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2018年に観た映画の一覧です
- 星の見方(以前観たものには付いてません)
- ★★…生きててよかった。
- ★…なかなかやるじゃん。
- ○…観て損はないね。
- 無印…観なくてもよかったな。
- ▽…お金を返してください。
- 凡例
- #通し番号「邦題」監督/製作年/製作国/鑑賞日/会場[星]
- #95「K.G.F: Chapter 1」Prashanth Neel/2018/インド/Dec. 30/Cinepolis: Binnypet Mall★
- Tollywoodの『Baahubali』シリーズに対するSandalwoodの答がこれだ。予告篇に刮目し『Ugramm』の監督と知って傑作と確信した作品は確かに見応えあった。Yash主演の超暴力映画。これでU/Aとはどういうこと? ファミリーで観に来る映画じゃないでしょ。インスタントコーヒーを思い出してしまうタイトルはKolar Gold Fieldsの略で、カルナータカ州に実在する金鉱だそうだ。Yashの役名(Rocky)はまさかと思うがRocking Starだからかな? 前半はMumbaiを舞台とした黒社会のし上がりもの、後半は金鉱を舞台とした奴隷解放もの。金鉱の壮大さはMahishmatiの宮殿に劣らないし、とにかくYashが強すぎてPrabhasと対決させたい。と『Baahubali』との比較が多くなってしまうが、どちらにもタマちゃん(Tamannaah)が出てるという共通点もある。といっても本作での彼女は特別出演で踊るだけだが。Yashが命を狙うGarudaが住む金鉱御殿はMysoreのLalitha Mahal Palaceだったな。いまからChapter 2が待ち遠しい。英語字幕あった。
- #94「Maari 2」Balaji Mohan/2018/インド/Dec. 29/Cinepolis: Royal Meenakshi Mall○
- Dhanushの新作は、本人のビジュアルと名前以外第一作とのつながりがよくわからないものの、スカッと楽しめるRowdyもの。今回の相手役、オートリキシャーを操るアンパンマンSai Pallaviが弾けててよかったし。ダンスが達者なふたりだけあってダンスシーンもコミカルでありながらキレキレでご機嫌である。ただ、前半と後半では8年の隔たりがあるのだが、まったくそう見えなかったのは演出の手抜き。そして終盤の“鏡の間”対決。いうまでもなく『燃えよドラゴン』からのパクリで、必然的に上半身裸で李小龍を気取るDhanushはかっこいいのだけど、対決自体は鏡をまったく利用しておらず残念だったし、彼のシックスパックはドーランで補強されているように見えた。Varalaxmi Sarathkumarは警察の偉いひとを今回は演じていて怖さを感じなかった。ほんとは怖くないひとなのかも(勝手な先入観)。やっぱりオートのユニフォームは薄いカーキ色がいいな。買い直そう。このモールは遠すぎる。でも英語字幕あった。
- #93「Nathicharami」Mansore/2018/インド/Dec. 29/Cinepolis: Binnypet Mall○
- 『東京物語』の原節子にまつわるスピンオフ作品のようなSruthi Hariharan主演作。若くして未亡人となった女性の悶々を描く、インド社会ではまだまだ公然と受け入れられなさそうな挑戦的なテーマ。大胆なシーンもあり、彼女のしごとに対するスタンスに感心した。舞台はもちろん現代のバンガロールで、Jazzで始まるオープニングは、その面でもこれまでのインド映画とは違う。妻のある相手役は『6ne Maili』のSanchari Vijay。序盤は封建的なインド男性の典型だったが徐々にSruthiからのアプローチに前向きになっていく。で、Sruthiと一夜を過ごした後、ようやく妻の気持ちを理解する。Sruthiもなにかが吹っ切れた様子である意味爽やかに映画は終わる。この先がどうなるかは観客の想像に任せられたわけだが、修羅場をはじめとしてそこには無限の可能性があるよね。結構貧乏なのにSanchari VijayのケータイがiPhoneだったのに違和感。Sruthiは役柄か、Sareeを取っ替え引っ替え。美しさを堪能した。英語字幕あった。
- #92「Kanaa」Arunraja Kamaraj/2018/インド/Dec. 25/INOX Lido○
- Aishwarya Rajesh、堂々の主演。クリケットで女子ナショナルチームに入るスポ根ものである。お父さんはSathyaraj。コーチはSivakarthikeyan。カーヴェリ川も絡む干ばつに苦しむ農家でクリケット狂のSathyarajは借金を重ねながら娘を好きな道へ進めてやる。手鼻かみも生々しい熱演であった。小さい頃から父親に倣ってクリケットに心酔したAishはスピナーとして頭角を現していく。ユニフォーム姿が魅力的。ナショナルチームの訓練所がバンガロールにあるとは知らなかった。そこではヒンディー語が標準なのだが、タミルナドゥ出身のAishにはわからない。というエピソードは皮肉なのかな? ワールドカップでMVPとなったAishのあいさつが通訳なしのタミル語。賞金も5,00,000ルピー、ってありえないでしょ。ネタ柄、こちらも愛国的になることが懸念されたが、恐れていたほどではなかった。最近の上映前国歌はこういうところに効いている。Sathyarajは『Mersal』のときと同じくカッタッパネタで弄られていた。字幕なかった。
- #91「Antariksham 9000KMPH」Sankalp Reddy/2018/インド/Dec. 25/PVR: Vega City○
- Aditi Rao Hydariがまたテルグ映画に出演。今回は宇宙飛行士である。古い人工衛星が軌道を外れ他の衛星との衝突が予測されたため、この衛星を修理するため宇宙に向かう。ここに5年前に行方不明となった月探索衛星の話が出てきて主役Varun Tejの恋愛話が絡むという、大きいような小さいようなストーリー。『Tik Tik Tik』に続くインド製SFは、テルグ映画としては初らしい。例によって愛国心を煽る演出となっていて、外国人にとってはどうでもよい。まあ、仮にでも月面に国旗を立てることはなかったのはよろしい。中国をまたやや悪者扱いしているのも気になるところ。Aditiは相変わらずきれい。宇宙飛行士でもあるバリバリのエンジニア、にはとても見えない。宇宙遊泳なんかすると宇宙線で日焼けするよ。退職していたVarun Tejを説得するため彼の所に向かう車がなぜかとても渋かった。普通ならAudiかなんかにしそうなものだが。Varun TejはChiranjeeviファミリーなのか。そんなオーラは感じなかったけどな。字幕あった。
- #90「Kedarnath」Abhishek Kapoor/2018/インド/Dec. 9/PVR: Forum Mall○
- やめろっと言われても、いまではおそすぎたっ♪ ムスリム青年とヒンドゥー娘の激しい恋というこの国では一種の紋切りかつデリケートなストーリーを、2013年に起きたUttarakhandの洪水を背景に描く。青年はSushant Singh Rajput、娘はSaif Ali Khanの実子Sara Ali Khanで、彼女にとってのデビュー作品。現妻のKareena Kapoorとは血は繋がっていないが、目の間が狭いのは同じで、美人かもしれないが僕には苦手なタイプである。本作の上映は例によって一悶着あったらしいけれど、宗教色、特にイスラム教側の描写はほとんどなく、その辺は気を使っていそうだった。ヒマラヤからの雪解け水ががんがん流れる風景は圧巻で、あれにダウンバーストによる大雨が加わればそりゃ恐ろしいことになるよね。終盤はほぼパニック映画の様相。事実が周知であるだけにハッピーエンドにはしづらかったようで、その点は能天気なボリウッド作品とは一線を画していた。それでも能天気なダンスはあったけど。もちろん字幕なし。
- #89「Joseph」M. Padmakumar/2018/インド/Dec. 9/PVR: Arena Mall○
- 凄腕元警官が元妻の死亡事故について捜査を開始、自分を犠牲にして事故ではなく殺人であったことを証明するサスペンスドラマ。この元警官Josephを演じるのはJoju Georgeというコメディー俳優なのだが、大まじめに渋い。引退後は呑んだくれのおっさんで常にドーティーを着用。これをまくる仕草が実に自然でかっこいいのだ。話のオチは個人的な怨恨等の殺人ではなく、臓器売買ビジネス絡みの病院もグルの組織的犯罪で、その分インパクトが薄れた感あり。Josephの元妻Stellaの現夫Peterの態度がおどおどしてて超怪しいので、そいつではなくとも彼が絡んだ犯罪だと思っていたのに、騙された。納得はしていない。主役のキャラを中心としていいところもあるが、全体としては残念な出来である。最近の映画ではケータイとSNSが不可欠な要素にすっかりなっている。これはSFではない。ケータイの通話記録と基地局データは強力な手がかりとなる。やましいことをするならケータイを一切使わないのが鉄則だな。二重字幕あった。
- #88「2.0」Shankar/2018/インド/Dec. 2/PVR: PEPSI IMAX, Forum Mall○
- 劇場では未見の『ロボット』の続篇。主演はもちろんSuperstar Rajinikanth、対抗にBollywoodの大スターAkshay Kumar、Dr. Vaseegaranの新作ロボットとしてAmy Jacksonが華を添え、Home Minister役にAdil Hussainを招いているという豪華版。話は自然と荒唐無稽の連続ではあるが現在のケータイ文化に痛い警鐘を鳴らす意図がある、かどうかは定かではない。序盤から1.0のChittiが出てきて活躍し、あれ2.0はどうしたのかなあと思っていると、Akshay Kumarに壊された後、Amy Jacksonの手により2.0として蘇るのであった(しかも500台)。軽い性格になったのはなぜだろう? んで2.0もピンチに陥ったときに登場するのが3.0のちっちゃなKutti。ビジュアルはこれもRajiniなのだけど声が(タミル語版は) Santhanamのように聞こえた。IMAXを観に行ったつもりなのに非IMAX、しかも2Dで憤慨。最初の5分はときどき画面が止まるStreamingみたいな状態で憤慨2.0。字幕もなくて憤慨は3.0に達した。観直すような映画じゃないし、困ったものだ。
- #87「Taxiwaala」Rahul Sankrityan/2018/インド/Nov. 24/INOX: Mantri Square○
- 今週末も映画は不作。じゃあとりあえずVijay観とくかと思ったのだが、Vijay映画っていつも同じなので思い切って(?)テルグのVijay、Vijay Devarakondaを選択。チケット買ってからホラーと知った。でも、なんか半分『Dora』みたいな話なのだけど、ホラーというよりコメディーで結構面白かった。巷の評判がいいのはラストのせいかな? 舞台はHyderabad。Vijay Dがオンボロの70年代っぽい車(Hindustan Contessa; ごめん、80年代の車らしい)を買ってバリバリに仕上げてOLAのドライバーになる。そしたらその車に幽霊が出る。その車はいわく付きで…。相手役はPriyanka Jawalkarの女医さん。いまいち。幽霊のMalavika Nairの方がいい。幽霊というのは正しくなくて、Astral Projectionで車内にいる魂。この辺の怪しさがいいよ。怪しいのは時間感覚もそうで、Malavika Nairの母親が死んでからどれくらい経った話なのか辻褄が合わない気がした。ところで、フロント側に赤いライト付けちゃダメでしょ。インドでは違法じゃないのかな。字幕なかった。
- #86「川沿いのホテル」ホン・サンス/2018/韓国/Nov. 17/TOHOシネマズ日比谷12(FILMeX)○
- 今秋は出張日程との折り合いが悪く、映画祭参加はフィルメックスの一本のみ。それがホン・サンスというのは不幸中の幸いである。いつものホン・サンスとは異なり、主人公はキム・ミニではなく詩人のおっさんキ・ジュボン。ではあるが、他の登場人物もどれもこれまでも見られた人たちばかりだった。ホテルに滞在するキ・ジュボンとキム・ミニがそれぞれ来客を迎え、それぞれのやりとりとこのふたつのパーティーの交錯を描きながら、ファンを笑わせるエピソードを重ねる。キ・ジュボンが息子たちそっちのけでキム・ミニとソン・ソンミを追っかけたり。たばこを吸ったり、酒を飲んだりはいつも通り。ユ・ジュンサン演じる映画監督の作品をソン・ソンミが“中途半端”と言ったり、キム・ミニが不倫しててしかも別れてたりは多分に自虐的要素を含む。笑えないのは、ホン・サンス作品ではおそらくはじめてひとが死ぬ点で、これまでのふわっとした人生模様から一線を越えた感がある。何かあった、監督?
