[↓2020年]

2021年に観た映画の一覧です

星の見方(以前観たものには付いてません)
★★…生きててよかった。
★…なかなかやるじゃん。
○…観て損はないね。
無印…観なくてもよかったな。
▽…お金を返してください。
凡例
#通し番号「邦題」監督/製作年/製作国/鑑賞日/会場[星]

#42「Marakkar: Lion of the Arabian Sea」 Priyadarshan/2021/インド/Dec. 5/PVR: The Forum Mall, Koramangala○
Mohanlal主演の時代劇。16世紀のKeralaで迫るポルトガルに対しインド(?)の独立を守るために戦ったKunjali Marakkar伝説の映画化である。25年越しの企画だったらしい。というわけで、Kunjali Marakkarも25歳老けている。だからか、若い頃の姿は息子(Pranav Mohanlal)に任せた。こういう西洋を悪とするストーリーはわかりやすく観客の共感を得やすい。ポルトガル人、英語ではなくちゃんとポルトガル語を喋ってもらいたい。(Kunjaliを“くんにゃり”と発音するひとと“くんじゃり”と発音するひとがいて興味深い) Keerthy Sureshと恋仲になるクンフー使いの中国人はJay J. Jakkritというひとが演じている。北京語だった。『Baahubali』からか、最近のインド時代劇には付き物のあり得ない兵器は本作でも健在。海戦シーンとかスケール大きくてほんとテルグ映画のようだった。国威昂揚の意図もあるだろうがNational Film Awardをもらうだけのことはある、見応えありのマラヤラム語作品。字幕あった。Manju Warriorの子供に父親がいない理由がわからず、無念。
#41「Madhagaja」 S. Mahesh Kumar/2021/インド/Dec. 4/INOX: Mantri Square○
ビジュアルや音楽が『K.G.F』を連想させる、そういう意味でDarshanの『Roberrt』に似ている、と思ったらオープニングにDarshanへのAcknowledgmentが。新聞によりますと、以前Darshanも同タイトルを予定していたのをSriimuraliに譲ったらしい。『Roberrt』がそうだったのかな。Sriimuraliのかっこいいポスターが気になっていたのだけど、そのコスチュームはダンスシーン専用だった。そう、本作にはDarshanと同じくYashと比べるとあら〜って感じのSriimuraliが踊る姿もある。132分というカンナダ映画では驚くべき短尺で、父親のJagapathi Babuも最後まで生きていてめでたかった。Ashika Ranganath登場シーンのサービスショットもよかったよ。ま、添え物だしね。舞台の半分はVaranasi。Sriimuraliも少しヒンディーを喋っててアッチャー。Ragi ballの食べ方を知らなかったのは、あるあるギャグ。無事に英語字幕あった。
#40「House of Gucci」 Ridley Scott/2021/米/Nov. 28/INOX: Lido○
Gucciなどというブランドにはまったく興味はないが、監督名と配役、そして予告篇に出てくるランボルギーニ・カウンタックとBlondieの『Heart of Glass』で劇場に出かけることにした。そしてこの世界的ブランドの裏側のドロドロした人間ドラマを興味深く観た。大まかには事実らしいので、なおさらである。なんといっても出色はJeremy IronsとAl Pacinoの共演。これを可能にしたのはRidley Scottの力だろうか。Al Pacinoが喋る日本語に不意をつかれた。“御殿場のモール”ってアウトレットじゃないの? Lady Gagaをちゃんと見たのははじめてだけど、いやらしい主人公Patriziaを好演していた。歌手だけじゃなくて俳優もいけるらしい。Adam Driverは高級な服を着ても雰囲気はパターソンと変わらない。劇中ではカウンタックのほか、ポルシェ928やらフィアット124 Spider (600も)やらマセラティ・カムシン (だったかな?)とか出てきて楽しかった。カウンタックの走るシーンがなかったのは残念だけど。英語字幕あった。
#39「Maanaadu」 Venkat Prabhu/2021/インド/Nov. 27/INOX: Garuda Mall○
主人公が死ぬたび一定の時点に戻り、主人公は経験を踏まえてやり直すことができる、といういわゆるループもの。本作の工夫はあるできごとから敵も同じ時点に戻ってくるようになるところか。この主人公を演じるのはSilambarasan T. R.、NayantharaのかつてのボーイフレンドSimbuである。てことはどうでもいいのだが。恋人が他人と結婚してしまう親友を助けるためDubaiから帰ってきた主人公が州首相暗殺計画に巻き込まれ、なぜかこれを阻止するべく何度も死んで奮闘する。舞台はCoimbatore。主人公はムスリムで、時間が戻ってくる飛行機の中で隣にいる女性(Kalyani Priyadarshan)はヒンドゥー教徒。彼女のアドバイスが重要っぽく、宗教間の絡みもポイントだったようだ。ようだ、というのは字幕がなかったから。INOX、時間を戻してやり直していただきたい。しかし、死んだら時間が戻るって不死ってことで、意図せず死んじゃっても同じことを無限にやり直さなくてはいけない。これこそ地獄だね。
#38「Eternals」 Chloé Zhao/2021/米/Nov. 21/PVR: The Forum Mall, Koramangala○
Nomadland』のChloé Zhaoが今度はMarvel作品を撮るってんで興味津々。マ・ドンソクが出るというのも話題で、またMarvelを観てしまった。こないだの『Shang-Chi』のような世界が展開されるとChloé Zhaoのことなど忘れた。Eternalsは10人いるのだが、ひとりがインド人(Kumail Nanjiani; パキスタン系米国人らしい)でBollywoodスターというのが意外。で、そいつの付き人であるインド人のおっさん(Harish Patel)がインド英語を喋るなどふたりでコメディーパートを担当して、ドンソク兄貴よりこっちが見どころだった。インド人観客も笑っていたので侮辱的とは捉えられていないようだ。中心となるSersiを演じるGemma Chanがきれいだった。物語はスケールが想像を絶する大きさ(といってもインド神話とどっこい)で、そんな大きな話をする人たちがなぜ人間の格好で英語喋るん?という古典的なツッコミを心でしてしまうのであった。開映時、3Dの再生モードが配られたグラスに合っておらず大混乱。15分程度遅れ。もちろん謝罪なし。英語字幕あった。
#37「Garuda Gamana Vrishabha Vahana」 Raj B. Shetty/2021/インド/Nov. 20/INOX: Central, JP Nagar★
