江ノ電で稲村ヶ崎駅まで行きましょう。住宅街の中をゴトゴト走る2両あるいは4両編成の小さな電車は、トンネルを抜けて静かな極楽寺駅に停ったあと、稲村ヶ崎駅で鎌倉行き電車と待ち合わせします。
稲村ヶ崎駅に着いて改札を出たら、すぐそこの踏切を渡り、直進します。突き当たりはセブンイレブンで、向かって右に下り坂がありますから、それを降りると国道134号線です。目前には海が広がります。
そこを左に曲がるとすぐ、お気に入りのイタリアンレストラン・ロンディーノがあります。
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『麦秋』で、父親である笠智衆が包みをかかえて夜勤から帰ってきたとき、模型電車のレールを買ってきてくれたとすっかり勘違いした兄の実は、それがただのパンだということがわかり、父親に抗議します。原節子の結婚問題でつむじを曲げていた笠智衆は八つ当たり半分で実を叱り、実は弟の勇を連れて家を飛びだします。
2人は稲村ヶ崎の海岸をアテもなく歩きます。先に江ノ島が見えます。悔し涙を流しながら海に向って「バカヤロー」と叫ぶ実に対し、のんびり海に向っておしっこする勇。海は何でも受け入れてくれます。
この海岸沿いの、車が一台も通らない道が国道134号線です。映画では、戦後まもなくですから、ガードレールに使われていた鉄パイプは供出されたままで、かなり安全性に問題があるように見えました。もちろん、現在は立派な柵が設けられています。車も、週末には長い行列をつくります。
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