- #85「Vada Chennai」Vetrimaaran/2018/インド/Oct. 28/PVR: Vega City★
- 英題『Once Upon A Time In North Chennai』。ギャング映画である。Dhanush主演である。Aishwarya Rajesh共演である。血が騒ぐぜ。兄弟分の4人が二人ずつに仲違いするチェンナイ北部の街。そして塀の中。そこにカタギのCarromプレーヤーDhanushが入所してくる。なんで彼がムショ入りすることになったかというと、それは内緒。登場人物がいっぱいで最初に整理が必要。英語字幕があって助かった。Rajiv Gandhiが暗殺されたのを機に起きた暴動で、店を略奪するときDhanushとAishwarya Rajeshは出会い、後に結婚する。Aish、活躍してた。鼻血が出そうになるカットあり。もう一人のヒロイン(?)、もの静かなAndrea Jeremiahが実はキーパーソンなのも内緒。きのうの映画と違い長尺を感じさせず、“え、ここで終わり?”と思ったら続篇の予告が。期待、期待。Rajiv Gandhiの死は暴動の口実になったのに対し、MGRの死ではみんなが本当に悲しんでいたのが印象的。きょうも映画に無関心なガキんちょに悩まされて、後半は席移った。
- #84「Sandakozhi 2」N. Linguswamy/2018/インド/Oct. 27/Cinesquare Savitha Theatre○
- 観ようかなと思っていた『Tha Villain』の評判がよろしくないのでこちらに変更。2005年のVishal主演作品の続篇(監督も同じ)。へえ、Vishalって結構キャリア長いんだ。お祭が賑やかな村の有力者の息子Vishalが父Rajkiranと、夫を殺されたライバル組織の未亡人(って変な単語)Varalaxmi Sarathkumarからの復讐に対峙する。Varalaxmi Sarathkumarが超こわい。その幼い息子もこわい。最後どうなるのかなー、と思ったら、無難な結末に着地。長尺の末、これかよ。疲れた。Vishalの相手役はKeerthy Sureshで、勝ち気な田舎娘を元気に演じていた。ふたりともダンスがうまいので、ダンスシーンは、タミル独特のほんわかさはほとんどなく、キレキレ。タイトルは闘鶏の意味らしいが、『Tagaru』より動物っぽさがなかった。映画に無関心な子供がきゃーきゃー走り回るこの単館ははじめて来た。シートは悪くないけど上映システムはダメダメだ。当然ながら字幕なし。国歌がないのはよかった。
- #83「Andhadhun」Sriram Raghavan/2018/インド/Oct. 7/INOX Garuda Mall○
- 同じピアノ絡みでもきのうの『Ratsasan』よりずっっっと、いい。主演はAyushmann Khurranaで盲目のピアニスト、ということになっている。スクリューボール・ブラックコメディーとでも呼びたいスピード感が心地よかった。そこで最も輝いていたのはTabu、46歳。浮気がばれて夫を殺し、疑われた隣人を突き落とし、“目撃”したAyushmann Khurranaを毒殺しようとし、反撃に遭って拉致され、それでも狡猾に抜け出そうとする徹底した悪女。そして、唖然とする最期。(ここが冒頭につながっていたとは) 彼女がいたらRadhika Apteなんぞ添え物である。舞台がPuneというのもおもしろい点だったけど、旧市街は出てこなかった気がする。TabuのうちはMagarpatta Cityだった。インドに住む視覚障害者は、街を歩くのは命懸けだと思う。ひとは親切だと思うけど、狂ったトラフィック、野良犬、穴ボコ、牛のうんこ。とても無事に目的地に行ける気がしない。僕だったらシンガポール辺りに移住だな。普通に字幕なかった。
- #82「Ratsasan」Ramkumar/2018/インド/Oct. 6/PVR: Forum Mall○
- Vishnu Vishal主演のタミルスリラーは、Amala Paulが出るので観に行った。彼女は女子校の先生で、聴覚障害をもつ女の子供がいる母子家庭もち。これに映画監督になり損なって警官になるVishnuが絡んできて、なぜか後半は一緒に住む。この経緯がわからなかった。Vishnuは以前から猟奇殺人事件に興味をもっていて膨大な資料を趣味でコレクションしており、これが街で起こる連続殺人事件の解決に役立つという流れ。事件が解決して夢だった映画界に行く話かと思いきや、そんなものはどこかに消えてしまった。Suzane George演じる警察の上司がとことんいやなやつとして描かれていていささか可哀想だった(別にこのおばさんのファンではない)。しかし、なぜなかなか真犯人が割れないのか。全事件の情報をExcelで表にまとめて眺めるだけでわかりそうなものだ。えーと、肝腎のAmala Paulに活躍の機会はほとんどなかった。サリー姿はなかなかサマになっていたけど、6Eじゃないね。字幕がないと僕も聴覚障害者だと自覚。
- #81「96」C. Prem Kumar/2018/インド/Oct. 6/PVR: Forum Mall○
- “96”って何だ、と思ったらもう製作側の意図通りだろう。答は学校の卒業年度1996年のことで、同窓会で22年ぶりに再会する同級生だったVijay SethupathiとTrisha Krishnanが過ごす一夜の物語。Vijay Sethupathiの超シャイな性格とTrishaの勝ち気さに起因する取り戻せないふたりの関係が夜明けまでに語られていく。ふたりはやり直すこともできず、それぞれの現在の生活に戻っていく。これも踏み出せないVijay Sethupathiのせい、ではあるがそれが現実というものでもある。このあたりのタミル映画の枠を越えた語り口や終わり方がなかなかよかった。Vijay Sethupathiはプロの写真家で学校で教えていたりする。冒頭、インドを巡る撮影旅行で彼が写真家であることを示すのだが、これ必要か(笑)? んで、自分に想いを寄せていそうな可愛い教え子Varsha BollammaにTrishaが奥さんだと認めてしまうなんて、後のこと考えなかったのかね。もったいない。やはりVijay Sethupathiはうまい。Trishaは変わらず苦手。英語字幕あった。
- #80「Pataakha」Vishal Bhardwaj/2018/インド/Oct. 2/PVR: Forum Mall○
- 『Haider』の監督の新作は、印パの仲と言われる姉妹の関係を描いたコメディー。姉妹喧嘩から始まり、姉妹喧嘩が続き、姉妹喧嘩のままで終わるのかと思いきや、ハッピーエンドが待っている。英語に憧れるSanya Malhotra (『Dangal』のひと)と牛大好きのRadhika Madan (こちらは新人)の喧嘩はなかなか見応えがあった。結婚したら相手も兄弟同士で結局同じ家に住み、会っては喧嘩ばかり。でもダンナの都合で片方が引っ越すと、ふたりとも精神的ショックで身体に異常が生じてしまうほど、実際には切っても切れない仲なのであった。ふたりともタバコを吸う設定で、歯をわざと汚くしているのは凝り過ぎかも。嫁にしようとしてふたりともに逃げられるTata Nanoに乗る男は、結局東北の女性と結婚するのだけど、彼女は姉妹と比べて笑えるほど不細工という設定のようだった。これってインド国内のRacisimだよな。舞台はRajasthan。ああいう田舎でもケータイがつながっているが、そのためのモバイルタワー設置とか、とてもペイしそうにない。
- #79「Sui Dhaaga - Made in India」Sharat Katariya/2018/インド/Oct. 2/INOX Mantri Square○
- Varun Dhawan、Anushka Sharma主演のコメディーのネタはファッション。USHAのミシン屋で働く新婚のVarun Dhawanは、雇い主に犬のように扱われる姿を奥さんのAnushka Sharmaに見られてしまい、意を決して退職。無一文からミシンの腕で独立を図る。母親の入院などいろいろあって、家族と地元のみんなを巻き込みファッションコンテストに出場し、みごと優勝して自己を確立する、というお話。インド人、コンテスト大好き。Varun Dhawanがいきなりあんなクリエイティブなデザインができるとは思えないけどな。舞台はDelhiおよびその近郊。大きなトラブルも起きずたわいもないが、観客がハッピーになれるという意味でときどき必要な作品である。音楽のリズムと画面内のひと・モノの動きをシンクロさせているのがよかった。Anushka Sharmaはあいかわらずいい感じ。八頭身の奥さんを持つというのはどういう気分だろうな。Katrina Kaifが一瞬出てくる。英語字幕があってびっくり。
- #78「Village Rockstars」Rima Das/2017/インド/Sep. 30/PVR: Forum Mall○
- 今度のオスカー外国語映画賞へのインドからのノミネートはアッサム語作品。Dasさんファミリー総出(?)で製作した、アッサムの貧しい田舎に暮らすDhunuという名の女の子(この子もDasさん)がギターを夢見る話。いかにも西洋のハイソが好みそうな背景なのであるが、それを自然に超えて楽しめる。洪水で父を亡くし母親(もちろんDasさん)がこの子と兄を育てていて、二人とも健気に生きている。木登り、沼での水泳、自転車乗り、そして発泡スチロールで作ったギターを使ったエアギター(じゃないけど)。お転婆な娘を諭す近所の女性たちに言い返す母親が頼もしい。そして女の子は初潮を迎え、少しだけ大人になる。終わり方を見ても、劇映画というよりドキュメンタリーに近いのかもしれない。人生は終わらないのだ。彼女らのエアギター(+エンディングのリアルギター)以外音楽なし。インターバルなしの映画祭仕様だったのに(そもそも90分ない)、ぶちっと切れた。英語字幕あった。まあ、バンガロールでやるならなくっちゃ困るよね。
- #77「Chekka Chivantha Vaanam」Mani Ratnam/2018/インド/Sep. 30/INOX Garuda Mall○
- 『Kaatru Veliyidai』に続きMani Ratnam作品にAditi Rao Hydariが出演、しかもAishwarya Rajeshも出るってんで、優先順位一番で観に行った。予告篇などの情報からてっきりやくざのArvind Swamiが主役だと思っていた。実際そんな感じで始まり、父親である大ボスPrakash Rajを殺したのは敵対組織の山茶花究ということになりそうだったが、さにあらず。開けてびっくり、停職警官Vijay Sethupathiが暗躍する映画だったのだ。それをそのように描かない点が新鮮で、なかなかよかった。A.R.Rahmanの音楽はちょっと豪勢すぎ? それにしても先の女優2人、男優2人のほかの出演陣も豪華で、さすがMani Sirである。問題はせっかくAditi Rao Hydariをまた招いたのに、Arvind Swamiの愛人というちょい役だったこと。残念である(もちろんきれいはきれいだけど)。それに対して次男の妻を演じたAishwarya Rajeshは輝いていた。また子持ち役ではあったが、冤罪で刑務所に入れられてしまったが。Chennaiの海辺の豪邸は実在しそう。無念の字幕なし。
- #76「Ambi Ning Vayassaytho」Gurudattha Ganiga/2018/インド/Sep. 29/INOX Lido Mall○
- Ambareeshという顔のでかいじいさん(Kannada映画界の往年のスターらしい、知らん)は俳優。老いぼれてしまい、息子になじられ家出する。思いついたのが初恋の人Nandiniに会うこと。Royal Enfield Bulletを時速8kmくらいで飛ばし、Kochiに向かう、というお話。このAmbiじいさんが自分の初恋を回顧するとき、演じるのがSudeep、NandiniはShruti Hariharanというわけである。久々に観たShrutiは役にいまひとつ合っていなかった。彼女にはDesiな格好は似合わないようだ。思いがけなくKochiが出てきた。彼の地でもKannada語が通じるのはいささか腑に落ちないな。ちなみに老いたNandiniはMani Sirの奥さんSuhasini Maniratnamが演じていた。印象は草笛光子だった。声は他人の吹き替えだろうか。まあ、Sudeep-Shrutiのラブラブも、Ambi-Suhasiniのそれも、よくやるよって感じではあったが、印象は悪くなかったよ。Ambiじいさんのアクションシーンも、心臓が止まるんじゃないかとハラハラしたが、なかなかイケていた。字幕なかった。
- #75「Manto」Nandita Das/2018/インド/Sep. 23/PVR: Forum Mall○
- 昔アメリカで『Mant!』というショートフィルムを観たが、それとは別物。饅頭でもない。パキスタン人の小説家Saadat Hasan Mantoの伝記映画である。なぜこれがインドで作られるのかというと、パキスタン分裂前のインド(British India)で生まれ、Bombayで活躍していた元インド人の優れた作家だったから、かな。インドを離れてからはLahoreに住んだらしい。自分のアイデンティティも含めた複雑な時代をリアルに表現した作風のようで、小説『Thanda Gosht (Cold Meat)』についてのわいせつ裁判では有罪判決を受けている。酒もタバコもやるムスリムということもあってかなくてか、演じるはNawazuddin Siddiqui。いい演技だったと思う。42歳で亡くなる彼を支えた妻(Rasika Dugal)も熱演。小説の再現映画中映画がときどき入ったのだけど、その境目があいまいでうまい演出だった。その中のひとつにDivya Duttaが出てたな。ヒンディー語作品で英語字幕が付くのは珍しい。なければ撃沈まちがいなし。ありがたや。
- #74「Varathan」Amal Neerad/2018/インド/Sep. 23/PVR: Forum Mall○
- Nazriya NazimがダンナFahadh Faasilをヒーローにすべくプロデューサーとして頑張った作品。まあ成功だと思うよ。かっこいいとは思わないけど。無職となったFahadh Faasilが愛妻Aishwarya Lekshmiと自由なDubaiからインドに戻ってくる。住むことになったのは妻が育ったKeralaの山村。Aishwarya Lekshmiをあからさまに好奇の目で見る住民たち。恐れる妻に対し、紳士の対応で妻のイライラを助長する夫。ついに事件が起こり、ゴキブリも殺さなかった夫がモンスター住民への復讐を開始する。いやあ、住民のネチネチは怖かったが、『七人の侍』並に策を講じるFahadh Faasilの復讐は爽快だった。ただし、遅い。もっと早く行動していれば妻は助かったのだ。すべてが終わって、夫婦がのんびり軒先でチャイを啜るのはいささか現実感を欠いていると思う。もちろん、ここで現実感を論じるのは無意味だとわかっているのだけど。美人のAishwarya Lekshmi、体ごついね。水泳でもやってたのかな。英語字幕あった。
- #73「Saamy 2」Hari/2018/インド/Sep. 22/INOX Garuda Mall○
- ときどきはこういうタミル娯楽作品を観ないといかん。主演はVikram。大ヒットしたらしい『Saamy』(2003年; 未見)の続篇である。設定は前作から28年後。殺された父親(Vikram)の敵をとるため、息子(Vikram)が自分もIPSに入る。とはいっても非合法的に復讐するのだが。28歳には見えんぞ、Vikram。舞台はTN州のTirunelveliに加え、Delhi、Agra、タール砂漠(Rajasthan)など豪華。TN出身大臣の娘でVikram(息子)の相手役にKeerthy Suresh。28年前の再現にて、母親としてAishwarya Rajesh登場。前作ではTrishaが演じていた役である。出番はちょっぴりで残念だったけど、バリバリのタミルダンスを見せてくれる。『ラーマーヤナ』が話のベースにあるのだろうと思うが、続篇だからかあまり感じられず。Caste差別に対する強い憤りのメッセージはあっても全体としての娯楽感に吸収されてしまっていた。街中にやたらとドーティ屋MCRの広告があって、Sooriのギャグとともに笑いを超えてうんざりした。英語字幕あった。
- #72「Love Sonia」Tabrez Noorani/2018/インド/Sep. 16/INOX Lido Mall○
- Rajasthanに住む少女が父親に売られた妹(?)を探し騙されMumbaiの赤線に売られ、さらには香港、LAと流れる、女性対象の人身売買問題を描く重い作品。女性差別やレイプ事件の裏に潜む、より深刻なインドの現実である。こういう商売は黒社会が牛耳っているので、表で声高に叫んでも一掃できないのが歯がゆい。映画がどこまで社会を動かせるか注目したい。主人公のSoniaを演じたMrunal Thakurは新人だが、脇をManoj Bajpayee、Rajkummar Rao、Richa Chadda、Anupam Kherといったそうそうたる面子で固めている。中でもいつもはダンディーな役回りのAdil Hussainが貧困の余り娘を売る父親を演じていたのがAnupam Kherの悪役ぶりと共に印象深い。描写はインド映画としてはかなり際どく、よく認証もらえたな(もちろんAだが)と思った。Soniaはボロボロの状態でLAのNGO(実在)に保護され、Mumbaiの施設Apne Aap(実在)に帰ってくる。そんな“幸運な”ひとは1%に満たないそうだ。香港ロケは少しだけ。広東語には字幕が付いた。