Raj B. Shettyの新作。兄弟同様に育てられたShiva (監督自演)とHari (Rishab Shetty)がMangaloreで自分たちの組を結成するが、やがて仲違い、内部崩壊する過程を描く超硬派な作品。役のある女性はひとりしかいない(Hariの母親)。もちろんA rated。とにかくShivaがチバちゃんみたく凶暴。獲物の靴を奪って履くという趣味があるのがおかしくも効果的。警察、というかひとりのSenior Inspector (Gopal Krishna Deshpande)が絡むのだが、こちらのエピソードはユーモラスで息抜きになる。(まあ監督の顔もある意味いつも息抜きだが) 撮影がとてもいい。Praveen Shriyanというひとですね。ワンカット、ワンカット、引き込まれる。現代的な手法を駆使しながら、スティル・カットを重ねる小津っぽいのも。そのくせドローンは、使ってたかもしれないけど、これドローンだな、と思った箇所はなかった。見応えのある作品だったな。カンナダ語。白くて見やすい英語字幕あった。久しぶりのINOXで開映前の国歌あり。じゃやじゃや。
#36「Kurup」 Srinath Rajendran/2021/インド/Nov. 14/PVR: The Forum Mall, Koramangala○
実在の犯罪逃亡者Sukumara Kurupを題材とした犯罪ミステリー。どこまで事実なのかはわからないが、ほんと映画的な犯罪者がいたもんだ。主演はDulquer Salmaan。主役とはいえこのひとが悪役というのはなじみがなく、しっくりこない。前半の空軍に入ったばかりのやんちゃなところや恋愛〜結婚のところは、らしかったけどね。奥さん役のSobhita Dhulipalaは必要以上に色っぽかった。事件を追っていた警官が退職する際に部下が事件簿を開くことで進むシナリオはいまひとつ。時間軸がグルグルして追うのがちと大変で、グルグルすることで真実が観客に段階的にわかるしかけになっている。舞台にBombayあり。またまたKoolarやらBritanniaやらがロケで使われていた(気がする)。身代わりに殺されるTovino Thomasの奥さん役でAnupama Parameswaranがチラッと登場。多髪テロリストの面影はなかった。場内は大盛り上がり。どうやら誕生パーティーの一環でやってきたグループがいたようだ。どこもかしこもパーティーか。だいじょうぶかな。マラヤラム語作品。英語字幕あった。
#35「Enemy」 Anand Shankar/2021/インド/Nov. 13/PVR: Orion Mall○
VishalとAryaという主役級俳優の共演で、どういう話なのか気になるので観に行った。ふたを開けてわかったのは、大方の舞台がシンガポールだということでウキウキ。Little Indiaあたりを中心にVishalとAryaが対決する。とはいえ、Marina Bayあたりの映像以外はシンガポールに見えず、一応Serangoon Roadとか言ってたけどセットと中東あたりがロケ地ではないかと思われた。華人やマレイ系の登場率低いし。シンガポールのタミル人コミュニティをフィーチャーする映画はときどきあるね。Madrasから見てもあそこは特別な場所なのだろう。悪者といえば中国(かパキスタン)というのはインド映画の紋切りである。Vishalはこれまでの鋼鉄のような無敵さとは少し違う印象で、どうやらヘアスタイルとファザコン設定のせいだった。Aryaはあまり観たことないけど、まあいつものAryaだった。Ootyが舞台の序盤にAryaの父親で元CBIオフィサーとしてPrakash Raj。こないだのラジニ映画でも感じたけど往年のキレがなくて淋しい。観たのはタミル語版。英語字幕あった。
#34「Annaatthe」 Siva/2021/インド/Nov. 4/Prasads: Large Screen(Hyderabad)○
COVID-19パンデミック第2波終息&ディワリ休みを狙って公開されたSuperstar Rajinikanth新作。一度来てみたかったLarge Screenでの公開初日鑑賞となった。Nayantharaが出るし後半の舞台はKolkataだしで大興奮である。Nayanのほか、往年の相手役MeenaとKhushbu、それからKeerthy Sureshも出演するという、ラジニならではの豪華女優陣。まあ相手役とはいえNayanの役柄は相対的に小さいし、Kolkataは有名なスポットが象徴的に映される以外はセット撮影。でもあの無骨なトラムを再現してDurga Pujaのなかを走らせるセットはなかなかよかったよ。ごきげんなタミルダンスもふんだん。特筆すべきはダンディーじゃがバタさん(Jagapathi Babu)。なんかね、ダンディーのかけらもないワイルドでぶっとんだ悪役。な割にあっさり死んじゃった。と斯様にクラシカル(?)なタミル映画を堪能したのであります。場内ももちろん盛り上がっていた。肝腎のLarge Screenは、体感的にはPVR KoramangalaのIMAXスクリーンと変わらなかったかも。
#33「Salaga」 Duniya Vijay/2021/インド/Oct. 24/PVR: The Forum Mall, Koramangala
Duniya Vijayの初監督作品で主演もこいつ。すみません、こいつのどこがいいのかさっぱりわからない。殺人をまったく苦にしない残虐な主人公への感情移入は不可能。やむない事情でクライマックスに入る前に退場したので結末はあとで聞くまでわからなかったのだが、なぜ主人公がこうまで凶悪なのかは回想シーンでわかった。でも感情移入は不可能。対抗するオフィサーを普段はRowdy役の多いDhananjayが演じていたのは見どころ。ヒロインらしきSanjana Anandは見るからにSandalwoodくさかった。(褒めてるのだが、好みからは180°方向が違う。) 彼女も踊る妙なダンスシーンが二度あった。少し前まではたくさんあったこういう垢抜けないカンナダ映画は減っている。そういう意味でいま価値があるのかもしれないな。舞台はバンガロールで、KR Marketが重要なロケーション。内部はもちろん、上空からのドローン撮影もよかった。字幕なかった。これも旧来のカンナダ映画の一属性だね。
#32「Dune」 Denis Villeneuve/2021/米/Oct. 24/PVR: The Forum Mall, Koramangala○
こういう作品はやはりIMAX 3D。カードのディスカウントも入れるとひとり300円ちょっとで観られちゃうのはお得。3Dグラスは紙袋に入れて配付。サニタイズしてんのかなー? で、始まるといきなり“Part One”と出て、なんだそれ聞いてないモード。すみません、原作読んでないし、David Lynch版も観てないので。スケールは大きいが派手さはないのは好印象。砂嵐なのか自分の吐息なのか画面が曇ること多数。SFで出てくるメカは動力が何なのか気になる。まさか“Spice”じゃないよね。あのトンボみたいな乗り物、羽根をばたつかせて飛ぶと金属疲労が激しそう。登場人物もほとんど食べない。あ、これは“Spice”が効くのかも。1965年の小説ベースとはいえ、こうも善悪がはっきりしているのは前時代的だし、いかにもアメリカ的な欧州中世への憧れが感じられた。Rebecca Fergusonがきれいなのはいいとして、驚きのCharlotte Ramplingと張震出演。張震と主人公は北京語で会話してた。英語字幕あった。Part Twoはいつだろう?
