好々亭を出たら、好好洞をふたたび抜けて線路脇に戻ります。そして左折して、北鎌倉駅の長いプラットホームが終わるまで歩くと、北鎌倉駅の下りホーム改札です。ホーム内に入りたい場合には、上りホーム側に廻って入場券を購入しなくてはなりませんが、さいわいホームは改札に入らなくてもよく見えます。
原節子(あるいは二本柳寛)が立っていた場所に自分も立ってみたいという人は、電車に乗るために改札に入ったついでにぶらついてみるのがよいでしょう。
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この静かな駅は2本の作品に登場します。『晩春』では、冒頭のお茶会が北鎌倉で開催されることを示す、いわゆる枕ショットに使われます。また『麦秋』では、主人公の住む最寄り駅として登場し、原節子と二本柳寛が『チボー家の人々』についてホームで会話を交わします。
原節子(あるいは二本柳寛)が立っていたのは当然上りホームです。
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細部こそ変わっていますが、当時の面影を色濃く残す佇まいです。構内の踏切脇には『晩春』でも見られた“驛倉鎌北”と書かれた看板が飾ってあるのでお見のがしなく。
北鎌倉駅には構内放送も発車ベルもありません。というのは印象で、厳密にいえば、あるにはあるのだけれどボリュームが抑えられていて聞こえないのが正しいです。
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