- #71「Manmarziyaan」Anurag Kashyap/2018/インド/Sep. 15/PVR: Forum Mall○
- 苦手な女優Taapsee Pannu主演のラブコメ。興味なかったのだが、Vicky Kaushal推しの奥さんにはマストだったので観に行くことになった。監督は先日観た『Imaikkaa Nodigal』の悪役Anurag Kashyap。Taapsee Pannuが恋人のVicky Kaushalを諦めてAbhishek Bachchanと結婚するも恋人との関係も続いて、さあどう収拾付けるんだ、というお話。謎の双子女性ダンサーが出るたびゲンナリし、喚く恋人同士にもウンザリしたのだけど、これまでのイメージと違うぶっ飛んだVicky Kaushalは意外となかなかサマになっていた。舞台はPunjab州Amritsar。かなりPakistanに近い場所だけど、もちろんシーク教徒の街である。普段用ターバンが被り心地よさそうだった。Abhishek Bachchanのポジションは最初Dulquer Salmaanが想定されていたらしい。ふむ、ターバン被る姿がちょっと想像できない。多髪で頭でっかちになりそう。で、双子は何を意味していたんだろう? 新婚旅行に行ったKashmirでも双子の男性が出てきて不気味だった。
- #70「U Turn」Pawan Kumar/2018/インド/Sep. 13/Cinepolis: Binnypet Mall○
- 2016年の同名作のテルグ語版リメイク。同じ監督である。自作をリメイクする映画監督というのはなかなかいない。絵を何枚も描くのとはスケールが、予算が、かかる時間が違うからである。でも昨今のリメイクブームを考えると、自分の映画をどこかでリメイクするプランがあがったときに監督として手を挙げるのはなかなかいいアイデアじゃないかと思う。どこかで読んだ記事で“結末は変えた”と監督が言っていたのだけど、どこが違うのかわからず。オリジナルに忠実なシナリオ(つまりオカルト)だった。なので僕としてはいまひとつ乗れず。Shraddha Srinathの役はSamanthaが担当。ヘルメットはまっすぐ被ってた。ミディアムカットのヘアスタイルがなかなかよかったけど、声は本人に聞こえなかったな。勤務先はTimes of India。エンドタイトルの“ホンモノ”映像は、オリジナルと同じBangaloreのRichmond Circleだった。さあ、つぎはBollywoodでリメイクかな。字幕なかった。やたらと“ちゃんぺすた”って言ってた。
- #69「Ranam - Detroit Crossing」Nirmal Sahadev/2018/インド/Sep. 9/PVR: Gold, Vega City○
- Mollywoodで不思議なのはPrithviraj Sukumaranがマッチョなスターであることである。そんなにかっこいいかなあ? まあMohanlalが大スターなところだからな。で、これは全篇Detroitが舞台(と思っていたけど、AtlantaとAugustaでも撮っていたようだ)の、Prithviraj主演作。なんでそんなとこにたくさんMalayaliが住んでるんだ、というむだな問いはやめよう。そこの黒社会の話で、Prithvirajは1969年型Pontiacに乗る自動車整備士兼ドラッグディーラーなのである。相手役には『Bangalore Days』でCAのMeenakshiを演じていた、美人のIsha Talwar。いいんだけど、なんか遠く感じるんだよね。というわけでこのコンビだとまったく感情移入できないのであった。インド映画は普通前半海外、後半インドという具合に舞台を変えるものだけど、本作は通しでアメリカ。グローバル(少なくとも非インド)な映画を作りたかったのかな。失敗しているとは思わないけれど、残念ながらありきたりな作品に終わっている。Goldなのに字幕なかった(関係ないか)。
- #68「C/o Kancharapalem」Maha Venkatesh/2018/インド/Sep. 8/PVR: Forum Mall○
- 同じ村に住む、世代の異なる4人の主人公の男の、それぞれのラブストーリーが並行して進行する、なかなかの佳作。娯楽作品として設えてあるが、それぞれのストーリーに宗教問題(ご丁寧にヒンドゥー教、キリスト教、イスラム教の三大宗教すべて)を絡ませ、宗教や神を皮肉る痛烈なメッセージが表明されている。最年少の主人公の少年は、想いを寄せる少女がデリーに去ったことをガネーシャのせいにし、父親がつくった像を破壊、それにより父親は自殺するのだけど、本人はきわめて真っ当に成長するらしいのは納得いかない点。出演者はほとんどが素人らしい。4人の女性の中では娼婦のSumeetha役のひとがよかったな。無念だったのは、4人の主人公が同一人物であることに最後まで(最高齢、つまり現在の主人公Rajuが自ら明かすまで)気づかなかったこと。直前に観たヒンディー語作品『Gali Guleiyan』とよく似た構造なのに。あちらは早々に気がついたのに。幼友達の存在という同一性もあったのに。不覚だ。英語字幕もあったのに。
- #67「Gali Guleiyan」Dipesh Jain/2017/インド/Sep. 8/PVR: Forum Mall○
- インドの性格俳優といえば、Rajkummar Rao、Manoj Bajpayee、Nawazuddin Siddiqui (私見; この順にアブナクなる)。本作はManoj Bajpayee主演の、オールドデリーを舞台とした追憶映画。ノスタルジーではなく、自分が継父から受けた虐待に端を発する捻れた人生を半ば狂気を伴って描いている。公開が映画祭での上映から1年近く経っているのはその難解さと暗さ(+一部のエグイ描写)から興行成績を気にしたからに違いない。オールドデリーの迷路に巡らせた違法CCTVを自宅に籠もって監視するManoj Bajpayeeと、継父の浮気現場を覗き見する少年(Om Singh)。映画では、このManoj Bajpayeeと少年の2つのスレッドを並行し、ときに交錯させながら見せ、観客はこのスレッド間に時間差がありふたりが同一人物であることは陽に知らされないまま(いや、少年がくすねる100ルピー札がAshokaシリーズであるのはそれを知らせるためか)、魔窟化した街を彼らと一緒に彷徨うのである。案の定、劇場はガラガラだった。
- #66「Uddishya」HeMan/2018/インド/Sep. 2/PVR: Forum Mall
- 毎週5,6本のカンナダ映画が封切りされるバンガロール。このうちのほとんどはトホホ作品であり(と信じている)、観る映画は監督や俳優を手がかりに慎重に選んでいるつもりだが、たまにはきょうみたく外れることもある。本作はエクソシストもので、演出はまさにトホホだったのだけど、1970年あたりを想起させるタイトルクレジットとかはなかなか魅力的で、笑える展開も結構楽しめた。舞台はマイソール。そこの女性Inspectorが、悪魔を信じていた男に拉致され娘を産まされた過去を持っていて、死んだはずの男の霊に命を狙われる。で、偉いInspector(監督が自演)の出番。冒頭Mysore zooの動物がたくさん死ぬのだが、本筋との関連が不明。給水塔で死んだ男は結局誰だったのか不明。Inspectorが過去をエクソシストに泣きながら告白するとき、横で当の娘が聴いていて母親を慰めるの、意味不明。黒魔術で羊の頭が出てきたとき“CG”のテロップが出てたけど、あれ、絶対本物だと思う。鷹は明らかにCGだったけどね。英語字幕あった。
- #65「Searching」Aneesh Chaganty/2018/米/Sep. 2/PVR: VR Bengaluru○
- 実に今様な作品でおおいに感心した。ベイエリア・シリコンバレーに住む韓国系親娘のディジタルライフ。Windiws XPからMacへ。環境は変わりながらも家族の歴史をディジタルに記録していく中で、妻はガンで亡くなり、娘は突然失踪する。昔ならここでひたすらクルマをドライブして探すところだが、システムエンジニアらしい男はひたすら自宅からオンラインであらゆる手段を使って娘を捜す。担当警官ともビデオ電話で対話。順調と思っていた娘の高校生活の孤独、事件がオープンになってからの周囲の態度の激変ぶりの皮肉。久しぶりに、次はどうなるのかとワクワクしながら観た。親身な担当警官の引き起こす終盤は圧巻。ハッピーエンドなのもいい。観客が観ている映像はほとんどがPC画面、という構成は斬新だったな。監督はHyderabad出身のNRI。次回作が楽しみだ。インドで本作をリメイクしてもおもしろいかも。カンナダ映画がドロドロしてよさそう。英語字幕あった。
- #64「Imaikkaa Nodigal」R. Ajay Gnanamuthu/2018/インド/Sep. 1/PVR: Forum Mall★
- Nayantharaの復讐劇ふたたび。CBI捜査官の彼女は凛々しい。クールだ。拳銃さばきも堂に入っている。猟奇的連続殺人事件を追うNayanとその弟Atharva。この弟は医者のくせに不死身で滅法強い。対するは元警官のAnurag Kashyap。このひと映画監督だよね。なかなかいい役者でもあるようだ。タミル映画なのに舞台はバンガロール、ってつまり去年、Nayanはたびたびバンガロールに来ていたわけだ。いきなりKoramangalaのSony Signal Junction周辺からスタート。WTCなんかも出てきた。Airport RoadはNICE Roadを借用。特別出演のVijay Sethupathiは終盤にNayantharaの旦那さんとしてようやく登場。茶目っ気あり、Rowdyっ気皆無の好青年(?)を演じていた。突然(声は出てたけど)で違和感はあるものの不可欠なパート。字幕なし故、Anurag Kashyapが猟奇殺人犯Rudraになった動機がよくわからなかったのは無念。Anurag Kashyapの自宅にあるNayanの若い写真がセクシー女優だった頃の作品から持ってきたやつで笑ってしまった。
- #63「Sarkari. Hi. Pra. Shale Kasaragodu, Koduge : Ramanna Rai」Rishab Shetty/2018/インド/Aug. 26/INOX Lido○
- 『Kirik Party』の監督の新作だからか劇場は満席。Kerala州北部の町Kasaragodが舞台で、そこのカンナダ語コミュニティーが政治家の陰謀によりKannada Mediumの学校を失ったのを怪しいオヤジAnant Nagの活躍で取り戻すという、一種のカンナダ主義作品である。全般の主役は子供たち。同級生の女の子を好きな男の子。優秀な転校生がやってきてその女の子と仲よくなってヤキモキするとか、青春である。生徒数の男女のバランスが著しく悪く見えたのは気のせいかな。ただのいじわるオヤジにしか見えなかったAnant Nagは、請われてKasaragodにやってきて裁判でなぜ学校を再開すべきなのかを演説っぽく訴える。ここでうんうんと頷きながら観るか、ああまた始まったよと斜に構えて観るかが運命の分かれ目だ。Malayaliは苦い顔をしそうである。最近のカンナダ映画では常連で『Katheyondu Shuruvagide』にも出てたPrakash Thuminadが本作でもコメディーパートを担当していた。英語(ときどき+カンナダ語)字幕あった。
- #62「Lakshmi」A. L. Vijay/2018/インド/Aug. 26/INOX Lido○
- Aishwarya Rajeshが、若いのにまた母親役。今度の子供は天才的ダンサーの娘Lakshmi。この娘が母親を欺いてPride of Indiaなるダンスコンテストに出場し優勝するまでを描いているのだが、よほどインド人はダンスが好きなのか、ダンスを見せるのに熱中しすぎて物語の背景が映像でほとんど示されず(字幕もなかったので)よくわからず。Prabhu DevaはLakshmiの父親なのか(少なくともLakshmiは最後まで知らされてはいない)? 彼の喫茶店がLakshmiの学校のそばにあるのは偶然なのか? Prabhu Devahはなぜダンスをやめたのか? Prabhu DevaとAishwarya Rajeshはなぜ別れたのか? Salman Yusuff KhanはPrabhu Devaをなぜ憎んでいるのか? Karunakaran(このひとM.S.Dhoniに似てない?)はムンバイにいつのまに来たのか? チェンナイチームを妨害するためステージに画鋲をまいたムンバイチームはなぜ失格しないのか? おかげでAishwarya Rajeshの出番が少なく、不満である。監督がAmala Paulの元ダンナと知ったのは鑑賞後。
- #61「Happy Phirr Bhag Jayegi」Mudassar Aziz/2018/インド/Aug. 25/INOX: Garuda Mall○
- Diana Pentyが元気だった『Happy Bhag Jayegi』の続篇。主役はSonakshi Sinhaに交代し、舞台は中国・上海へ。前作のDiana Penty、Ali Fazal、Jimmy Sheirgill、Piyush Mishraといった面々は続投。まあ、Diana PentyとAli Fazalは特別出演みたいな扱いだけど。各シーンは面白くて結構笑った。ただ、全体のストーリーは把握できず仕舞い。Diana PentyとAli Fazalを誘拐しようとする動機がわからなかったのである。Jimmy SheirgillとPiyush Mishraが同じコンテナで(Lahoreでなく)上海に来てしまう理由がわからなかったのである。でもそれ以上に上海ロケが楽しめたのである。北京語には英語字幕が付いていた(それは要らないからヒンディーに付けてくれー)。Jassi Gillが乗るクルマの外交官ナンバーはCG合成だと思うが、たまに最初の漢字が変わってた。エンディングソングで“ちんちんちゅう”という歌詞が繰り返される。あれはどういう意味かな? Bollywoodには主役を張れる女優が何人もいるなあ。でも時代は南だぜ。
- #60「Kolamaavu Kokila」Nelson Dilipkumar/2018/インド/Aug. 22/Sampige Digital 2k Cinema★
- Nayanthara主演のブラックコメディー。コメディーなのに彼女は一度も笑わない、一度も眉間にしわを寄せない。ずっと憂いのある顔をしていて、大きな眼から頻繁に涙を流す。髪を三つ編みにしロングスカートにブラウスあるいはTシャツ姿でデイパックを背負いうつむきがちにゆっくり歩く。序盤はYogi BabuからのアプローチをNayanがずっと無視する構図で、彼の店の前を通り過ぎる彼女を延々と(このミュージックビデオはいいよ)。これまでにない新しいNayan像に星ひとつだ。メインのストーリーは、貧乏家族なのに母親(またSaranya Ponvannanだ)が癌にかかり、その治療費を捻出するため、偶然関わることになった麻薬取引の運び屋を始め、いろいろ危ない目に遭いながら家族も巻き込んでそれらをたくましくくぐり抜けていく。拳銃を持つNayanは今月末公開の『Imaikkaa Nodigal』への期待にそのままつながった(バンガロールでもやってくださいよ)。Lady Superstarに男性ヒーローは不要である。字幕なかった。
- #59「Karwaan」Akarsh Khurana/2018/インド/Aug. 5/PVR: Forum Mall○
- Introducing Dulquer Salmaanというので、Bollywoodに乗り込んで大暴れするのかと思ったら、舞台はしっかりKochiだった。カメラマンになる夢(とGF)を諦め、BangaloreのITブラック企業(ヒンディーを喋っているのに違和感あり)で働く青年が突然父の訃報を受け遺体を受け取るが、開けてびっくり別人だったので本人と交換するためにCoimbatore経由でKochiに向かう。同行者にIrrfan Khan、Mithila Palkar。Dulquer SalmaanとMithila Palkarのコンビはきのうのふたりよりずっとよかった。そして相変わらずIrrfan Khanはうまい(早くよくなって復帰して欲しい)。Dulquer Salmaanがマラヤラム語がわからない設定だったり、最後にIrrfan KhanがMithila PalkarにもらうiPodにSyskaのイヤホンかなんかが添えられていたり、僕にもわかる笑いどころがあった。Bangaloreはクルマのナンバー(KA01)以外手がかりなし。KochiはいかにもKochiなところがいろいろ出てきた。最後の展覧会会場はあそこだと思う。さて、Dulquer Salmaan、次はMumbaiか?