#31「Mughizh」 Karthik Swaminathan/2021/インド/Oct. 9/PVR: Orion Mall○
3人家族と1匹の犬をめぐる小品。父親にVijay Sethupathi (兼プロデューサー)、母親に苦手なRegina Cassandra、娘にSreeja Vijay Sethupathiなるクレジットの少女。父親似でも気の毒だが、似てないな。アイドル映画ではなく親バカ映画ということでOK。犬嫌いの娘をもつ家庭に仔犬がやってきて、生活が一変、そしてまた一変。娘は少しだけ成長し、それを知る両親も少しだけ理解を深める。やんちゃだったVSPもいまや穏やかなおじさんである。犬はビーグル犬で、名前はScooby。幼犬時と成犬時で2匹使ってたけど、どちらもVSPの本当の飼い犬だろうか。じゃないと撮影が難航しそう。Regina Cassandraが娘につくるお弁当で、チャパティにkissanのジャム塗ってロール化したものを入れていた。kissanじゃなければちょいとおいしそう。たった1時間2分の映画にインターミッションをむりやり入れるPVRはけっしからん。観客はまばら。入場に際しワクチン接種証明不要(先週は必要だった)。英語字幕あった。
#30「No Time to Die」 Cary Joji Fukunaga/2021/英=米/Oct. 3/PVR: Gold, Vega City○
Daniel Craigの007引退作らしい。監督は日系人かな? それでだかどうだか、悪役(スペクターではない)が能面を付けてたり、そいつの秘密基地が日本(とロシアの間)にある第二次大戦時の要塞島にあって畳が敷いてあったりして、忍者こそ登場しないものの『007は二度死ぬ』と遠く通じていた。『Spectre』のときも思ったけど、このシリーズはその伝統をリスペクトしてうまく作ってある。その前作ではキスシーンがインドではカットされたが、6年経ってこの国も大人になったようだ。ボンド登場はイタリアで、クラシックなAston Martin (右ハンドルの外車だ)がかっこいい。追っ手の四角いMaseratiも渋かった。一方でボンドが機関銃をガンガン使うのには違和感があるのはこちらのわがままだろうか。最後までワルサーPPKでいってほしいよなあ。結末にはちょっとびっくり。つぎのボンド役は誰だろう。日本が絡んでいる割に東洋系の役者がいなかったのは気になったな。英語字幕なかった。
#29「Thalaivii」 A. L. Vijay/2021/インド/Sep. 10/PVR: The Forum Mall, Koramangala○
お隣タミル・ナドゥ州のかつてのカリスマ州首相(CM) Jayalalithaaの半生を追った非常に興味深い作品。出演陣も豪華でエンタメ性も高いので(しかも英語字幕あったし)とても楽しめた。JayaさまにボリウッドからKangana Ranaut、MGRにArvind Swami、M. KarunanidhiにNassar、R. M. VeerappanにSamuthirakaniときたもんだ。同州の政治の歴史のお勉強にもなる。女優JayalalithaaがスーパースターMGRの影響でどうやって政治家に、カリスマAmmaになっていったのか、なるほどねえ。まだ彼女が存命の頃、タミル・ナドゥに行くと至る所にAmmaの肖像画があって異様に感じたことを思い出した。(どの州に行ってもCMの写真で溢れているのはインドでは普通。基本、為政者側が自己宣伝でやっている。が、あそこは違ってた。) MGRがなぜいつもサングラスにコサック帽なのかはわからなかったな。ところでJayaさまモノとしてNithya Menen主演のも撮られていたと思うけど、どうなったのかな。体型ならNithyaちゃんの方が似てるけど本作には勝てない気がする。
#28「Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings」 Destin Daniel Cretton/2021/米/Sep. 5/INOX: Mantri Square○
Marvelがつくると『一代宗師』もこうなる。梁朝偉が無敵かつ不死の師父として登場、楊紫瓊も出ててなんだか気になるし、最近ときどきみるAwkwafinaはサバサバタイプの女優でいわゆる可愛こちゃんとは異なるが結構好感もってるので観てきた。主役の劉思慕とか妹役の張夢兒とか全然知りません。“Shang-Chi”は“尚氣”らしいのでピンインではShangqiだがQの読み方が英語的でないので変えたんだろね。思いがけなく懐かしのSan Franciscoや澳門が出てきて本格(?)カンフーも味わえる序盤は楽しかった。でも梁朝偉は詠春拳を使わない。CGバリバリ怪獣ものファンタジーになってしまった終盤は疲れた。妙なギャグ(機内食の話とか)をときどき繰り出すし、Marvelってこんななの? 場内はMarvelファンで賑わっていて(50%キャパがほぼ満席のIMAX)僕にはわからないポイントでウケていた。最後に出てくるキーワードがKumar Tajって、インドか。英語字幕あった。北京語部分にも英語部分にも。
#27「Reminiscence」 Lisa Joy/2021/米/Aug. 28/INOX: Garuda Mall○
久しぶりにバリバリのアメリカ英語を聴いて頭が痛くなった。英語字幕が欲しかった。(インド英語吹き替えでもいいな。) Hugh Jackman主演で、温暖化が進んでヴェネツィアみたいに海に浸かったマイアミが舞台の、雰囲気は『ブレードランナー』な近未来SFもの。ひとの記憶を掘り出すサービス(本人も思い出すし、それがホログラフィーで他人にも見えてメディアに記録できる)をやっているHugh Jackmanがファム・ファタル(Rebecca Ferguson)に出会うが、女は消え、男は記憶を辿り女を探す。観ている映像が現実なのか記憶なのか観客を惑わすしかけは古典的で、古典的といえば確かにプロットは遠く『マルタの鷹』につながっている気もする。すごく面白いわけでもないが、つまらないとも思わなかった。Daniel Wuなる中国人俳優が出てた。彼がときどき発する“朋友”や“是我的”のような中国語がひどく懐かしく感じたよ。舞台をまんまムンバイに移してリメイクが作れそうだったな。
#26「Bell Bottom」 Ranjit M Tewari/2021/インド/Aug. 22/INOX: Garuda Mall○
