港/Feb. 15/シネマ・カリテ1
- 1996年のファンタで観た第一作の続編。陳小春が殺人のほとぼりを冷ますために身を寄せた台湾でのエピソードを挿んで、今回は香港黒社会と台湾マフィアの対決。西門町で、一瞬『男たちの挽歌』のパロディがあったり、金宝山の高級墓地(テレサ・テンのお墓がある)でのロケがあったり、基隆の街が出てきたりして、台湾好きにも見逃せない作品(?)。アンソニー・ウォンが最後に「いい人」に突然なってしまうのが解せない。レイト・ショーの初日で、相変わらず客層のオタク度高し。
- #14「ある貴婦人の肖像」ジェーン・カンピオン/1996/英/Feb. 15/新宿ビレッジ2
- 『ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオンの新作。まず、2時間半近い長尺がいかん。つぎに妙なカメラワークが気に入らない。とどめは、SFX…。にもかかわらず、原作が面白いのか、物語にはどんどん引き込まれていく不思議な映画。極悪党を演じたマルコヴィッチのファンにはお気の毒。
- #13「夕陽の丘」松尾昭典/1964/日活/Feb. 11/シネマ・ジャック
- 浅丘ルリ子が2役でやくざ(「風車の弥七」の中谷一郎だ!)の女とデパートのエスカレーターガール(?)の姉妹を演じる。本作はいわゆるムード・アクションの正式な第一作で、裕次郎とルリ子の感傷的な恋愛部分がかなりの位置を占める。舞台は東京からすぐに函館に移るが、日活は本当にあそこが好きらしい。
- #12「地獄の破門状」舛田利雄/1969/日活/Feb. 11/シネマ・ジャック
- 日活スター総出演の仁侠映画。さすがに1969年にもなると、小林旭も貫禄がついている。浅丘ルリ子はすでにおばさんだ。高橋英樹と渡哲也はまだまだ若々しい。宍戸錠がよい。変な服着てヴァイオリンを弾きながら浅草の歓楽街で(設定は大正初期)流しをやる。力を合わせて悪をくじいた後、宍戸錠がすべての罪をかぶるところは『渡り鳥』のパターンだ。
- #11「クラッシュ」デビッド・クローネンバーグ/1996/カナダ/Jan. 25/新宿ピカデリー2
- 合衆国ではNC-17指定、イギリスでは上映禁止、なのに日本ではノーカット上映。8割以上がファックシーンだとマスコミで話題になったためか、すけべそうなおぢさんがやたらと目につく。クローネンバーグにえっちを求めてもだめだぞ。作品は、カー・クラッシュの瞬間に史上の快楽を感じてしまう、まあ有り体にいえば変態さんのお話です。硬質の画面に無機質な登場人物が不気味です。
- #10「青年の樹」舛田利雄/1960/日活/Jan. 24/シネマ・ジャック
- 石原慎太郎が弟のために書き下した脚本は、明らかに早稲田がモデルの大学に入学したやくざの息子が、入学式で総長が力説する「青年とは戦いである」というくだりをまんま具現化しながら成長する姿を描く。力が入りすぎて観ていて疲れる。芦川いづみがおばさんに見えたのがショック。かぜでダウンしてしまい、次上映の『あいつと私』が観られなかったのは残念。その次からは、貫禄のついた裕次郎と化粧のお化けと化した浅丘ルリ子コンビの一連のムードアクションに特集はすすみ、僕は興味がなくなる…。
- #9「関東無宿」鈴木清順/1963/日活/Jan. 24/シネマ・ジャック★
- こりゃ2回目(→1回目)。清順美学炸裂の任侠映画。というか、これはメロドラマ。妙な眉毛した小林旭のやくざと、女賭博詐欺師の関係を描く。あいかわらずクライマックスの人斬りシーンは素晴らしい。この特集も鈴木清順のパートに突入して、いよいよ後半。清順ものはほとんど観ているので、シネマ・ジャックも当分行かなくてすみそうだ。とにかくこの劇場、日の出町に近いからか、ホームレスなおぢさんが多くて、たばこの煙とか臭いとかがすごひ。