- #58「Katheyondu Shuruvagide」Senna Hegde/2018/インド/Aug. 4/INOX: Garuda Mall○
- んー、話の骨格はおもしろいのだが、肉付けされたものを見るといろいろ気になってピンと来なかった、Rakshit Shettyプロデュース作品。まず主演のふたり、若いイーストウッドみたいなDiganth ManchaleとPooja Devariyaが(僕には)魅力的に見えず。現実との落差を強調したかったのだろうけど、導入部のDiganth Manchaleのスタイリッシュ(?)な生活描写に反感。空港からリゾートまでの途中で、初対面のDiganth Manchaleに夫が死んでからの心境を語るPooja Devariyaに胡散臭さを感じてたら、あの展開。もっとうまいシナリオが作れると思うんだよなー。助演陣によるコメディーパートはなかなかよかったのに、残念。出てきた空港はMysore Airportだな。Trujetが飛んでた。Babu HirannaiahとAruna Balaraj(このひとよく見るな)の家は明らかにPondicherryでしょう。肝腎のリゾートの場所はよくわからない。まあMangaloreに近い(Dakshina Kannadaと呼ぶの?)という設定だろう。あんな天橋立みたいな海岸線があるんだ。字幕あった。
- #57「Saheb, Biwi Aur Gangster 3」Tigmanshu Dhulia/2018/インド/Jul. 29/INOX: Mantri Square
- 前作から5年。自分のヒンディー語(5年前は“ヒンズー語”と書いてるな)がまったく上達していないことを再認識。またもや撃沈である。今回のGangsterはSanjay Dutt。Jimmy ShergillとMahi Gillは代わらず。Mahi Gillは年取った印象だが、相変わらず梅艶芳みたいだ。Soha Ali Khanも出ていたが、途中であっけなくMahi Gillに殺されてしまう。で、刑務所から出てきたJimmy ShergillはMahi Gillの策にはまり彼女は妊娠し結婚する。一方、ロシアンルーレットの名手(?)Sanjay Duttはロンドンの自分の店でヘイトハラスメントする客を殺したのをきっかけにイギリスを追われインドに戻ってくる。その恋人ダンサーはChitrangada Singhというオトナの女優で、彼女がホテルで殺され、Sanjay Duttは復讐を、という流れ。Sajay Duttの恋人が殺される理由がわからない。Jimmy ShergillとSanjay Duttがロシアンルーレットをする理由もわからない。ひとがうじゃうじゃ出てきて映像だけでは整理できなかったのだ。まあ、このシリーズとは縁がないということで。
- #56「Junga」Gokul/2018/インド/Jul. 28/PVR: Forum Mall○
- Vijay Sethupathi新作は『Kashmora』のGokul監督。ということはコメディーか、くらいの認識で観に行った。前半のヒロインはMadonna Sebastianでややかわいそうな役。後半はSayyeshaaでこちらはゴージャス。新進女優だな。興味なし。元バス車掌でケチのVijay Sethupathiがどうやら元うちのものらしいChennaiにある渋い映画館Cinema Paradiseを取り返すべく、Rowdyとなって暴れる話。喋りがずっとハイテンションで疲れる。まさかのフランスロケ。パリのVijay Sethupathiの何と場違いなこと(Yogi Babuはもっと)。誰でも知ってる塔、門、劇場、美術館のほかアンヴァリッド、パレ・ロワイヤルなどが出てくる。コメディーなので展開はむちゃくちゃ。なんでセーヌ川に飛び込んでプロヴァンス辺り(?)に行けるのか。陽気なおっちゃんRajendranがまた出てた。最近のTamil映画には必須だな。最後にちょろっと監督が顔出し。ところでWiki見るとNeha Sharmaの名前があるんだけど、出てないよね?出てれば気がつかないわけない。
- #55「Naagarahaavu」Puttanna Kanagal/1972/インド/Jul. 22/INOX: Mantri Square○
- カンナダ映画史上大ヒット作のディジタルリマスター。Vishnuvardhan主演。オートリキシャーなんかで見かけるVishnuvardhanのイメージはこの映画から取ってるんだな。初めて観るのに馴染みのある映像(画像)が出てきてそう思った。やはり元フィルムの状態がよくないのだろう、画質いまひとつ、音質だめだめ。ストーリーが何てことない(相手役のAarathi、Shubhaも何てことない、Shubhaはむしろ怖かった)ので、総合的に映画としてはまあ普通なのだが、例えば終盤にVishnuvardhanが岩山に立つのを青空をバックに仰角で捉えたカットなど、ハッとするいいシーンが何度かあった。舞台のChitradurgaは遺跡がいっぱいあって、その歴史を(Vishnuvardhanが)歌い語る劇中時代劇もあったのがおもしろい。Bengaluruのシーンもあったけど、出てくるホテルがどこか手がかりはなかった。字幕が欲しかった。隣のあんちゃんがずっと貧乏ゆすりしてて僕の座席まで常に揺れてて不快だった。隣の彼女、よく我慢できるな。(大きなお世話)
- #54「Dhadak」Shashank Khaitan/2018/インド/Jul. 21/PVR: Forum Mall○
- ラストが衝撃的だった『Sairat』のBollywoodリメイク。オリジナルでいまひとつだったヒロインはSrideviの娘Janhvi Kapoorになったけど、いまひとつ度は変わらず。お父さん似なのだろうか。冒頭の舞台は派手にUdaipur、そしてカースト跨がりで駆け落ちしたふたりが行き着くのはKolkataに変更。しかも現代っぽく、Janhvi KapoorはJustDialのコールセンターで働いたりする。ふたりが住み着くのもスラムではなくアパート。このアパートの大家の陽気なおっさんが遠藤辰雄みたいなひとだった。高ピーなお嬢様が一転貧乏生活を送らなくてはならなくなりそこで男女の立場が逆転するところと、このお嬢様のホームシックが引き起こす悲劇という点はオリジナルと同じだったが、ラストは微妙にオリジナルとは違っていた。ここはオリジナルがよかったと思う。映画的にも心情的にも。というわけで、このリメイクは落第と結論する。まあUdaipur、Mumbai、Kolkataの観光にはいいかもしれない。Udaipurに行くならTajだ。なんてな。
- #53「Koode」Anjali Menon/2018/インド/Jul. 21/Balaji Digital 2K Cinema★
- Nazriyaちゃん(Nazriya Nazim Fahadhとクレジット)がAnjali Menon(『Bangalore Days』)と共に4年ぶりに帰ってきた。まだインドに住んでてよかったよぉ。病弱な妹の治療費を稼ぐため学校をやめ中東に行った兄が妹の訃報を受け故郷に帰ってくると、妹の“救急車”だったVW Vanに妹がいた、という一見悲しい、実はハッピーなストーリー。現代Mollywoodはこうでなくっちゃ。唄もご機嫌。Raghu Dixitだしね。いろいろケララ家庭料理が出てきて、これも楽しかった。Prithviraj SukumaranとParvathyのコンビはついこないだ観たばかりだけど、こっちの方がいい。特にParvathyは本作の地味目な役の方が光る。Prithviraj Sukumaranが働いていたのはUAEのようだけど、あのシーンは必要があったのだろうか。何かスポンサー絡みかな。Atul Kulkarniが昔のサッカーコーチ役で出てた。このひともNassarみたく何語映画でも出るね。さすがローカルシアター、映画が映画だけに踊るひとはいなかったけど、終映後に拍手が起きたよ。英語字幕あった。
- #52「Kadaikutty Singam」Pandiraj/2018/インド/Jul. 15/INOX: Garuda Mall○
- なんとなくいけ好かないKarthi主演のファミリーもの(タミル語版で鑑賞)。彼はなかなか息子のできない大地主Sathyarajの待望の息子という役づけで、もう一人の実力者の息子との争いで家族がバラバラになり、それがまたひとつになるまでを描く。頼みのGaruda Mallまで字幕を付けてくれなくなって、どうすりゃいいのさモードで、どういうドラマ展開なのかよく追えなかった。Karthiにはお姉さんがたくさんいて大家族で誰が誰だかわからなくなるし(Sathyarajには奥さんがふたりいる)。で、Karthiの相手役は例によって敵の妹Sayyeshaa。このひと含め、大勢女優が出るわりにピンと来なかったな。Karthiは農業に従事。常にドーティだかルンギだかを着用。最近あれの着方を研究しているので、参考になった。冒頭の牛車レースが迫力あった。多少CGは使ってるんだろうが、あれだけの牛が駆ける様は間近で見れば圧巻だろう(現実には禁止されてもうできないらしい)。Manobalaが裁判官で出てきて笑った。プロデューサーのSuryaがカメオ出演。
- #51「Aa Karaala Ratri」Dayal Padmanabhan/2018/インド/Jul. 14/INOX: Mantri Square○
- 以前から写真を見て高橋英樹に似ていると思っていたKarthik Jayaram作品。共演にAnupama Gowdaというなかなかかわいい女優、だったのだが、吹き替えなのか声がごつくて怖かった。演劇の映画化らしい。そう思って観ると確かに演劇的。時は1980年、カルナータカの田舎に住むある家族の悲劇を描いている。よくできていると思うが、古典的な結末で驚きはなかった。字幕なし(またか)なので詳細がわからない。なぜKarthik Jayaramは自分の正体を家族に明かさなかったのか(そうしないと悲劇が起こらないから?)、なぜムキムキである必要があるのか、なぜAnupama GowdaはKarthik Jayaramを殺そうとするのか(これはおそらく借金)。母親の職業が助産婦で家にDr. Ambedkarの肖像画があったことからしてこの家族はダリットではないか。この出自が息子の運命につながっていたのではないか。知識不足なので憶測にすぎないけど。Ragi ballはいつ見ても不味そうだ(これは憶測ではない)。毒入りカレーは美味そうだった。
- #50「6ne Maili」See Ni/2018/インド/Jul. 8/INOX: Garuda Mall○
- 題名の読み方がいまだにわからないものの意味は“6th miles”らしい。“ne”要るのかな? TOIでの評価は星ひとつ半と散々のようだが、メインのストーリーは面白かった。Karnataka州北部でNaxalの投降者らが起こすBangalore人襲撃事件をIPSのSanchari Vijayが捜査する。先が読めないので次はどうなるのかと、うたた寝する暇もなかった。ただし、サイドストーリーは意味不明。ラジオジョッキーだろうが、歯医者だろうが、ダンサーだろうが、マーシャルアーツだろうが、メインストーリーにちっとも貢献していない。さらに問題は撮影だ。出てくる絵がことごとく陳腐。Sanchari Vijayの登場シーンたるや、笑っちゃうしかなかった。SRS Travels、Radio Mirch、Decathlonなどのスポンサー映像がドカーンと出てくるのは楽しませていただきました。カンナダ語は北と南では相当違うと聞いている。本作中もそれを示すようなやり取りがあったけれど、残念ながら僕には同じにしか聞こえない。きょうも字幕なかった。
- #49「My Story」Roshni Dinaker/2018/インド/Jul. 7/PVR: Vega City○
- 過激、というかストレートな発言でアンチファンも多そうな、戦う女優Parvathy。本作は彼女がヒロインで、Prithviraj Sukumaranとアイテムナンバーを踊ったりする上、自身は母子二役という大役である。さすがにこれはParvathyには荷が重すぎた感ありで、もう少し華のある女優にした方がよかったのではないかと思った。ストーリーは、大スターのPrithviraj SukumaranがVIVO SIIMA授賞式(←笑、具体的)で受賞スピーチをしながら、過去に共演した元スター女優Parvathyのことを思い、想い出の地に向かうというもの。回想を含め舞台の多くはリスボンである。彼の地で、過去と現在でふたり(現在の場合は娘)の親密な交際が展開する。繰り返すようだが、Prithviraj SukumaranとParvathyでは役不足、というか観客の納得感が得にくい。難しい役を頑張っていたParvathyには拍手したいけど。映画のスポンサーにITCが入っていて、リスボンの街角でワインを飲む際にPatvathy(娘)がこれ見よがしにDark Fantasyクッキーを食べ出したのには笑ってしまった。
- #48「Sicario: Day of the Soldado」Stefano Sollima/2018/米/Jul. 7/PVR: Vega City★
- 劇場で流れる予告篇がとても気になっていた作品。期待通りの出来。第二作なの?是非第一作を観たい。メキシコからUSへ密入国したISISがスーパーで自爆テロを起こす。ISISメンバーをアフリカからメキシコに渡航させる手引きをしたとしてメキシコのボスがCIAに特定され、取引のためその娘Isabela MonerをJosh BrolinとBenicio del Toroが誘拐する。これに、最近密入国手引き屋になったアメリカ人少年が絡む。とにかくハード、情けは微塵もない。なんとなくペキンパー映画を思い出した。Benicio del Toroが超渋い、不死身。Isabela MonerはAnushka Sharmaを15歳くらい若くしたようなかわい子ちゃんだ。彼女の登場シーンは学校での女同士の喧嘩なのだが、これがまたハードだったな。テロ対策・報復が最優先であるUSの、軍の権力、能力は庶民の想像を超えるものがあって、それが映像化されているわけだけど、これ見ちゃうとアメリカに楯突くのにかなり躊躇しちゃうと思う。最近では珍しい、中国資本の入っていない作品だった。
- #47「Sanju」Rajkumar Hirani/2018/インド/Jun. 30/INOX: Mantri Square○