ふた月ぶりの映画館は50%キャパだったが実際には僕らふたりだけの貸切で感染リスクゼロ。Akshay Kumar主演の元々はRepublic Day (1/26)公開を狙った国威高揚ものでインドのRAW対パキスタンのISIという国家情報組織間の争いを1984年に発生したIndian Airlinesハイジャック事件をネタに描いた新作である。カタールなど中東3カ国で上映禁止になったのは、人質が解放されたドゥバイ空港でのできごとが史実とは異なっていることかららしい。エンタメゆえとはいえ、こういう国際のことはちゃんとした方がいいと思うよ。Akshay Kumarはもちろん人質解放作戦のリーダーでコードネームがBell Bottom。だからといってベルボトムを穿かなくてもいいのに変(史実ならやむなし)。上司役にだいぶ歳とってきたAdil Hussain。奥さん役にVaani Kapoorという苦手系(あのKapoor一族か?)。この奥さんのオチも不要(史実ならやむなし)。Indira Gandhi (Lara Dutta)やサッチャーが出てきてある意味楽しかった。各所の詰めは甘くともボリウッド印が免罪符。英語字幕あった。
#25「1秒先の彼女」 陳玉勳/2020/台湾/Jun. 27/ヒューマントラストシネマ有楽町○
陳玉勳の作品はどれも世間から一歩引いた男(というより世間に一歩引かれた男)が出てくる。監督本人がそういう自意識を持っているのだろう。本作では、その主人公の男はなんでも他人よりワンテンポ遅く(つまりトロい)、もう一方の主人公の女はなんでも他人よりワンテンポ早い(つまりせっかち、を超えている。ドレミファドンに出場すべき)。男は欣欣客運の運転手、女は郵局員。で、女の七夕情人節(七夕がバレンタインデーなのって台湾だけ?)が消えてしまう(原題が『消失的情人節』)。それってどういうこと? そのからくりを書き留めることはしないが、そういう考え方は哲学的におもしろいと思った。男の方はたっぷりと情人節の1日を楽しむ。こういう場合に悲劇が待ち受けているのは永遠の紋切り型です。女の母親が新竹で米粉製造所をやっていて、娘に食べさせていたシンプルな米粉がおいしそうだった。郵局の中の様子は日本の郵便局とそっくりだね。前からそうだったかな? 『夕霧花園』の林書宇が出てた。『夕霧花園』観たいなあ。
#24「アンドレイ・ルブリョフ」 アンドレイ・タルコフスキー/1971/ソ連/Jun. 27/ユーロスペース○
初回観賞では、アナトリー・ソロニーツィンの顔とエピローグのあっと言わせるしかけとともに、とにかく長くてタルちゃん印の睡眠導入剤が投入されたことを強烈に記憶している。そんなわけで観るのが億劫になって35年の月日が流れた。今回のタルちゃん特集では『サクリファイス』を観たいと思っているのだがスケジュールが見えないので、本作に重い腰を上げた次第。モスフィルムのオープニングにまず興奮。そして、タルちゃん記号が満載なことに長尺も気にならず(まあこれは別の理由もあるが)、苦悩するルブリョフの姿を拝んだ。タルちゃん映画の主人公の男は苦悩しなくてはならない宿命である。長編2作目にして相当の予算を使っていそう。よほど『僕の村は戦場だった』の評判がモスクワによかったのだろうな。で、あの全裸異教徒集団のシーンで逆鱗に触れたと。当時このようなエキストラはどうやって集めたのかな。謎の国、幻の国、ソ連。
#23「獅子座」 エリック・ロメール/1959/仏/Jun. 20/ル・シネマ○
この60年前に撮られた映画は30年前が初見だった。当時はまだパリに行ったことがないか出張で初めて行ったあとかという感じで(わはは、忘れた)、純粋にあのロメールのデビュー作として観賞したと思う。で、いま観るとこれはまさにパリが、街が主役の映画。Paris Match記者の親友は取材出張、他の知り合いはみんなバカンスに行ってしまったパリ祭の最中に一文なしになってしまうセーヌ左岸に住んでいた風来坊がホームレスとなり街を彷徨う。サンジェルマン・デ・プレ、ムフタール街、ポン・ヌフ、アンヴァリッド、モンマルトル。フロールにドゥ・マゴ。メトロ1号線。いまとそんなに変わらない。サ・セ・パリである。行きたいな。その後の作品とはまったく趣が違うわけだが、女の子の描き方には通じるものがある。冒頭の自宅パーティーには、誰にもわかるようにゴダールが招かれていて、変人な振る舞いをしていた。
#22「オー!スジョン」 ホン・サンス/2000/韓国/Jun. 12/ユーロスペース○
第3作はモノクロ作品。タイトルが手書きになった。以前ネット配信で観賞済(英語字幕)。章立てだが、全体としては前作同様二部構成になっている。しかもこちらは同じ話を視点(つまり男女それぞれの記憶)を変えて描いており、これが生み出すストーリーのゆらぎが心地よい。主人公で欲望のあいまいな対象となるスジョンは高橋ひとみ似。声がいい。ロープウェイ(Cable carと看板も出てたけど、あれはどこから見てもロープウェイだ)が停電で止まるとスジョンの回想が始まる。主要登場人物に冴えない映画監督がいるものの、彼の助手であるスジョンの主な相手は彼の後輩である堺雅人似の金持ちボンボンで、ゆるい三角関係をつくる。この3人が飲むわ飲むわ。キレるし。すでに完全にホン・サンスワールドを確立しているな。サンス、サンス、ホンサーンス♪ しかし『Virgin Stripped Bare by Her Bachelors』という英題は身も蓋もないね。スジョン役だったイ・ウンジュはこの後24歳で自殺したらしい。R.I.P
#21「カンウォンドのチカラ」 ホン・サンス/1998/韓国/Jun. 12/ユーロスペース○
『カンウォンドの恋』だとずっと思ってたのにいつの間にか『チカラ』に変わってた。こっちの方が原題らしい、ホン・サンスの初期作品(第2作)で未見だったもの。いかにも監督好みのスレンダーな女の子が主人公。友人と江原道のリゾートにやってきて警官に出会う話がまずある。その後で、元恋人(当然大学教授、ま、映画監督でもいいが)の話が出てきて、やはり江原道にやってくる。実は時間差はなくて、ふたりが微妙にすれ違うのを観客は目撃する。ここは『甜蜜蜜』っぽいね(ちょっとだけね)。ついでに殺人事件(?)もある。北東部だけあって、ロシア娘もいる。相変わらずの、というか、やはり初期からホン・サンス節が炸裂。女の子も呑んだくれるし、キレる。あ、でも例のズームはなかった気がするぞ。テレビで日本の相撲をやってた。へえ、見られるし、見るひといるんだ。