- #8「喧嘩太郎」舛田利雄/1960/日活/Jan. 18/シネマ・ジャック
- もう、今回のシネマ・ジャックの企画はたまりません。石原裕次郎-芦川いづみコンビの作品が5本も上映されるなんて。本作品では彼女は婦人警官だーっ。裕次郎も投げ飛ばす。裕次郎とデートで日劇(?)に『赤い夕陽の渡り鳥』を観に行くシーンあり。(ところで彼女、調べたところでは1968年、33歳で引退したらしい。だからって、それだけだけど。)
- #7「惜別の歌」野口博志/196x/日活/Jan. 18/シネマ・ジャック
- 同監督による『さすらい』と基本的には同じ系統といえるが、こちらは正統派やくざもの。悪役が金子信雄で、彼が溺愛する娘が笹森礼子。お約束どおり笹森と小林は恋人同士に。笹森が浅丘ルリ子に置き換われば、『ギターを持った渡り鳥』まんま。この同じモチーフの繰り返しが、日活プログラム・ピクチャーの魅力のひとつだ。
- #6「さすらい」野口博志/1962/日活/Jan. 15/シネマ・ジャック
- 小林旭がサーカスの空中ブランコ乗り。ナショナル・キッドみたいな衣装が奇妙奇天烈だ。共演の松原智恵子が素人のような最低の演技を見せる。最後のヘリコプターを使った東京湾上空での空中ブランコは、もちろん特撮もあるが、小林旭本人が演じたというのが驚き。でも100mくらい離れてホバリングしているのにブランコを乗り移るなんて…。
- #5「あじさいの歌」滝沢英輔/1960/日活/Jan. 15/シネマ・ジャック★
- 芦川いづみ様ご出演映画((c)やまもとくん)。東野英次郎が固いおやじで、おそらく18,9歳なのに「若い男の人にいままで会ったことがない」というとんでもない箱入り娘だ。石原裕次郎や中原早苗と付き合うようになり、現代っ子になっていく姿は『パリの恋人』のオードリー・ヘップバーンみたい。音楽が斎藤高順で、ポルカが流れてきたときは小津モノかと思ってしまいました。
- #4「紅の翼」中平康/1958/日活/Jan. 11/シネマ・ジャック
- これを見るのは2回目(前回はフィルムセンターという極上環境)。2本立てなのでなんとなく観た。何度もいうが、ストイックな芦川いづみがかわいい。中原早苗の演技もキュート。
- #3「北帰行より-渡り鳥北へ帰る」斎藤武市/1962/日活/Jan. 11/シネマ・ジャック
- 『ギターをもった渡り鳥』から3年で、渡り鳥が函館に舞い戻って、このシリーズは終了。もはや主演級スターとなった宍戸錠の姿はここにはなく、踊り子だった白木マリもマダムになってダンスを見せない。小津映画の子役で有名な島津雅彦と青木富夫(突貫小僧)が共演(?)してるのが泣かせる。
- #2「錆びたナイフ」舛田利雄/1958/日活/Jan. 4/シネマ・ジャック
- 裕次郎、旭、錠のとびきり豪華な布陣。髪がまだふさふさの杉浦直樹が悪役でいい味出してる。犯罪の社会的な根の深さとそれに対する人々の無関心、法の無力さを裕次郎の怒り爆発によって蹴散らすという、随所が?だがなかなか見ごたえのある90分。
- #1「大草原の渡り鳥」斎藤武市/1960/日活/Jan. 4/シネマ・ジャック
- 香港返還の歴史的年である1997年のトップを飾るのは、『渡り鳥』シリーズ最高作。なぜか白木マリがアイヌの娘で、ちょっぴりお約束の踊りを見せる。イヨォマンテェ〜♪本作に至っては宍戸錠はもはや安心して見ていられる味方。子役の江木俊夫がなんつーか、懐かしい。
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