- Sanjay Duttの伝記もの。現役俳優が対象というのが異色。主演=Sanjay Dutt役はRanbir Kapoor。脇にAnushka SharmaやSonam Kapoor、Tabuと(僕的に)豪華なのが、人気監督でよかったという勝手な印象である。特にSonam Kapoorは10歳くらいサバを読んだ役でメークもナチュラルでむっちゃ可愛い。Sanjay Duttはよく知らない。というのも僕がインドに来てからまもなく刑務所に入ってしまい(この話はもちろん本作にある)、作品を観る機会が(確か)1本しかなかったから。そういう意味では勉強になった。本物は“なんかやばそうなおっさん”という感じの風貌なのだが、実際、若い頃はヤク中で大変だったようだ。お父さんが政治家で金があったんだろうな。最初の刑務所の独房でトイレが逆流するシーンがある。“これを撮る”と監督に言われたスタッフはどうやって実現したんだろう。エンディングにホンモノのSanjay Duttが出て踊ってた。Certificateに“Hindi with English subtitles”と書いてあってシメシメと思ったのに大嘘でがっかりした。
- #46「Abrahaminte Santhathikal」Shaji Padoor/2018/インド/Jun. 24/PVR: Vega City
- 字幕なし。やや入りくんだプロットに加え識別に苦労するケララ人警官が重なって、撃沈。主演はMammoottyでIPSオフィサーなんであるが、弟Anson Paulが恋人Tarushiを殺したとして(冤罪)ムショ入りしたのを超法規的に復讐する話(そういう意味では『Puthiya Niyamam』に似ている)のようだった。そもそも警官の卵だった弟もコカイン吸ってたりしてよくないんだが。Mammoottyも酒飲んで車運転するし、マラヤラム映画はこの辺が非常にゆるい気がする。観客に現実として映像を見せておいて、実は違ってたと真実のシーンを後出しするのは反則だ。そういうのは現実ではなく誰かの供述からの再現シーンにしないとね。字幕があれば楽しめたのかもしれない。特にMammoottyのファンでもないし、字幕付で再チャレンジしたいとも思わないけど。途中、パジェロとジープのカーチェイスシーンあり。ま、それだけだけど。Tarushiといい、きのうのNivetha Pethurajといい、今週末のヒロインはいまひとつ残念であった。
- #45「Tik Tik Tik」Shakti Soundar Rajan/2018/インド/Jun. 23/INOX: Mantri Square○
- インド映画では珍しい宇宙系SF作品(タミル映画)。手品師Jayam RaviがJayaprakashの目論見でハッカー仲間と一緒にインド版スペースシャトル(月面から離陸できるすごいやつ)の乗組員に採用、インドに向かってくる巨大隕石を核ミサイルで爆破する任務を負う。ヘンな映画と思って観てたら、シャトルが宇宙ステーションにドッキングしてからおもしろくなった。ただし、字幕がなかったので謎が多い。なぜJayam Raviは警察でピストルを盗んだのか? Jayaprakashは何がしたかったのか、核ミサイルが欲しかった?インドを壊滅したかった? その核ミサイルを装備した宇宙ステーションは明らかに中国のものだったのに乗組員は英語を喋っているのはなぜ? 台詞では"China"がカットされていたけど、ステーション内には"中国"と書いてあったし、乗組員のユニフォームには五星红旗がはっきり映っていた。中国で上映してみてほしい。ついでに言うとJayam Raviがミサイルを奪うため侵入したハッチ内には"厠所"の表示があった。
- #44「Sammohanam」Mohan Krishna Indraganti/2018/インド/Jun. 17/PVR: Forum Mall○
- 最近のBollywoodでは個人的に一等のAditi Rao Hydari、Tollywoodデビュー作品。彼女は人気Bollywood女優の役で、Tollywood映画に出演するためHyderabadに来たというリアルな(?)設定。ロケ先の住宅に住む息子Sudheer Babuが彼女にテルグ語を教え、ふたりが親密になっていく。立派な家の割に、何を生業にしているのか不明の父親(Naresh)は映画狂で、撮影中も興奮してちょっかい出したりしておかしかった。映画としてのデキは普通なのだが、とにかくAditi Rao Hydariで魅せる作品で、その意味では成功作だ。顔のクローズアップもたくさんあって、ファンには大サービスである。目が大きく見えるコンタクトレンズをしているのかなと黒い縁の瞳を見て思った。テルグ語ネタで笑わせるシーンがある(もちろん、皆目わからない)のだけど、彼女は元々Hyderabad出身だからして、テルグ語はペラペラのはずだよな。マラヤラム映画に同名作があるみたいだけれども、そのリメイクではなさそうだった。字幕なかった。
- #43「Race 3」Remo D'Souza/2018/インド/Jun. 17/PVR: Forum Mall
- 観る前からしょうもない作品だろうとは思っていたのだが、前作が僕がインドで観た初めての映画だったので、なんとなく愛着のようなものがあって観に行ってしまった。とはいえ、監督も主演も替わっていて、同じなのはJacqueline Fernandezくらい。全体に対する印象は5年前と似たようなもので、デキの悪い007もの+陳腐なアイテムナンバーといった感じ。相変わらず高級車(今回はフェラーリ、ブガッティ、ランボルギーニなど)を並べ、ぶっ放し、舞台は成金の街アブダビ。派手なカーチェイスに銃撃戦にマーシャルアーツ。まあボリウッドの悪い面のオンパレードであった。ヒンディー語の台詞は5年前と変わらずよくわからなかったが、北京のシーンがあったと思う。インド映画が北京でロケしたら快挙だが、どうみてもタイにしか見えず。あ、親玉Anil Kapoorは相変わらずかっこよかった。今月はKapoorファミリーの当たり月だったね。映画が当たったという意味ではない。これもフロップだろう。
- #42「Uma」Srijit Mukherji/2018/インド/Jun. 10/PVR: MSR Elements Mall○
- カナダの実話をインド化し、余命幾ばくもないと宣言されたスイスに住むNRI少女Umaが父親の故郷のKolkataのDurga Poojaを見たいと切望し、真夏の4月にそれを体験させるべくすべてを賭ける父親とそれに共感し動く映画監督をはじめとする人びとを描くヒューマニズムもの。映画としてはいろいろ言いたいことはあるが、感動したいというモチベーションをもつ観客にはウケるだろう。それに、このような一大イベントを季節外れに(たったひとりのために)実現するということが実際に可能かを考えるととても面白い。現実にはこの情報社会ゆえ、きわめて不可能に近い。映画では少女のスマホとiPadから電波を剥奪することで回避しているが、子供だましである。少女の本当の母親が娘に会いたいというのを冷たくあしらう父親。母親が去った理由の多くはこの父親にあることを考えると解せない。Kolkataメトロの駅はよく観察するといろいろ楽しそう。ラストシーンのGhat、実在する? Millennium Park内にむりやり作ったんじゃないかな。
- #41「Kaala」Pa. Ranjith/2018/インド/Jun. 9/PVR: Forum Mall○
- カルナータカでの上映が危ぶまれた、Superstar Rajniの新作。無事公開されてよかった。前作と同じ監督だからか容姿がよく似ているが、つながりはない。前作のような派手さはなく、ダンスも控えめといってよかろう。出来はこちらがいい。舞台はムンバイで、Dharaviのタミル人コミュニティーのドンKaalaがRajinikanthの役回り。利権の絡むスラム開発問題で例によって政治家と対峙する。Kaalaの黒とMinisterの白の対比がいい感じで、フィナーレの赤、青といった色使いもなかなか意味深であった。Kaala死すとも、Rajiniは死なず。Rajiniの相手役(元フィアンセ?)に“No problem na” Huma Qureshi姐御。なんか太ってた、というか貫禄付いたな。Dharaviにはしごとの関係で何度か表面をかすめたことがある。Rajiniの家の前の広場はセットだろうが、内側はあんな感じなんだね。タミル語版に来るひとはタミル人だよね。シネコンなので観客の盛り上がりはそこそこではあったが、結構楽しめた。字幕があれば、もっといいんだよ。
- #40「Irumbuthirai」P. S. Mithran/2018/インド/Jun. 3/PVR: Vega City○
- またSamanthaだ。この頃よく見るな。稼いでる。声が吹き替えでなんだかへんな感じ。主演はVishal。最近流行のサイバー犯罪もの。その張本人、ひとの銀行口座を自在に操るWhite Devilが“Action King” Arjunとわかる時点で、スカッとした解決は期待できないと悟る。Vishalは軍人なのだが、その必然性は希薄。本人がサイバーワールドでArjunと戦うわけでもない。Arjunは州政府を脅かすほど強大な力を持っている割に、庶民をローンと銀行口座操作で騙して利益を得るセコさで、なんだかしっくり来ない。あまり細かいことを考えず、Vishal対Arjunのビッグ対決を楽しむべきなのだろう。派手なCGや編集テクを使わず地道に戦うアクションは確かによかった。Samanthaは精神科のドクターでVishalのAnger Managementを担当する。字幕がなかったこともあり、彼女のセラピーがどれほどストーリーに絡んでいたのかよく掴めなかったのは残念。この手の映画で映し出されるユーザインタフェースはどれも似通ってて驚きがない。もっと想像力を。
- #39「Bhavesh Joshi Superhero」Vikramaditya Motwane/2018/インド/Jun. 3/PVR: Forum Mall○
- Sonam Kapoorの弟、Harshvardhan Kapoor主演の素人ヒーロー“Insaaf man”もの。正義感に燃え、ムンバイの街中で起こる信号無視や立ち小便などの違法行為を紙袋で作ったマスク姿で正し、それをソーシャルメディアで報告する青年三人組。そのうち庶民から訴えのあった水問題を調査していくと、政治、警察の絡む大きな闇に到達。これに絡む内輪揉めからひとりが犠牲になり、心を入れ換えた青年は、空手を真面目に学び、バイクを改造し、新しいマスクをつくり、Insaaf manとなって闇に立ち向かう。ヒーローの外見としてはかっこよくない分リアリティーがあってよろしい。東北人らしい空手の先生がなかなかいい味出していた。低予算だと思うけど、撮影が結構よくて(特に夜のシーン)、バイクチェイスシーンなどなかなかスリリングだった。Harshvardhan Kapoorはお姉さんに似てるような似てないような。お父さんにはあまり似てないな。お姉さん出演作とは反対に劇場はガラガラだったけれども、あれよりこっちの方が数倍楽しめた。
- #38「Veere Di Wedding」Shashanka Ghosh/2018/インド/Jun. 2/INOX Lido○
- Sonam K Ahujaでクレジットされているが、Sonam Kapoorの独身最後の作品。親友Kareena Kapoorの結婚騒動を軸に同級生4人の交流とそれぞれの家族背景、いまの姿が描かれる。まあありがちな設定で、コメディーゆえ深いメッセージ性もない。描写にはこれまでのインド映画にはなかった自由が感じられた。舞台がムンバイではなくデリーなのがそれに関係しているかはわからない。ヒンディー語会話に付いていけず周囲の観客の笑い声に疎外感を感じながらも楽しめたのは、1960年前後の日活作品のごとく、スポンサー企業の広告が露骨にシーンに登場する点で、アイスクリームのAmul、袋スナックのBalaji、アプリ配車のUBERなどのブランドが画面にドカーンと表示されていた。潔くてよろしい。飛行機が必ずAir Indiaなのも笑えた。車だけは、ベントレーだの、ランドローバーだの、ランボルギーニだの出てきてヒモは付いていなかったようだ。Sonam Kapoorは離婚訴訟専門の弁護士という設定で、相変わらずきれいでおしゃれ。お幸せに。
- #37「Parmanu: The Story of Pokhran」Abhishek Sharma/2018/インド/May 27/PVR: Forum Mall
- インドが1998年の核実験に至るまでの関係者の努力を讃える、またまた国威昂揚映画。勘弁してほしい。なぜこれを観たかというと、BookMyShowをチェックしたら出演者にAditi Rao Hydariの名前と写真があったので反射的にチケットを買ってしまったから。で、実際には彼女は出ておらず、どうやらBARCの科学者を演じていたAditya Hitkariを担当者が勘違いしたらしい。許せん。結構お気に入りのDiana PentyとAnuja Satheが出てたのが救い。主演はJohn Abraham。ムキムキボディは今回見せず、核実験をひたすら主張し、アメリカのスパイ衛星の目をかいくぐって実現させる(実在しないと思われる)エンジニアを8-2分けの髪で演じていた。核実験に至る前提として中国の核実験があげられていたが、地下核実験のはずなのに地上爆発の映像で観客を煽るのはひどい。実験許可のサインを得るのに首相を騙してるのもひどい(実話?)。実験成功で観客が歓声をあげるのもひどい。実験場には結構多くの軍人がいた。被爆したんじゃないの? No Nuke。
- #36「Raazi」Meghna Gulzar/2018/インド/May 27/INOX: Garuda Mall○
- Alia Bhattの評判のいい主演作はスパイもの。スパイの父親を持つカシミール出身の娘がパキスタン軍の軍人に嫁ぎ、家庭で得た機密情報をインドに流す。舞台は1970年代初めで、例のGhazi Attackの情報もここからインドにわたったという設定。トーンは、こういう名もないヒーローが国を守ってくれているのを忘れるなという国威昂揚で、はっきり言って辟易する。お国のためには命を惜しまず危険を冒すというレベルに到達するには、相当の洗脳が必要だと思う。洗脳されることをリスペクトせよというのか、バンバン(←机を叩く音)。とはいえ、エンターテイメントとしては結構よくできていた。ブルカというやつはスパイには好都合な服装だな。Alia Bhattはやはり演技がうまい。本作ではお母さんのSoni Razdanが母親役で共演。さすがの母娘ぶりだった。こういう内容なのに、国旗・国歌を拝めというシーンがないのは上映前の国歌があるからかな。どうでもいいけど、題名を“辣子”と読みたいのは僕だけではあるまい。
- #35「Mahanati」Nag Ashwin/2018/インド/May 26/PVR: Vega City○