#20「まばたかない瞳 バンガロール連続誘拐殺人」 R. Ajay Gnanamuthu/2018/インド/Jun. 5/キネカ大森○
ひと月半ぶりの映画館は日本、作品はタミル映画『Imaikkaa Nodigal』である。日本語字幕が付いていて、3年前に観たときにわからなかったことが、よぉ〜しわかった。AtharvaaとRaashi Khannaのパートはいまひとつ説得力がない一方、Anurag Kashyapの狂人的動機と、過去に殺したはずの犯人を名乗る謎の人物の登場を苦々しく思うNayanとの戦いは見応えがある。まあどんでん返しは二度目以降の観賞ではインパクトに欠けるが、それは製作者の責任ではない。ロケ地のいくつかはよく知っているところなのは前回思ったが、それに今回Victoria Hospitalが追加された。(とはいえちゃんと確認しないと。雰囲気は似てたけど別の場所かもしれない) New Victorian Hospitalってのはやはり存在しない気がするな。Nayanthara出演作品ってどれくらい日本で上映しているんだろうか。ブレイクしなくていいけど、せめてSamantha程度には認知してもらいたいな。
#19「Minari」 Lee Isaac Chung/2020/米/Apr. 18/PVR: The Forum Mall○
Burning』でビニールハウスを焼いていたSteven Yeunが、韓国の菅井きん、ユン・ヨジョンに仕返しで納屋を焼かれる話。監督自身の回顧録らしい。1980年代の米国はOkrahomaの田舎に移住してきた韓国人家族が将来への希望を掴むまでを描く。心臓病の子供Davidが監督だな。父親(Steven Yeun)は土地を開墾して韓国(アジア)野菜を育て始める。自然が相手の農業はほんと大変。失敗する1 centにもならない。それで奥さんとはいつも諍い。そこに韓国から奥さんの実母を呼び寄せる。演じるのがユン・ヨジョン。この何もできないばあさんがDavidに持ってきたみやげが花札。花札って日本固有じゃないの?植民地時代に持ち込まれたのかな?そんな気になるエピソードも入れ、異国でもがきながらミナリ(セリ)のように逞しく生きる家族を静かなタッチで描いた佳作であった。Brad Pittの会社、やるじゃん。韓国語のところだけ英語字幕あった。
#18「The Mauritanian」 Kevin Macdonald/2021/英=米/Apr. 11/PVR: The Forum Mall★
"This is a true story"と冒頭で宣言する。911関与の疑いをかけられモーリタリアで拉致されキューバの悪名高いグアンタナモに収監されて、無実を勝ち取るまでに10年、そこから釈放までにさらに数年過ごしたMohamedou Ould Slahiの実話。彼の弁護人が主人公として描かれている。演じるはJodie Foster。彼女とは縁がなくてスクリーンで観るのは『タクシー・ドライバー』以来じゃないだろうか。つまり大人になってからの彼女は観たことがなかったわけだ。まだ若いのに肌の老化が痛々しいのは白人だからかな? 演技は確かなのでCharlotte Ramplingみたいに素敵なおばあちゃん女優になってもらいたい。そんなことはともかく、いかに911についてアメリカが血眼に、ある意味発狂していたかがビジュアルにわかる。アメリカでのウケは悪いだろう。Slahiに対する拷問シーンは最大の見どころ(?)だろうが、長らくインド映画を観ているとあれくらいは普通なのであまり響かない自分に困惑した。字幕なかった。
#17「Karnan」 Mari Selvaraj/2021/インド/Apr. 10/PVR: The Forum Mall★
National Film Awardももらって、もはやインドナンバルワン俳優と言ってよいDhanushの新作。最近続いている健さんモードの、我慢のあと(ん、今回はそうでもないか)のリベンジ爆発もの。タミルの地方でバス停がない村の悲劇を描いている。タイトルバックからインド映画らしからぬアートな雰囲気が漂うが、始まるといつものDhanushだ。若いときはヒゲなし、歳とるとヒゲあり。警察権力に対する村をあげての抵抗はタミル版『七人の侍』かという予想を裏切り、最後にはDhanushがひとり極悪ポリスオフィサーに斬りかかっていくのであった。こんな内容でも何度かダンスシーンがうまく組み込まれていた。相手役は『June』のRajisha Vijayan。今回はParvathyをきれいにした(失礼)感じに見えた。Dolby Atomosの音も良好。字幕あった。
#16「Yuvarathnaa」 Santhosh Ananddram/2021/インド/Apr. 4/PVR: The Forum Mall
親の七光りPower Star Puneethの新作。COVIDの再燃で50%キャパにした劇場をむりやり100%キャパに戻させるという悪行の末の上映は、90%の入り。はじめて密の恐怖を感じた。空いていた隣に赤ちゃん連れた若い女性とその母親が勝手にやってきて赤ちゃんは泣くわふたりは喋るは、あげくに女性の子供と思われるふたりが上映中も頻繁にやってきて何か言ってるし、これじゃ映画鑑賞どころじゃないでしょ。ところが、映画が凡作なのでまあどうでもよかったわけだ。ダンス多すぎ。RK UniversityのRKってRajkumarかな? こういうとこがいやなんだよ、こいつの映画は。じゃあ、観るなって。ごもっとも。相手役はSayyeshaaで、ここだけはDarshanに勝ってたな。他のメンツもカンナダ映画界の脇役をたくさん集めて豪華だった。ただしSadhu Kokilaはいかん。とにかく、単に感染リスクに晒されに行ったようなもんだった。要自己観察。インターミッションが一度に戻ったね。英語字幕あった。
#15「Nomadland」 Chloé Zhao/2020/米/Apr. 3/INOX: Garuda Mall★
勤務先をなくし夫を亡くし街をなくした女性がバンをhomeにしてアメリカ国内を点々としていく目的地のないロードムービー。この主人公を演じるのはFrances McDormand。知らないなあと思ったらJoel Coenの奥さんで『Blood Simple』でデビューしていたらしい。彼女の孤独を生きるおばさんの演技がすばらしい。常に口を閉じ、独り言をいわない。でも下を向いているわけではなく、常に周りを見ている。アメリカにはこんなパラレルワールドが存在するんだな。風景はもちろん、自然な音楽もよかったな。主人公は生活のため先々で季節雇用のジョブを得て働く。そのひとつがAmazonの物流センターで圧巻。(なのになぜ配信はHuluでAmazon Primeじゃないの?) 2時間ないのに30分のインターミッションってのはひどいね。ある客が文句を言ったので、終映後にマネージャーがひとりひとりに謝ってた。字幕あった。
#14「One」 Santhosh Vishwanath/2021/インド/Mar. 28/Balaji Digital 2K Cinema: Tavarekere○
白シャツにドーティー姿、Mega Star Mammoottyの本領発揮。KeralaのChief Minister役である。政党政治のしがらみのなかで正義を貫く理想の政治家で、Right to Recallなる政治家には自殺モノの法案を提出する。途中で昔の怪我からくる脳機能の問題が発生し、これが物語の転換ポイントかと思いきや、あれ?そうはいかなかった。初登場シーン含め何度か高揚シーンがあって、空いている劇場内も盛り上がった。政治ものなので舞台は当然Trivandrum。州政府はもちろん、駅前のバスセンターとか見憶えのある場所が出てきてちょっぴり楽しい。空港ターミナルが記憶より立派なのは、僕が知っているのが国内線ターミナルだからだな。題名の『One』はCM専用車のナンバーからきているのだけど、あの“1”を強調したデザインナンバープレートは禁止だ。みんなと同じフォント・デザインのにしなさい。近所のローカルシネマで観たけど、ちゃんと字幕があるのでマラヤーラム映画は助かるな。こういう内容だと文字数が多くて追うのが大変だけど。
#13「Saina」 Amole Gupte/2021/インド/Mar. 27/INOX: Garuda Mall○
インドで盛んなスポーツのひとつ、バドミントン。その人気・実力でP. V. Sindhuと争うSaina Nehwalの伝記(?)もの。元々はShraddha Kapoorが演じることになっていたがいつだったかParineeti Chopraへの変更がアナウンスされた。Shraddha Kapoorの方が似てるよね。現役でありあまりえげつないことは描けないからか起伏に乏しい展開なのだけど、ダイエット映画、あるいはyonexとAmulの宣伝映画と思って観ると結構楽しめた。Parineeti Chopra登場時から彼女の腹部のふくらみが気になっていたら、途中でコーチから10kg減量ダイエットの指示が出て、なんだ演出だったのかと半分がっかりした次第。Amulはダイエットとは相容れないブランドであるところを逆手に取ったうまい戦略だったな。一方のyonexは、バドミントン界では一強だろうから余裕って感じ。コーチの助手に日本人が出てた。大阪大学のTシャツ着て大阪を主張してたけど、大阪弁には聞こえなかったな。Saina Nehwalには女友達いないのかね。出てくるのは男ばかりだったよ。字幕なし。
#12「Mumbai Saga」 Sanjay Gupta/2021/インド/Mar. 21/INOX: Mantri Square○
インドに帰ってからはじめてのヒンディー映画。主演はムキムキJohn Abraham、対抗にEmraan Hashmi、相手役はKajal Aggarwalという布陣。老若男女の観客を見込む大スターの派手さはないが、その分ムンバイの黒社会を生々しく描ける。もちろん、A指定。ムンバイの露天商からムンバイ黒社会の大ボスにのし上がる男の生涯は実話ベースとのこと。だとしてもあんなに無敵のわけはなかろうが。John Abraham強すぎ。珍しく腹筋見せなかったな。やることは極悪なのだが、彼を追う警官のEmraan Hashmiも極悪なので、主役に感情移入できるようにできている。一家の姐さんとなるKajal Aggarwalは堂々としていた。このひとも結婚したんだっけ。舞台はムンバイの1980年代。Gateway to Indiaはまあ当然として、Town Hallが出てきた。カフェはKoolarに見えたけど、まあセットかな。最後の飛行場シーンが映画的でよかった。あのプロペラ機で弟をロンドンまで飛ばそうとしたのではないと信じたい。字幕なかった。ヒンディー語なら普通なので文句は言わない。
#11「The Priest」 Jofin T. Chacko/2021/インド/Mar. 20/PVR: Gold, Vega City○
MollywoodのMega Star、Mammoottyの『エクソシスト』。怪しい神父が謎の連続自殺事件の捜査に協力し、その最中に見つけた怪しい少女に憑依した何者かを感じる。ホラーという認識ではなかった(というかMammootty主演という以外なんの事前知識もなかった)ので、話の展開にたじろいた。ホラーは心臓に悪いので苦手だ。でも首が180°回転したりはしなかったな。怪しい少女が唯一微笑みかける担任の先生にいかにもケララ美人系のNikhila Vimal、“正体”にかわい子ちゃんがおばさんになるとこうなる系のManju Warrier。導入の連続自殺事件がやや弱い気がする。メインの話は持っていき方が強引だなと思いながらも途中から面白くなってきた。最終段のイマっぽい捻りも悪くなかった。職を得たばかりというNikhila Vimalの恋人の車がMiniだったりBMWだったりするのは、単にボンボンだからか? ボンボンならどっかのエライひとの息子みたいに簡単にいいポジションもらえるんじゃないの? 字幕あった。Gold Classは高いだけあって座り心地は一段上だね。
#10「Varthamanam」 Sidhartha Siva/2021/インド/Mar. 14/Cinepolis: Orion East Mall○
戦う女優Parvathy。最近Twitter @parvatweets もFacebook @OfficialParvathy もおとなしいなあ、と思ってたらちゃんと丸顔で戦ってました。世界最大の民主主義国インドの宗教間分裂、ヒンドゥー教のカースト差別に真っ向から反対する大胆な作品。ケララのFreedom fighter、Abdur Rahman Sahibを研究するためデリーの大学に入学したイスラム教徒Parvathyが、Anti-national運動を行うグループに加入し、Dalit差別等に立ち向かう。ヒンドゥー至上主義への批判は痛烈だ。BJPから上映中止運動が起きそう。一方で、ムスリムグループからも距離を置いているのがいい。Parvathyが脚本を書いて上演を予定していた劇は、登場人物を見る限り傑作とは思えない妙な感じだったはずで、その意味で観てみたかったかも。Parvathyのホステルでのルームメイト役の女優、どこかで観たことある。何かでメイドかなんか演ってなかったかな。当然字幕あった。Cinepolisも上映前国歌やめてないな。