- 元祖Lady Superstar Savitriの生涯を、昏睡状態に陥った彼女の取材を担当することになった女性記者の眼で追う長篇。大女優をKeerthy Suresh、女性記者をSamanthaがそれぞれ演じていて、Keerthy Sureshは熱演、Samanthaもとぼけた味のある演技でおおいに満足した。取材を通して1940年代から1980年までのSavitriの波瀾万丈人生を追うのだが、頭ではなぜかデコちゃんを重ねて観ていた。1980年のシーン(つまりSamantha出演時)は解像度をやや落とし、回想(?)シーンはクリアな現代的映像にしているのが面白かった。映画の再現部分はモノクロ+ノイズ入り。当人にやや似ているということで選ばれたのだろうか、Gemini Ganesan役のDulquer Salmaanはカメオ出演なのに登場シーンが結構多かった。イケイケの1950年代Madras映画界の様子は興味深い。Madras中央駅も出てくるよ(CG?)。NTRも本人が出てくるがこれもCGのようだ。テルグ語版かタミル語版か迷って前者を選択。上映前の禁煙ビデオがテルグ映画はむっちゃ長いので、ちょっと後悔した。
- #34「若草物語」森永健次郎/1964/日活/May 12/神保町シアター○
- いづみさま#88。大阪出身の四姉妹の長女がいづみさまだが、中心となるのは次女・浅丘ルリ子、三女・吉永小百合のふたりの、幼なじみ浜田光夫を巡る恋のさや当てである。ここにボンボン和田浩二が絡んでくる。末っ子の和泉雅子はコメディエンヌ。貯まりもしないお金で将来外国に行くことを夢見ている。(その頃は自分が探検家になろうとは思っていなかっただろう。) 下の3人は唄うのに、いづみさまは唄わない。そういえば唄っているのを聞いたことはないな。ジャーナリストの浜田光夫の同僚に杉山俊夫が出てて吉永小百合を狙う。『あした晴れるか』ではいづみさまの弟役だった。本作でのいづみさまは人妻で成長しているのに、こいつは若いままで変だ。人妻といえばいづみさまのダンナは内藤武敏で冴えない。代わってやりたいよ。ロケは羽田空港、銀座松屋、日比谷公園などでわかりやすい。YS11は何年まで飛んでいたんだろう? とにかく、束の間の日本出張でいづみさまが見られて満足だ。
- #33「Daas Dev」Sudhir Mishra/2018/インド/Apr. 28/PVR: Vega City○
- 本作のAditiは唄わない、踊らないの真っ向勝負。きょうもきれいだったし、肝腎の演技もよかった。…以上。いきなり観たらストーリーにあまり付いていけなくてしょぼん。そもそもDevdasを知らないから観客と背景を共有できていない。まあRahul Bhat(誰それ?)とふたりの女性Richa Chadda、Aditi Rao Hydariとの関係が、UP州のドロドロした政治を背景に描かれていたのはわかった。若くしてCMになったあとぶくぶく太って禿げたSaurabh ShuklaがDevの父親のヘリ事故死に関わっていそうだ、ということも5年のインド映画鑑賞歴にもとづいて予想できた。のだが、3人の細かな心の動きとかそういうものは表情からだけでは読み取れない。言葉の理解が必要だ。特に政治劇では。映画観賞用即時翻訳アプリとかできるとウケそう。というわけで、ひたすらAditiの美貌とかすかにハスキーな声を堪能するに留まるのだった(こういうの多い)。Saurabh Shuklaは都合が悪くなると発作を起こして救急車を呼びつけ病院に籠もる。これは万国共通だな。
- #32「Attempt to Murder」Amar/2018/インド/Apr. 22/PVR: Forum Mall○
- バンガロールで実際に起こったATMでの襲撃事件(どこかで聞いた話だ)を発端とするスリラー。題名からして“ATM”なんて変なところに凝りすぎである。キャストは知らないひとばかりだった。事件を追うCDIの捜査官(Vinay)はルービックキューブをいつもいじっていて、全然できないのが頭悪そう(こういうのは監督の責任)なんだけど、なんかかっこよかった。キャブドライバー(Chandu Gowda; 一番怪しそうだったけど)とソフトウェアエンジニア(Shobhitha; 美人だけどタイプじゃない)の恋物語とか、そのソフト会社の社長の不倫とか、連続殺人犯が実は愛妻家とか、特ダネを狙うジャーナリスト(Hemalatha; 美人じゃないしタイプじゃない)とかいろんな要素が詰まっていて、それが料理し切れておらずやや残念。自転車に付けたカメラはよかったけど上下反転映像はいまいちとか、とにかく改善の余地たくさん。もっと面白くなるよ。あと30分足していいから。監督、自分でリメイクしてみたらどうかな。字幕あった。
- #31「Bharat Ane Nenu」Koratala Siva/2018/インド/Apr. 22/PVR: Forum Mall○
- 絶壁プリンスMaheshの新作は政治もの。冒頭、ほほえみながら走る姿に、ああまたかよと不安になったけど、そこだけだった。AP州CMの父親が急死し、Oxfordから戻ったまへっちがいきなりCMになって州を大改革していく。後見役のような伯父(?)にPrakash Raj。期待通りにやらかしてくれる。素人がいきなり政治家になるというのはよくあるパターンで、観客がスカッとするような汚職一掃とかしてくれるわけだけど、本作もその類である。交通ルール違反に罰金1万ルピーとか、まじでやってほしい。道ばたで見かけた女性(Kiara Advani; タイプじゃない)にCMの立場関係なしに一目惚れするコメディー要素はいいね。その最初のデート(?)会場がこないだ泊まったTaj Krishnaの、夕食を食べたレストランFIRDAUSだった。警備で近づけなかったState Assemblyも出てきたなあ。まへっちは一貫して政治家らしからぬシャツとパンツ姿で、その分田舎に行ったときだけなったドーティ姿にインパクトがあった。字幕なかった。
- #30「Beyond the Clouds」Majid Majidi/2017/インド/Apr. 21/INOX: Garuda Mall○
- ケララ・ビューティーまためっけた。Malavika Mohanan。Tannishtha Chatterjee目当てで観に行ったのだけど、彼女の出番は南田洋子みたいにゲホゲホやってるだけで少なかったので、自然と主役の姉弟のMalavika Mohanan(もちろん姉役)に注目が集まるのだった。おおまかなストーリーは、レイプに対する自衛行為により殺人未遂で刑務所に入れられた姉と、復讐するため男が入院した病院に出向き男の家族(妻と娘2人のタミル人)とふれあう弟それぞれの人情話。この辺りの人情度がインド映画にはあまり見られないもので、なぜなら監督がイランの代表的監督のひとりMajid Majidiだから、というわけである。この名前を聞くとBOWシリーズおばさんのナレーションが頭の中に流れる。実際には『運動靴と赤い金魚』を観て以来敬遠している。インドで撮った理由は知らない。スクリーンサイズはヴィスタ(“Flat”)だった。影とか嵐に何か意味を込めようとしているようだったが、よくわからず。エンディングも、もっとわかりやすくしたらどうかな。無字幕。
- #29「Mercury」Karthik Subbaraj/2018/インド/Apr. 15/INOX: Garuda Mall○
- スリラーという触れ込みだったのにホラーで憤慨。サイレントという触れ込みだったのにサウンド版(といってもやはり台詞はない)で憤慨。ま、いいけど。化学工場の水銀汚染を遠い背景に、聾唖者の若者グループが事故で殺してしまう盲人(水銀にやられて視力を失っている)の幽霊とその化学工場廃墟で戦う。視覚と聴覚の勝負というのが見どころになっているわけだが、それが強調される分、水銀汚染どうなった?って印象。むずかしい題材を料理し切れていないと思う。ラストで唯一生き残った女性(Indhuja)が盲人の力で聴力を回復するのも、そりゃ嬉しいけど、なぜ? せっかく、先日実物にあったShashank Purushotham出演だったのになあ。台詞なし=手話にしなくてもよかったんじゃないか。ちなみに本作は、もともとUnileverがTamil Nadu州で起こした同様の汚染から発想されたらしい。だから車がTNナンバーだったのか。エンディングで熊本の水俣病も紹介されていた。字幕なし。手話に字幕が欲しかったな。
- #28「Blackmail」Abhinay Deo/2018/インド/Apr. 14/PVR: Arena Mall○
- 安定のIrrfan Khan主演ブラックコメディー。美人の奥さん(Kirti Kulhari)の浮気現場を見てしまい、浮気相手のボンボンをSMSで脅迫し10万ルピーを要求。このボンボンがKirti Kulhariを同じ手口で脅し、という風にブラックメールが連鎖していく。ひとが結構死んだりして、予想よりもブラックだった。Irrfan Khanは彼が会社PCでプレイしているパックマンのごとく、数々の危険を逃れ、友人を陥れ、奥さんを捨て、このゲームを勝ち抜く。途中で死んじゃうけど、Irrfan Khanが勤めているトイレットペーパー会社の新入社員を演じていたAnuja Satheのメガネっ子姿がよかった。この映画、評判は頗るいいようだけど、デキとしてはどうかな。Irrfan Khanの無表情さもあってか切迫感や緊張感があまりなく、USE MEのペンギンゴミ箱やボスにもらうニワトリ人形がゆるい感じを増長し、ブラックさと微妙な不協和音を奏でていた。どこかのバーでのItem Numberもストーリーにまったく馴染んでなかった。まあ、そういうのは普通だけど。
- #27「Gultoo」Janardhan Chikkanna/2018/インド/Apr. 8/INOX Lido○
- 題名は“Logout”のアナグラム。情報社会のこわ〜い話で、おそらく観客は単なるエンターテイメントとして楽しんでいるだろうが、程度はともかく、似たようなことは実際に起こっていると想像する。10億人分のSudhaar(だったかな?)ナンバーが盗まれるが、このことを知られると都合が悪いCMのAnantharamaiahが犯人の主人公の取引に応じ、世の中は平穏が戻ってくるという話。このCMが明らかに現Karnataka州CMを意識しており、会場には微妙な笑い声が響いた。あれに比べるとPMはあまり似てなかったな。序盤のカレッジでのシークエンスは理系学生の生活をミュージカル仕立てで描いてひいていたのだけど、カレッジを出てから面白くなった(ちょっと技術的に説明しすぎる気はしたが)。主人公である犯人(Naveen Shankar)とそれを追及する実は捜査官の恋人(Sonu Gowda)の駆け引きはスリリング。さて、盗まれたSudhaarナンバーは『Gultoo』という映画の中に隠されているらしい。再帰呼び出しだな。字幕あった。
- #26「Missing」Mukul Abhyankar/2018/インド/Apr. 7/PVR: Forum Mall○
- Missing? ならばTabu Searchで探索だ。後光が見えるほどの美人女優Tabuの新作は、メディアでは酷い評価を受けている。相手役がManoj Bajpayeeのせいか、かなり実験的な映画に見えた。こういうのはインドでは酷評されがち。舞台をモーリシャスのリゾートに限定、登場人物も全部で10人いないほど。ここで、Tabuの赤ちゃん行方不明事件の捜査が行われる。へたくそなBGMと中途半端なスリラー要素が鑑賞意欲を低減させるのだけど、展開が読めない分、そしてもちろんTabuの美貌ゆえ、諦めずに観られた。が、例によってヒンディー語(なんでモーリシャスでみんなヒンディー語なんだ、パルドン?)の会話が情報取得を妨害し、なぜTabuがManoj Bajpayeeに接近しコトに及んだのか肝腎なことがわからないまま終わってしまった。わはは。改めて観直すほどの作品でもないので、僕の頭の中でも永遠にMissingとなるであろう。新人監督さん、これにめげずに次作もがんばってください(スポンサーが付けばだけど)。
- #25「Rangasthalam」Sukumar/2018/インド/Apr. 7/PVR: PEPSI IMAX○
- ダンディー悪役Jagapati BabuがPresident(村長?)として長年支配する村を改革するために立ち上がる兄を助ける難聴者の青年をRam Charanが演じる、結構重厚、でもおおいにエンターテイメントな、3時間の長尺も許せる作品。親の七光りを感じさせない“Megapower Star” Ram Charanの相手役はSamantha。田舎の勝ち気な女性を演じてとてもよかった。元々コメディーもできる女優だったけど、結婚して一皮むけたかも。兄(Aadhi Pinisetty)のPresident立候補を支援する政党党首(?)にPrakash Raj。最近はいいひとの役が多いが、本作ではやらかしてくれる本来のPrakash Rajに戻ったのも朗報。しかし1980年代の地方選挙って、ドロドロだったんだろうな。ふんだんに盛り込まれるダンスシーンは背景が田舎なので、サリーのおばさんたちにルンギのおじさんたち、神さまも入り混じり、タミル映画かと思わせるような楽しさだった(これはテルグ映画)。タイトルクレジットにSrideviへのオマージュが出た。非IMAX。英語字幕あった。
- #24「Rajaratha」Anup Bhandari/2018/インド/Mar. 24/INOX: Garuda Mall○
- 僕は観ていないけどえらく評判のよかった『RangiTaranga』の監督の新作。主演俳優も同じ。なので、女優の方は『Raju Kannada Medium』に出てたAvantika Shetty、男優は知らないひと(Nirup Bhandari)。最近旬のKannada礼賛映画だが、パロディーとはいえ政治には辛辣な目を向けている。Karnataka州のどこかを出発しBengaluruを経由してChennaiに向かう長距離バスが舞台。『有りがたうさん』か、と思ったら主役は運転手ではなく乗客。物語進行はバス。で、その声がPuneeth Rajkumar。なぜか乗客が主人公の理系学生に関連のある者ばかりで、道中いろいろなエピソードがありながら、前から想っていた同級生の隣に座って親しくなっていくというもの。Nirup Bhandariの兄貴役にArya。Ravishankarが変な役で出てた。Sruthi Hariharanがニュースレポーターの役で特別出演。ここだけで満足。終わり方は賛否両論あろうが、僕は好き。嬉しいことに英語字幕が付いていた。でも、Pakoraをcookieと訳していたのはどうなの?