#9「Roberrt」 Tharun Sudhir/2021/インド/Mar. 11/INOX: Garuda Mall○
明らかに『K.G.F』のYashにチャレンジする予告篇を見て、なんじゃこりゃ、と観にきた“Challenging Star” Darshanの新作。Dussehraに始まりDussehraに終わる。舞台はLucknowだしDarshanは南インドベジ料理ケータリング会社のシェフだしえらく雰囲気が予告篇と違う。 あれれ?と思ったら後半の回想シーンに期待したDarshanが登場。おっちゃんの顔して無敵の強さ。ダンスシーンはトホホだけど、結構楽しめた。敵役は、そうこなくちゃのJagapathi BabuとP. Ravi Shankarのダブルキャスト。特にRavi Shankarは最近まともな役が続いたので満足だ。問題は相手役の Asha Bhatで、どこがいいのかさっぱりわからなかった。回想シーンのSonal Monteiroはまだよかったけど、Darshanの相手役ではなかったし。UPでもカンナダ語喋るって、あんたら世界中どこでも英語のアメリカ人か。字幕なし。まあカンナダ語圏の映画館でカンナダ映画を観て字幕を望むのが間違っているのかもしれないけど。
#8「Hero」 M Bharath Raj/2021/インド/Mar. 6/INOX: Garuda Mall○
なんとなくクォン・ヘヒョを連想してしまうRishab Shettyの新作。このひとの作品はまあ外さないので安心。遠く『Once Upon a Time in Hollywood』を臨む、西部劇っぽくもバイオレンスたっぷりのブラックコメディーでおもしろかった。残念ながらお色気はなかった。床屋がフラれた元恋人を殺しに行くとその旦那は凶悪な極道親分だったという話で、登場人物がどれもイカれている。床屋がもちろんRishab Shettyで元恋人はGanavi Laxman。どこかで見た気がするが新人のようだ。舞台のChikmagalur出身とのことでまさか現地調達? なかなかよろしいのでまた出演していただきたい。演出では、主要人物の紹介に、“VILLAIN”、“HEROINE”などドーンと黄色いバナーが表示されるのだが(これもタラちゃんっぽい)、極悪子分のとこに確か“BASTED”と出た。これって“BASTARD”だよね。そのままだと放送(?)禁止用語だからわざと変えたのだろうか? 字幕あったよ、安定のGaruda Mall。
#7「Operation Java」 Tharun Moorthy/2021/インド/Feb. 28/Fun Cinemas: Sigma Mall○
非正規雇用問題は日本だけではないようだ。サイバー犯罪を扱ったサスペンスものの形を借り、インドにおける非正規労働者に対する扱いの理不尽さを訴える、ケララっぽいながら左翼の匂いは一切しない『大学は出たけれど』。『Premam』の違法アップロード事件の捜査に始まり、その解決に協力した無職のB-TechふたりがKochi警察のCyber Cellに臨時雇用され、さまざまなサイバー関連事件に携わっていき活躍するが、最後には切られる。結婚もできない、あゝ無情。『Premam』事件以外も実際にあった事件をベースにしているようだ。しょうもない事件もあっておもしろかったのだが、途中から同じパターンを繰り返し、徐々にワクワク感がなくなってしまったのは残念。B-Techで月1万ルピーはあんまりだなあ。警察の肩書は惜しいかもしれないけれど、気を落とさずふたりでサイバー専門の探偵社とかやればいいんじゃないかな。字幕あった。
#6「Chakra」 MS Anandan/2021/インド/Feb. 21/INOX: Garuda Mall○
INOXは開映前の国歌があるのが気に入らないが、ここは字幕率高しなのでやむなし。久しぶりのVishalである。何本も観ているわけではないけど、演技の幅は狭そう。でもかっこいい。本作の巷の評判はよくないようだが、言うほど悪くなかった。まあ、字幕があったってのが好印象につながっているかもしれない。話は『Irumbuthirai』のスピンオフという位置付けで、前作でSamanthaにアンガーマネジメントを仕込まれた軍人Vishalが、恋人であるShraddha Srinathの短気さをたしなめるのがおかしい。やはりサイバー犯罪ものなのだが、あまりサイバーっぽくなく、明らかにJust Dialを想定していると思われるなんでも案内アプリサービスがプラットフォームとして使われるのに現実味が感じられた。犯人役のRegina Cassandraは僕の苦手なタイプ。出現が唐突。ここも含めて後半はもう少し捻りが欲しかった。重要なはずのNassarのメダルについての顛末も弱い。そもそも軍人が事件を捜査するのがおかしいのだけど。
#5「Pogaru」 Nanda Kishore/2021/インド/Feb. 20/INOX: Mantri Square
こないだから変だと思ったら、インターバルが2回ある。どうやら州からお達しが出ているらしい。無理なところで中断する。おかげで映画の構成は台なしである。が、この映画は元々台なしなので、まあいい。字幕なしでも、まあいい。主役のDhruva SarjaはSruthi Hariharanの敵Arjun Sarjaの甥。ここでダメ認定である。実際ただのマッチョで、どうしようもない。いつもがなっていてうるさい。シャツの着方が唯一の注目点で、おしゃれなチェックのシャツの右側だけ袖を通し、左側は肩にかけるというスタイルはなかなか斬新だった。相手役はRashmika Mandanna。久しぶりに見たけど、あいかわらず普通にきれいだ。インド人に見えない(インド人はきれいじゃない、という意味ではまったくないよ)。『K.G.F』で目の見えない老鉱夫をやってたじいさんがまた出てた。実際にはおじさんだった。これからサンダルウッドの笠智衆と呼ばせてもらう。ところでマッチャン、マッチャンって何のことだい?
#4「Kutty Story」 Gautham Menon, Vijay, Venkat Prabhu, Nalan Kumarasamy/2021/インド/Feb. 14/PVR: Forum Mall
St. Valentine's Dayに合わせて公開されたラブストーリー4作オムニバス。期待に反して字幕がなかったので撃沈。ひとつ目にAmala Paulが出演の男女の友情についての話。大学生とその25年後を演じているが、ほとんど変わらない。(相手役はわざわざ俳優を替えている。) 大学生(しかもTrichy在住)のAmala Paulは90年代にしてはおしゃれすぎるんじゃないかな。ふたつ目は妊娠した女性とそれを知らされた直後に連絡が取れなくなった男の話。3番目は異色で、メインがオンラインゲーム画面。そこでプレイする男がゲーム内で女戦士に出会い恋に落ちる。発想は面白いけど映像化するとつまらない。『(ハル)』の方がいいよ。で、最後のVijay Sethupathiのやつは、わはは、半分寝ててまったくわからず。女性がふたり出てたような気がするけど同一人物のようにも見えてモヤモヤ。まあVSP向けの作品には到底思えなかった。というわけでやはりこの劇場はだめだ。馴染みのGaruda Mallに戻らねば。国歌が消えたのはいいが。
#3「Ramarjuna」Anish Tejeshwar/2021/インド/Jan. 31/PVR: Vega City○
英語字幕なく撃沈はしたものの、全体像はガッチリつかめた。AnishあるいはAniissh監督・主演の古典的典型的南印度的マサラムービー。前半はファミリー要素、恋愛要素含むコメディーで、後半は悪に立ち向かうアクションという構成。相変わらずの地上げやちょっと前に流行ったメディカルマフィアものという点はやや弱いが、そこに絡むどんでん返しは、予想はできるもののおもしろかった。Sharath Lohitashwa (登場人物で一番有名なひと)がやはりキー。保険外交員(?)のくせに、Anish強すぎ。マドンナ役のNishvika Naiduがいかん。カンナダ映画の弱点は俳優層の薄さで、特に魅力的な女優が少ない。いい加減男優偏重主義やめろ。ドライバーMさんが題名について“(『ラーマーヤナ』の)Ramaと(『マハーバーラタ』の)Arjunaの組み合わせ”と教えてくれた。なーるほど、インドの名前って確かに多くがそんな感じにできてるな。『K.G.F』で目の見えない老鉱夫をやってたじいさんが出てた。『Chapter 2』にも出るかな?
#2「Master」Lokesh Kanagaraj/2021/インド/Jan. 24/PVR: Forum Mall○
インドに戻ってさっそく映画。キャパ50%制限で席がひとつおきになっている。本作はPongal映画として公開されてヒットしているVijayの新作。敵役がVijay SethupathiというダブルVijayが話題。こういう場合僕が楽しみにしているのは、両スターをたてるために最後どのように終わらせるか。まあこれはThalapathy映画だしVSPの役は極悪なので、両者痛み分けというわけにはいかなかったね。Vijayの視点からするとまあいつものストーリー展開で、まあいいんじゃないの。いつもの、と書いたけど相棒がいないのは珍しいかも。その分コメディー要素は控えめだったな。注目のMalavika Mohananのマドンナ役ぶりはいまひとつだった。このひと演技下手だ。声は吹き替えのようだったし。Andrea Jeremiahもチョイ役(カメオ)で出てたけど、だいぶ老けたように見えた。終盤のトラックチェイスシーンより、序盤のメトロ内アクションの方がワクワクした。英語字幕あった。ところで、インドの少年院って塀ないのかな?
#1「新 感染半島 ファイナル・ステージ」ヨン・サンホ/2020/韓国/Jan. 1/109シネマズ湘南○
前作から4年後の世界、ウィルスに感染し誕生したゾンビに征服され封鎖された韓国。脱出後香港にいたカン・ドンウォンがトラックに積まれているという多額の米ドルを奪いに母国に潜入し、ゾンビ他(この“他”が重要)を相手に、4年前に見捨てた見知らぬ母娘と一緒に戦う。廃墟化したソウル〜仁川を舞台にした『マッドマックス』って感じ。大勢のゾンビを車で蹴散らすところとか、(やったことないけど)最近のゲーム映像にしか見えないところがコメディーで、現実にパンデミック中の時勢に観ていることも含め悪い冗談ともいえる。前作のときにも書いたが、ゾンビに噛まれるとゾンビになるのはともかく、撃たれると死ぬゾンビっておかしいよね。母はイ・ジョンヒョン。娘はイ・レ。スーパーな運転をしてたこのイ・レは成長株だな。4年前の脱出船が向かったのが日本という設定に“おやっ”と思ったら、日本が受入れ拒否という流れでがっかり。

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Updated: 12/6/2021

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