- #23「Raid」Raj Kumar Gupta/2018/インド/Mar. 18/INOX: Mantri Square○
- ボリウッドの『マルサの男』。Ajay Devgn主演。対する隠し資産家はSaurabh Shukla。時は1981年、所はLucknowで、実話ベースらしい。が、Ajay Devgnの奥さんがIleana D'Cruzというのは嘘くさい。わざわざ作った役柄だろうと推測。硬派な映画に序盤のイチャイチャは余計だ。80年代の雰囲気を出すため、車はアンバサダーかジープ。結構頑張ってはいたけど、Saurabh ShuklaがDelhiに行くのに出てきた飛行機がA320 neoだったのはダメダメでしょう。脱税のため資産を隠すのはどの国も同じらしい。ちゃんと税金払ってもいっぱいあるんだからいいように思うのだけど、この辺りの心情は庶民にはわからないものなのだろう。人手のかかるガサ入れよりさっさと紙幣を無効にしてしまうのが効率的なのはわかる気がした。面白かったけど最後に爽快感が残らなかったのは、Ajay Devgnがマサラパーンを使っていなかったからかもしれないな。Indira Gandhiと思しきPrime Ministerは一度も顔をカメラに向けなかった。
- #22「Tagaru」Duniya Soori/2018/インド/Mar. 17/PVR: Forum Mall○
- 字幕が付いたというので再訪。…なんだお、ないじゃんか。国歌もあるし。ぷんぷん。と怒ってもしかたないので、改めて鑑賞。前回のメモを書いた後にWebで勉強したのであらすじは把握していた。メモの間違いも。登場人物が最初から同定できるのは心強い。でも、やはり台詞がキーのようで細部がわからないのは無念ガロー。やはり時間を自由に入れ換えたシナリオがおもしろい。監督が書いているんだな。『Kendasampige』はよかったもんな。『Doddmane Hudga』は?だったけど。弟よりも兄貴の方が相性がいいらしい。Tagaruというのはあだ名のようだけど、だからといって頭突きばかりやったり、愛車Ford Endeavourに羊の絵描かなくてもいいと思うぞ。その代わり、POLICEステッカーが貼ってなかったようだ。ヒロインのManvithaは単に面倒くさい女としか思えなかった。KR MarketやCottonpetあたりでロケしているのは前も把握していたけど、今回は出てくるモールがGaruda Mallっぽいことに気がついた。
- #21「Lady Bird」Greta Gerwig/2017/米/Mar. 4/INOX: Mantri Square○
- 男性監督では到底無理そうな、少女の頑なさと心の揺らぎをいかにもアメリカっぽいタッチで描くSacramento愛に溢れた青春映画の佳作。残念ながらOscarは逃したようだ。SacramentoといえばCalifornia州の州都。一度だけLake Tahoeに遊びに行く途中で通り過ぎたことがあるが、ありふれた地方の街だったと思う。本作ではいたるところにこの街の風景が挟み込まれ、これが主人公Lady Birdの東部への憧れを強調している。このミッションスクール通いのあまり裕福でない家庭の女の子が、母親とぶつかり、ボーイフレンドや友だちとふれあい、18歳になったらPlaygirlを買って大人ぶり、NYの大学に旅立っていき、そこで初めて家庭(特に母親)やSacramentoへの愛に気づく。彼女を演じていたSaoirse Ronanはスレンダーでなかなかいい。どんなおばさんになるのか見え見えだけど。ボーイフレンドの祖母のお屋敷に招かれ、レーガンの肖像画を見つけて“冗談でしょ”と彼に言ったら“まじめだ”と返ってきたのがおかしかった。やっぱりCaliforniaっ娘だ。
- #20「Pari」Prosit Roy/2018/インド/Mar. 3/INOX: Garuda Mall○
- Anushka Sharma主演、自らプロデュースの、イスラム教を貶めているとしてパキスタンでは上映禁止のホラー。私生活ではこれを撮り終わってVirat Kohliとようやく結婚、おめでたい彼女である。僕はファンではないけれど女優としての彼女をかなり評価していて、苦手ジャンルにめげず観に行った。相変わらずプロの演技を見せてくれた。舞台はコルカタ。監禁状態で発見、保護されたAnusuka Sharmaが次第に狼少女のような本性を見せるようになり、これを知ったダッカ在住の黒魔術専門(?)の教授(Rajat Kapoor)がコルカタに彼女を捕獲にやってくる。超常現象的なものはあまりなく、脅し要素もほどほどなので僕の心臓は止まらなかった。黒魔術を使う集団はイスラム教徒とは違うと思うが、怪しい研究をしている教授がイスラム教徒だからまずいということなのだろうか。コルカタは特定できる場所は数ヶ所しかなかったけど全体としてコルカタ感はよく出ていたよ。すっぴんのAnushka Sharmaはソバカスがあってかわいく見えた。
- #19「Tagaru」Duniya Soori/2018/インド/Mar. 3/INOX: Mantri Square○
- Shiva兄貴が羊男になって時空をめぐる冒険に出る話。警官(Shivarajkumar)が恋人(Bhavana)を殺されて法を無視して復讐するあらすじなのだけど、とにかく時間軸を何重にも入れ換えてあって、字幕なしで着いていくのは至難の状況だった。この時間操作により、本作のサブスターであるはずのVasishta N. Simhaが序盤であっけなく死んでしまうのにびっくりした。Shivarajkumarがどんな状況でもスマホをいじっているのが不思議だったけど、これも後からわけがわかるしかけになっている。とまあ、シナリオはかなり凝っていて面白くはあった。恋人の妹(Manvitha)を半誘拐してなぜ旅に出るのかは最後まで理解できず、残念。字幕つけろ、字幕。悪役DaaliはいつもKingfisher ULTRA大瓶をがぶ飲みしていてうらやましい。Shiva兄貴はボーダーTシャツが好きらしい。失礼ながらあの風情でちょいと不似合いな気もする。幕間に流れるプニートとタマちゃんが出てるMajesticにできた服屋POTHYSのCFが楽しい。INOXだけ?
- #18「血觀音」楊雅喆/2017/台湾/Feb. 25/PVR: Orion Mall(BIFFES)○
- 一回の鑑賞ですべてが把握できない困った映画。ならばもう一度観るかと問われると微妙。時代は携帯電話の大きさから推測すると80年代後半。実業家の母親が地方の開発プロジェクトに絡む利権を掴もうと政治家を巻き込んだ工作を行うが、自分の身を守るためつぎつぎと犠牲者を出していくスリラー。中心はその母親とふたりの娘(ひとりは実は孫)。母親の冷血さが全面に出ているが、実は下の娘(孫)がもっと化け物だったという話。台湾語、北京語、広東語、日本語が入り混じり(と思う)、会話がどんどん進むので着いていくのが大変だった。なんで日本語が混じるのかわからなかったが、あとで確認したら林議員の妻に大久保麻梨子という日本人がクレジットされていた。街角(市場?)に蘇慧倫のポスターが貼ってあったのを見逃さなかったぞ。全体の流れを盲目の浪曲師(台湾では何というのだろう?)みたいなペアが唄いながら解説していて、この辺りの奇怪さが『ドグラマグラ』を僕に想起させた。
- #17「Paddayi」Abhaya Simha/2017/インド/Feb. 25/PVR: Orion Mall(BIFFES)○
- 西カルナータカ版『マクベス』。Tulu語である。まあKannada語との区別は僕にはつかない。港町を舞台に、漁師が欲に目の眩んだ妻にそそのかされ目をかけてくれた船主を殺し、船主の息子に殺される。欲張っちゃいけないよという、原作にかなり忠実と思われるあらすじ。この漁師が若き宮本武蔵を演じる錦ちゃんみたいな風情でなかなかよかったよ。“むむむ、俺は勝った”とか叫んでほしかった。撮影は半分ドキュメンタリーみたいな匂いを漂わせ船に乗る漁師たちを描写。網にかかった大量の小魚を引き揚げる様は圧巻だった。また、語り部に近い役割を担っていた劇団の演じる演劇も地方を巡業する駒十郎一座みたいなローカル感いっぱいで興味深かった。演目はさっぱりわからないけど。上映前には監督とスタッフがスクリーン前であいさつ。そのひとりがスマホで自分たちを撮り始めたのがインドだ。インド映画なのにインターミッションがなかったのは意外。本来どこにそれが入るのかも定かでなかった。
- #16「On the Beach at Night Alone」Hong Sang-soo/2017/韓国/Feb. 24/PVR: Orion Mall(BIFFES)○
- サンス、サンス、ホン・サーンス♪ 今年もホン・サンス作品が観られてハッピーである。最初は結構混んでるんだけど、上映中にどんどんインド人観客が退出していくのは昨年と同様。インド人と、呑む、吸う、キレるのホン・サンス作品との相性は頗る悪いようだ。それでも映画祭に入れるのはプログラムディレクターの趣味か。主演は監督の現在のディーバ(ファム・ファタル?)であるキム・ミニで、作品は舞台がハンブルグの前半と、韓国内の海辺の町の後半の2部構成。相変わらずの上記ホン・サンス節を堪能できるが、初期作品から比べるとずいぶん変わってきたなあと感じた。タイトルは相変わらずデザイン気のないシンプルなものだが、活字になった。昔はベッドシーンがあったが、なくなった。以前は酒(もちろん焼酎かマッコリ)を呑みながらタバコを吸っていたが、いまはタバコは屋外で(まあこれは法律の問題かな)。ハンブルグで彼女に時間を尋ねてくる韓国人男と海辺のホテルでベランダにいる窓拭き男の存在が謎だった。
- #15「四月の永い夢」中川龍太郎/2017/Tokyo New Cinema/Feb. 24/PVR: Orion Mall(BIFFES)○
- 当日までまったく知らなかったこの監督。1990年生まれ? その歳でこんな渋い作品撮っちゃうのか。3年前に恋人を亡くした元教師(朝倉あき)が、はっきりしない踏み切れない日々を過ごす。観客は何が問題なのかわからない。なぜ教師を辞めたのか、なぜ戻りたくないのか。舞台が国立から富山に移ってようやくことの次第を恋人の母親(高橋恵子)とともに知らされ(とはいえ、教職との関連は低いように思われる)、次の一歩への兆しをみせて映画は終了する。そういうことに拘るような人間には見えないのだが朝倉あき(このひと、いいね)のアパートがいやにレトロだったのにやや違和感。おそらく、未来の恋人(三浦貴大)の手ぬぐいづくりという職にトーンを合わせたのだろう。全篇ロケっぽく、彼女が通う銭湯も実在しそう。手ぬぐい工場(かまわぬ、らしい)からの帰り道、朝倉あきがイヤホンで音楽を聴きながら気分を高めるシーンは長い横移動。明らかに『汚れた血』だと僕なんかは思ってしまうのだが、どうなのかな。
- #14「Two Irenes」Fabio Meira/2017/ブラジル/Feb. 24/PVR: Orion Mall(BIFFES)○
- 小津系青春映画。固定ショット中心で、ローティーンの女の子が一歩大人に近づく夏を淡々と描く。フレーム内への犬の投入など、笑っちゃうくらい。ふたりで自転車に乗る移動シーンもあるよ。舞台はブラジルの田舎町で、13歳のペチャパイの女の子Irene(三千代と呼んでおこう)が、たまたま近くの町に同名同年齢のませた子(令子と呼んでおこう)がいて、その子の父親が自分の父親(雁治郎と呼んでおこう)だと知ってしまう。三千代(ほんとは葉子がしっくりくる)と令子が仲よくなっていく過程で、揺れ動き、雁治郎に反発しながらも、最後には共犯的に互いの現状を受け入れる。近い将来、三千代は初恋を知るだろう。ブラジル映画、実態がさっぱりわからないけど、本作を観るかぎりなかなかだ。父親がなぜふたりに同じ名前を付けたのかわからずモヤモヤ。二度ほど映画館が出てくる。上映されていた日本映画(おそらく未見作)が何か気になったけど、チケット売り場がよかった。特に二度目の売り場内側からのショットに監督のセンスを感じた。
- #13「Pad Man」R. Balki/2018/インド/Feb. 18/INOX: Garuda Mall○
- ファッションブランドの立ち上げとかで忙しかったのか、『Neerja』以来実に2年ぶりのSonam Kapoor出演作。33歳で美貌の絶頂期にある彼女にはもっと映画に出てもらいたい。Akshay Kumarが“Pad Man”と呼ばれる、町の発明家かつ愛妻家が妻が生理中不潔な布の中で5日間もじっとしているのを何とかしたいと一枚2ルピーの生理用ナプキンをつくり、インドでもっともイノベーティブなひとりと認められるまでを描く半伝記もの。社会的タブーに挑んだということで賞賛される一方、女性の社会進出を拒む文化では上映禁止となっているようだ。Akshay Kumarの妻役はRadhika Apteで、旧来のインド女性像を体現、MBA学生のSonam Kapoorとは対照的。ダンスもRadhika Apteは踊るが、Sonam Kapoorは踊らなかった。Akshay Kumarはあいかわらずうまい。製品化には検証実験が重要と、自ら試作品を身に付けわざわざ山羊かなんかの血を使って試験するところがおかしいが、正しい姿勢である。Akshay Kumar、オドモス使ってた。
- #12「Awe!」Prasanth Varma/2018/インド/Feb. 18/PVR: Forum Mall○
- チャレンジングなシナリオ。なかなかおもしろかった。テルグ映画界にもようやくヌーヴェル・ヴァーグが。タイムスリップ、同性愛、マジック、ドラッグ、現金強奪、殺人、ファンタジー、ホラー、コメディーなどたくさんの要素が詰まった5つ以上のエピソードがランダムに並び、ちょっと変わったオムニバスだなと思っていたら、すべてのエピソードは繋がっていて、しかもすべての主要登場人物は同一人物で、しかもそれはKajal Aggarwal (名前はカーリー)の脳内のできごとであった、という、あっと驚くしかけである。全体としてのメッセージは、最近のインド映画の傾向である“女性を大切にしよう”。こうやって女性問題を深刻に受け止めている分、実は日本より進んでいるかもしれない。Nithya MenenがKrishという名前で衝撃的に登場する。Payaが好きだと? おー、神様、神様、助けてぱぱーやー♪ コメディー部分にあのテルグコメディアンが出てこないことにも好感が持てた。字幕もあったし。
- #11「Chalo」Venky Kudumula/2018/インド/Feb. 12/Shanti Theatre (Hyderabad)○
- なぜこのヒンディー語タイトルが付けられたのかわからないテルグ語作品。ヒロインはSandalwoodからRashmika Mandannaを借用。もっともタミル人役だったが。SandalwoodからはAchyuth Kumarも出演。こちらはアンドラ人。主役はNaga ShauryaというR. Madhavanを若くしたような俳優で、この喧嘩太郎な青年がAPとTN州境の町に送られ、争いに巻き込まれると同時にRashmika Mandannaに一目惚れするというキャンパスラブコメディーである。もちろん、彼女はタミル側実力者の娘で『ロミオとジュリエット』の体。アンドラの側から見たタミル人の描写が興味深い。タミル人は皆シヴァ神を信仰する野蛮人のよう。笑いのネタなのだろうが、これ、TN州での評判が気になるところである。(公開禁止だったりして) Rashmika Mandannaは相変わらず可愛いくせして三枚目を演じられるので好印象だ。婚約解消しなさい。タミルナドゥって特異点(と思われている)と改めて感じた。そういう意味でケララと似てて、この2州は仲がいいのかも。
- #10「Aadhi」Jeethu Joseph/2018/インド/Feb. 4/PVR: Forum Mall★
- Mohanlalの息子のアクション。音楽ディレクター志望のマラヤリ青年Pranav Mohanlalがバンガロールにやってきていきなり殺人事件の冤罪で、殺された男の父親Jagapati Babuに狙われる話。Jagapati Babuに一本電話を入れれば話は収まると思うが、その発想はなく、なんとか本人に会って冤罪を晴らそうとする。音楽ディレクター志望なんてストーリーにはまったく関連ないので、単に主役の音楽的才覚を見せたいだけと思われる。冒頭のロールスロイスも然り。それはともかく、特撮を極力使わずスタミナを要求するアクションは迫力満点で好感が持てた。このひと、残念ながら顔は父親(カメオ出演してた)似でかっこよくない。とはケララ人は思わないらしく、拍手喝采だった。主人公を匿い助ける青年の姉役だったAnusreeが、いかにもマラヤリらしい顔立ちでよかった。舞台のバンガロールではUB CityやらWTCやらKR Marketが登場。まったく関係のない要素やあり得ない設定を織り交ぜながらもシナリオは面白く最後まで楽しめた。字幕あり。
- #9「Phantom Thread」Paul Thomas Anderson/2017/米/Feb. 3/INOX: Garuda Mall○
- 『存在の耐えられない軽さ』の(というのが相応しい紹介のしかたかどうかはわからないけど)Daniel Day-Lewisの引退作。60歳でまだまだこれから渋みが増すときに決断するとはかっこいい。時代は20世紀中盤。ロンドンで活躍する気むずかしいファッションデザイナーとウェイトレスあがりのモデルの育ちと性格の差を毒キノコが解消していく一風変わったラブストーリー、と書くとなんのことやらだが、落ち着いた映像と演技で緊張感のあるスペクタクルに仕上がっている。Daniel Day-Lewisの演技は卓越。その妹で秘書役のLesley Manvilleもよかった。いかにもブリティッシュな感じで背筋をシャキッと伸ばしカッカッと歩く姿は美しい。撮影も素晴らしかったけれども、序盤で見せる車の走行シーンをなぜやや早送りにしたのかは謎。カンナダ映画じゃないんだから。一方で、顔や料理のクローズアップはおもしろいと感じた。おいしいスコーンが食べたいなあ。毒キノコ入りオムレツはいらない。
- #8「Padmaavat」Sanjay Leela Bhansali/2018/インド/Jan. 26/PVR: PEPSI IMAX, Forum Mall○
- こいつのおかげでSonam Kapoor出演の『Padman』の封切りが延期になった問題作。きっと『Padma』まで同じだから客が混乱するのが理由だ(嘘)。ま、Aditi Rao Hydariが出てるからいいか。13世紀の北インドが舞台の時代劇。Shahid KapoorがRajputの王、Ranveer Singhが暴君Sultan。主役はRajput王の2番目の妻Padmaavatiで、演じるのはDeepika Padukone。Kajol並のつながり眉毛でがんばっている。Aditi Rao HydariはRanveer Singhの妻で、特別出演の割には出番が多かった。Padmaavatiを巡る2人の王の対決に対する彼女の行動がストーリー。『Bajirao Mastani』ほどではないにせよ、また豪勢なビジュアルが目を惹く。Holiを含む宮殿内のダンスはともかく、戦闘シーンは中国映画ばりに壮大。両軍が馬を走らせ激突する際に土煙が立ち上がる様がよかった。IMAX 3Dの効果は、まあこんなもんかな。エンタメとしては一級だけど、会話がわからないとなあ。OppoとVivoでセルフィー対決してほしかった。
- #7「Raju Kannada Medium」Naresh Kumar/2018/インド/Jan. 20/INOX: Central, JP Nagar○
- 『Hindi Medium』へのSandalwoodからの返歌ではない、カンナダ語へのlocal patrioticなコメディー。観た動機は、PVRでたびたび見せられる予告篇のパッチワーク映像からストーリーがまったく読めないこと、特になぜ主人公が無人島らしきところに白人女性といるのか不思議だったこと、それから一度行ってみたいと思っているManjarabad Fortが出てくること。無人島の理由はまあ予想どおりだったが、そこに至る展開はハチャメチャで結構楽しめた。人生で最も大切なものは何かと悩む主人公のRaju (Gurunandan演)が家族を失い親友を頼りカルナータカ州の田舎から出てきて、バンガロールで成功と引換に彼女Nisha (Avantika Shetty)を失うが…というお話。Sudeepが成功したビジネスマンとして特別出演、Rajuの偶像となってかっこいいところを見せていた。序盤でManjarabad Fortのほか州内の風光明媚なところを見せ、中盤ではバンガロールの都会ぶりを見せる。白人にまでカンナダ語を喋らせ、Kannadigaにはウケるだろうな。
- #6「Jai Simha」K. S. Ravikumar/2018/インド/Jan. 14/PVR: Forum Mall○
- もうNayanの新作来たよ。というわけで最近あまり観ないテルグ映画に出向く。主演はNTRの息子、Balakrishna。って、おっさんじゃないか。Narasimha (ライオン)というより、老いたスーパーマリオみたいだ。なんでNayantharaの同級生なのだ。この設定からして疑問。さらにNatasha Doshi、Hariprriyaを配して、華やかにしようとしているのだけど、可哀想に、このふたりのシナリオ的存在価値が皆無。懲りもせず出演のBrahmanandamの存在価値も皆無。それに、むだなDubaiロケ・ダンスシーン。なんだバックの砂漠で踊るチャラチャラした白人は。あ、でも踊れないLady Superstar Nayantharaの歩行ダンス(?)がまた見られてしあわせだ。これだけ。舞台が途中からTamil Nadu州のKumbakonamになる。なぜわざわざ隣の州に行ったんだろう? これ、純粋テルグ映画だよね。英語字幕は(少なくとも前半はまったく)なかったのだが、後半に入ってときどきその片鱗を見せてうざったかった。出すならちゃんと出してくれ。
- #5「Humble Politician Nograj」Saad Khan, Danish Sait/2018/インド/Jan. 14/PVR: Forum Mall○
- ときどき出てくる政治家コメディーの一本。金儲けのために政治家になったNograj (共同監督のDanish Sait演)が、選挙に出るため、勝つためには何でもやる。みんな(インド人限定)が考える典型的腐敗政治家である。バンガロールでも悩ましいゴミ問題、水問題、交通問題。すべてこいつが絡んでる。実際に全面そうだとは思わないけど、ちょっぴりはそうだと、誰もが思うよね。そのせいか、劇場内は笑いで一杯というより、結構みんな冷めて(あるいは複雑な笑みを浮かべて)観ていたように思う。終盤でNograjの演説が始まって、また演説映画かよ、と思ったら意外と(映画的に)いい結末でホッとした。Nograjが所属する政党(名前失念One Big Party?)のマークがカメレオンなのが粋だった。本部はなんと1MG Mallにあったぞ。真面目な選挙対抗馬の奥さんにSruthi Harihanan。あまり出番はなかったけど、相変わらずきれいだなあ。ややハスキーな声がいいね。でもなんでこんな映画に出たの? 英語字幕あった。
- #4「Sketch」Vijay Chandar/2018/インド/Jan. 13/INOX: Mantri Square○
- Tamannaah以外見どころのないVikram主演作品。ご機嫌なダンスを始めとするタミル感満載の前半はよかったのだけど、後半は息切れ。車泥棒組織のRowdyであるVikramが学校の先生(すなわちサリー姿)のタマちゃんに一目惚れし、彼女の心も掴むもののカースト違いで親に相手にされず。一方で、街の実力者から因縁の赤いFIATを盗んだら、仲間がひとりひとり殺されていき、最後にVikramも狙われる。なんでそうなるの、それ面白いの?という展開で、責任は脚本にあるように思う。せっかくのVikramがもったいない。で、頼りはタマちゃん。5年前、南インド映画のヒロインといえば、Samantha、Shruti Haasan、Kajal Agrawal、Amy Jackson、そしてTamannaahあたりが常連だったと記憶しているが、そのうち、かわいさではタマちゃんが一等である。なんといってもナチュラルだ。相変わらず顎の産毛が気になるけど(ナチュラルというよりワイルドか?)。新年4本目にしてようやく英語字幕付上映に巡り会えた。上映前に国歌がまだあったのが不満。
- #3「Chamak」Suni/2017/インド/Jan. 7/PVR: Forum Mall○
- おっさん、もといGolden Star、Ganesh主演のコメディー。しょうもなさそうだったけど『Kirik Party』のRashmika Mandannaが相手役で出てるので、ま、いいかと観に行った。案の定、しょうもなさそうな序盤だったが、Rashmika Mandannaの正体がばれて以降、とても面白くなった。どちらも正体を隠してお見合い結婚したけれど、実はふたりとも遊び人だったことがわかり、離婚騒動に発展、途中Sadhu Kokilaの意地悪があり仲直りの機を逸するものの、最後は“子はかすがい”の法則によりハッピーエンドというお話。シナリオの勝利だな。Ganeshの職業は産婦人科医。この設定は珍しい。インドの事情を考えればもっとあってもよさそうなものだ。遊び人姿も悪くなかったRashmika Mandannaは近所のきれいなお姉さんって感じなんだけど、時折Sonam Kapoorみたいな超絶美貌を見せて驚愕した。Nazriyaちゃんに続く若年での結婚は惜しい。しかし、年明けから3本連続で字幕なしとは、不運なり。やっけ?
- #2「Mayaanadhi」Aashiq Abu/2017/インド/Jan. 6/PVR: Phoenix Marketcity Mall○
- 『Njandukalude Naattil Oridavela』でデビューしたAishwarya Lekshmiと、記憶にないTovino Thomasが演じる元テッチー・カップルのラブストーリー+サスペンス。甘いラブストーリーとシャープなサスペンスはゆるく繋がっていて、そのバランスがよかった。コメディ要素も皆無。インド映画をベースとしない監督の志向性が感じられる。舞台は3州に跨がり、Madurai、Kochi、Mangalore。動き出したKochiメトロは、もう街のシンボルだ。Aishwarya Lekshmiはなかなか大胆なキス(&ラブ)シーンを見せていて、これがTrishaだったらなかったのではないかな。(こういうシーンで子供が騒ぐのはどこの国も同じだ。インドでは大人も騒ぐことがあるが、本上映ではなかった。) ちょっぴりPriyanka Chopraを思わせる表情もあり、今後、大人の女優として躍進しそう(ま、好みじゃないのでどうでもいいけど)。撮影がいいと思った。特に主役ふたりの大学時代の想い出シーンはきらきらしてた。字幕がなく、背景がよく掴めなかったのは大変残念。
- #1「Mayurakshi」Atanu Ghosh/2017/インド/Jan. 1/Star Theater(Kolkata)○
- 新年一本目はベンガリ作品を本場で。当然字幕なし。ベンガリ映画常連のSoumitra Chatterjeeと『Zulfiqar』に出てたProsenjit Chatterjeeの共演で、父子のふれあいを描く静かな作品。やっぱ、ベンガル人ならChatterjeeだよねー。ベンガリ映画はSatyajit Rayの影響か、こういうハイソ狙い(?)の良質な作品が結構ある。アメリカに住んでいる息子が、コルカタで老いて呆けかけている元大学教授の父親と過ごす一週間。息子は有望視されていた元クリケッターらしい。コルカタのクリケット熱は他の街より伝統的に高く、歩いていても本格的なクラブがいくつもあったもんな。会話がわからないので(またか)詳細は追えなかったのだけど、久しぶりに会って記憶までなくしつつある父親を愛おしむ息子の情感は十分に伝わってきた。父親と同居のSudipta Chakraborty (この女優がどういう関係の役柄なのかさえわからず)はちょいと劣化した(失礼) Samanthaって感じだった。ハイソな作品の割に、観客の行儀はバンガロールのシネコンより悪かったよ。
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Updated: 12/30/2018
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